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片山 敦 理事長の独自取材記事

ゆうあいクリニック

(横浜市港北区/北新横浜駅)

最終更新日:2021/10/12

片山敦理事長 ゆうあいクリニック main

北新横浜駅から5分ほど歩くと、パームツリーに囲まれた「ゆうあいクリニック」が見えてくる。理事長である片山敦先生は、内科の医師として総合病院などで研鑽を重ねた経験から、「納得」と「満足」を提供する質の高い医療機関を追求。画像診断機器による、がんや脳疾患、心疾患の検査に特化した同院を立ち上げた。MRIやCTはもちろん、PET検査機器を導入し、精密かつ幅広い検査に努めている。「ここで受診して良かったと思っていただけるような医療機関でありたいですね」という片山理事長に、じっくりと話を聞いた。

(取材日2019年3月18日)

質の高さにこだわった検査で実績を重ね、信頼を築く

こちらは一般的なクリニックとはかなり違うようですね。

片山敦理事長 ゆうあいクリニック1

当院は検診や検査を専門としたクリニックですので、基本的に治療は行いません。病院でがんと診断された方の病期診断(ステージング)や再発診断、健康な人を対象とした人間ドックやがん検診を行っており、開業から非常に数多くの診断を行ってきました。MRIやCT、超音波に加え、がんの位置や進行具合をより精密に確認し、PETとCTの同時撮影ができるPET‐CT、乳がんに特化した乳房専用PET装置などの機器を駆使し、精度にこだわった画像診断が可能です。そのため、がん診療を行っている大きな病院をはじめ、多くの医療機関からの依頼を受けています。

PET検査とはどのような検査なのですか? MRIやCTとの違いを教えてください。

いずれも画像検査ですが、MRIやCT検査は臓器の形の異常を見る形態画像検査であるため、腫瘍の存在を確認しても良性か悪性かまではわからないことがあります。一方PET検査は、ブドウ糖によく似た成分であるFDGという検査薬を用います。がん細胞など活動性が高い細胞に集まる性質があるため、がんの有無や位置、大きさに加え進行度を調べることができるのです。またPET検査では、全身を一度に短時間でスキャンできるため、思わぬ部位への転移や、体内の複数の種類のがんを発見できます。さらにPETカメラで撮影するとがん細胞に集まったFDGを映し出すことができるので、患者さんにとってもわかりやすいことが特徴です。

PET検査は発見の難しいがんにも有用だそうですね。

片山敦理事長 ゆうあいクリニック2

ある患者さんはCT検査で肺がんが見つかり、その病期診断のためにPET検査をし、病院での手術後は当院でフォローを行いました。術後フォローは5年をめどにしていますが、その方は5年目に膵臓にがんが見つかったのです。膵がんは発見が難しいので、PETでなければ見つからなかったと思います。早期発見ができたため経過は順調で、今もご存命です。また右の胸に乳がんの疑いがあると診断されたものの、4回の生検がすべて陰性という患者さんがいらしたのですが、担当医から「画像上がんの疑いがあるから切除しましょう」と言われ、悩んでいらっしゃいました。そこで乳房専用PET装置で検査をしたら、組織の違うがんがあちこちにあったんです。そのため納得の上、大学病院で手術をされたのです。がんであれば、組織の種類が違っても発見できることもPETの強みですね。

適切な治療提供につなげるためにもPET検査は重要

PET検査を受ける患者さんのメリットはどういった点でしょう?

片山敦理事長 ゆうあいクリニック3

患者さんに適切な治療が提供できることです。「がんだと思って手術をしたら良性腫瘍だった」、「開腹したが予想より進行していて何もせず閉じた」という話を聞いたことはありませんか。手術前に腫瘍が悪性なのか良性なのか状態を正確に把握できれば、そういうことはなくなります。PET‐CTは、がんという敵の位置や大きさ、性質を知るために非常に有用なツールです。私は当院を立ち上げた当初から、がん患者さんの臨床目的での普及をめざしたいと考えてきました。無駄な手術が減り、無駄な医療費をかけない “ジャストサイズ”の治療が受けられるようになるからです。また術後に定期検診を受けることで、がんの再発を早期に見つけることもでき、安心にもつながります。

医療費の話が出ましたが、PET検査になじみのない人には費用も気になるところだと思います。

そうですね。でも、「検査」においては2002年から一部のがんで健康保健の適用となり、2010年には、早期の胃がんを除くすべての悪性腫瘍にまで広がりました。病院からの紹介があれば保険適用になりますから、主治医とご相談いただき、ぜひ利用してほしいですね。ただし日本の国民皆保険は制度上、病名がついたものに関して保険が適用されるというシステムですから、病気を調べるという検査目的では保険が適用されません。そのため 「検診」でPETを利用される場合は自費になってしまうのですが、当院ではお一人お一人の目的や年齢、リスクに合わせたコース選択が可能です。

検診や検査はどのようなものがあるのですか。

片山敦理事長 ゆうあいクリニック4

当院ではPET‐CT5台、乳房専用PET装置1台、MRI3台を備え、これらの機器を複数組み合わせた、がん総合診断と、人間ドックがあります。がん総合診断は基礎項目を調べるベーシックコースや全身のがんをトータルに調べるスタンダードコースをはじめ、女性特有のがんや婦人科疾患、アルツハイマー病といった脳疾患を調べるコースもご用意しました。人間ドックは生活習慣病や脳疾患を調べたい方のために、ご用意しています。

がんに立ち向かうために、PET検査を活用してほしい

画像診断に特化したクリニックを立ち上げようと思われたのは、なぜですか?

片山敦理事長 ゆうあいクリニック5

勤務医時代から、オールインワンの大規模病院ではなく、手術専門、療養専門、検査専門と分業化すれば、スピードや医療の質の面でも患者さんにとってメリットが大きいのではないかと考えていました。患者さんを何時間もお待たせし、医師は過酷な超過勤務で疲弊しきっている現実を見てきましたから。そこで自分が経営者になり、理想とする医療を実現しようと思ったのです。志を同じくして集まってくれる仲間がいて、自分一人ではできないことも力を合わせて達成していく。また得意分野を持った医療機関と連携し、患者さんを中心とした有機的なネットワークを地域につくっていく。そんな仕事に、今は大きな魅力とやりがいを感じています。

「ゆうあいクリニックならでは」という点はありますか。

乳房専用PET装置を備えていることです。乳房のみのFDGの集まりを画像化しますので、全身PET検査ではわからない小さな病変も検出することができます。マンモグラフィは乳房をはさんで撮影するため痛みを感じる方もいますが、この装置はうつ伏せの状態で両側の乳房を検出器ホールの中に入れますので、乳房が圧迫される痛みを感じることはほとんどありません。また血液検査の項目が多い、便潜血検査を取り入れているなど、内科の医師目線で検査を提供できるのも当院ならではといえるでしょう。当院は放射線科医師のほか、僕をはじめ3人の内科医師で構成されているのも特徴的かと思います。

では最後に、クリニックの今後の展望について教えてください。

片山敦理事長 ゆうあいクリニック6

日本核医学会の資料によれば2018年に日本で行われたPET‐CTによる検査のうち、そのほとんどががん患者さんのための検査です。また、1年間に新たに「がん」と診断される方は非常に数多く、治療中の方も含めれば数百万人の方ががんと闘っているともいわれています。ですから私たちは、PET‐CTのメリットをより多くの方に知ってもらうために、各病院や薬局、健保組合などに呼びかけて、パンフレットなどを置かせてもらっています。例えばどこかの病院の、乳腺の外来の診察室前にポンと置かれたこのパンフレットに患者さんが目を留めて、希望を持ってもらいたい。それが私の願いです。各自治体の定期健診を存分に活用し、がんと診断されたら、まずPET検査を受けてほしいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人間ドック/5万5000円
がん総合診断/ベーシックコース:12万5000円、スタンダードコース:19万5000円、プレミアムコース(女性特有のがんや婦人科疾患、脳疾患):34万5000円

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