痔は悪化すると手術が必要
早期なら簡単な治療で済むことも
川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック
(川崎市川崎区/川崎駅)
最終更新日:2025/01/15


- 保険診療
川崎駅や京急川崎駅から徒歩4分の場所にある「川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック」には、日々多くの患者が訪れる。消化器内科と肛門外科に対応する同院だが、近藤崇之院長によると、20~30代では内視鏡検査よりも肛門外科の患者のほうが多いくらいだそうだ。その大半はイボ痔・切れ痔・痔ろうの症状で、痔はそれほどにありふれた病気だといえる。しかし中には「肛門外科への受診に抵抗がある」と感じ、市販薬で様子を見る人もいるのではないだろうか。今回は近藤院長に、痔になりやすい生活習慣や治療法、また「なぜ早期受診が大切なのか」についても教えてもらった。
(取材日2024年12月10日)
目次
早期の痔ならば簡単な治療で済むことも。痛みや出血など、お尻からのサインがあればすぐ肛門外科へ
- Q痔になりやすい生活習慣や年齢はあるのでしょうか?
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A
▲腹痛には、さまざまな疾患が隠れている可能性が
イボ痔や切れ痔は肛門への圧力が大きな原因となり得ます。例えばデスクワークや立ち仕事など同じ姿勢が長時間続くような職業の方や、便秘がちな方、また出産もお尻に非常に力がかかりますから、そこからイボ痔や切れ痔になってしまう女性の方も多いです。そのほか、肛門内に細菌が入って化膿してしまう痔ろうもよく見られる症状の一つで、イボ痔・切れ痔・痔ろうのいずれも年齢にかかわらず発症します。当院は消化器内科も肛門外科も診ていますが、20~30代の若い方ですと肛門外科の患者さんのほうが多いくらいですね。痔は誰でも発症する可能性がある病気で、お尻の悩みは決して珍しいものではないんですよ。
- Q市販薬で様子を見たり放置するとどのようなリスクがありますか?
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A
▲患者が安心して通えるクリニックづくりに注力している
市販薬は痛みやかゆみなどの一時的な緩和が目的であれば手軽で良いのですが、やはり最終的には肛門外科を受診してほしいと思います。その薬が症状に合ったものかどうかを患者さんご自身で判断することは難しいでしょうし、例えば手術を必要とする痔ろうの症状に、いくら軟膏を塗っても治りません。またイボ痔や切れ痔も悪化すると手術が必要となる場合もあり、できるだけ早く受診して、症状に合った治療を始めるのが大切です。もう一つ重要なのが、自己判断では「出血の原因が、痔ではなく大腸がんだった」というようなケースを見逃してしまう恐れがあるということ。明らかに切れ痔があるからといって大腸がんを否定することはできませんからね。
- Q痔の治療法について教えてください。
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A
▲手術中も患者が恥ずかしい思いをしなくてすむよう工夫する
初期のイボ痔や切れ痔では軟膏を使いながら、お尻に負担がかからないよう生活習慣を改善したり、便をやわらかくするような食事を心がけて改善をめざします。早い段階ならばこれだけで症状が改善に向かうことも多いんですよ。ですが切れ痔を放置してしまうと皮膚が硬くなり、その場合はその部分を手術で切除しなくてはなりません。イボ痔が進行した場合にはALTA療法による内痔核硬化療法などを用いますが、再発率を下げるために、当院では内痔核硬化療法と手術を組み合わせて治療を行います。また、痔ろうの場合は初期であっても手術が必要です。当院では日帰りでの手術に対応しています。
- Q日帰りで手術を受けることも可能なのですね。
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A
▲資料や図を用いてわかりやすく説明する
はい。いずれの場合も麻酔を使い、できるだけ痛みの少ない手術を心がけています。ただし、すべての痔の手術が当院内で可能なわけではありません。当院では、肛門疾患専用の超音波検査装置や、お尻の圧力を測定する内圧検査機器を備え、病院を紹介すべき症状かどうかを慎重に判断。当院で難しいと判断した場合には、牧田総合病院や松島病院など、設備の整った病院にご紹介します。肛門外科はとても専門性の高い分野です。院内で精度の高い治療を行うだけでなく、入院が必要な症状かどうかをしっかりと見極めて適切な治療につなげるのも、開業医の役目だと考えています。
- Qお尻からの出血で、痔以外の病気の可能性もあるのでしょうか?
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A
▲早期発見のために気軽に来院してほしいと話す
そうですね。特に注意が必要なのは、大腸がんなどの重い病気が潜んでいるケースです。検査もせずに出血の原因を「切れ痔だ」と言い切ったり、大腸がんを否定することはできません。当院では痔の症状でいらした患者さんに対して、がんなどの重大な疾患がないことを確認するために、できるだけ事前に大腸内視鏡検査を受けていただいています。トイレで出血があるたびに「痔だろうか、大腸がんだろうか」と不安になる方もいると思いますが、大腸内視鏡検査を受けることで原因の特定や病気の早期発見につながります。このような理由から、痔の診療を受ける際は、内視鏡検査を同時に受けられるクリニックを選ぶことをお勧めします。