西本 幸祐 院長の独自取材記事
蓮花寺ニコ歯科クリニック
(中間市/通谷駅)
最終更新日:2024/10/11

通谷駅から徒歩5分の「蓮花寺ニコ歯科クリニック」。西本幸祐院長は、勤務医として歯周病治療に専門的に携わってきた経験を生かし、患者自身の歯で長く噛めるように、そして健康を守れるよう歯周病治療・予防に力を入れている。特徴的な院名は、院長自身の姓と名の最初の一文字を組み合わせたものなのだそう。「患者さんがにこにこと幸せに過ごせるよう貢献したい、という思いを込めました」と、院長は笑顔で話す。その言葉どおり、歯科治療に苦手意識を持つ子どもにも優しく丁寧に対応している。今回は、家族で通えるクリニックをめざす西本院長から、診療モットーや同院の特徴など、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2023年8月3日)
患者にもスタッフにも愛をもって接し、より良い治療を
最初に、先生が歯科医師になられた理由を教えてください。

有名な医療漫画に登場する、天才外科医に憧れたのが医療職に興味を持った最初のきっかけでしょうか。治療の過程でさまざまな人間ドラマがあり、ページをめくるたび感銘を受けたものです。神奈川大学歯学部に進学後、大学で歯科に関する知識を得るにつれ、口腔内の健康は体の健康と深いつながりがあることを知り、次第に関心を持ち始めました。食べ物がきちんと噛めることもそうですし、噛み合わせが良くないと、全身の筋肉や骨格のバランス、呼吸にも悪影響を及ぼします。そうしたことから、歯科医師は皆さんの健康を守る大切な職業だということに、大学生活を通じて気づいたんです。
歯周病治療について専門的に学ばれたと伺いました。
歯周病は日本人が歯を失う大きな要因といわれており、大学在学中から関心を寄せていたんです。歯科医師になってすぐに勉強を始めました。その後、福岡市内で2つのクリニックに勤務したのですが、最初のクリニックの院長が歯周病治療を専門としていまして。基礎から実践まで、幅広く学べたことは大きかったですね。2院目のクリニックはデジタル機器を活用し、審美歯科にも力を入れているクリニックでした。ここでは、審美的な面を考えた治療について多くの経験を積めたと思います。そして2022年、これまでの学びや経験を生かし、当院を開業しました。中間市を開業場所に選んだのは、高校時代によく遊びに来ていて、なじみ深かい場所だったのが一つです。また、私が北九州市出身ということもあり、親の老後のことを考えた場合、実家の近くで仕事をしたいという思いもありました。
「貢献」「愛」「成長」が、クリニックの理念だそうですね。

はい。「貢献」は、医療人として地域の皆さんが健康に過ごせるよう、自分のできることをしたいという意味です。その思いから、現在は歯科医師会に入り、さまざまな地域事業にも参加しています。「愛」については、どの患者さんにも愛を持って接していこうという思いを込めました。そのためには、自分の一番近くにいる人たちが幸せな環境でいることが大切です。つまり、スタッフや家族に対する愛があってはじめて、患者さんに対する愛を広げていけるのでは、と考えました。患者さんに対してはもちろん、スタッフにも優しい歯科医師でありたいですね。また、「成長」は、日進月歩の医療を扱う者として日々の勉強が不可欠、という意味です。常に成長を続け、患者さんにより良い歯科医療を提供していきたいと思います。
自分の歯で最後まで噛むための歯周病治療
現在も歯周病の治療に注力されているのですか?

はい。当院の患者さんにも歯周病の治療を希望される方が多いんです。歯周病は中高年で発症するイメージがあるかもしれませんが、遺伝性のものもあり、若い世代でかかる人も少なくありません。また、慢性炎症から徐々に進行するため自覚症状が出にくく、受診した時にはすでに重度になっていたという人もいます。一方で、歯周病は全身症状とも関係があることがわかってきました。特に糖尿病との相関が深く、歯周病治療をすると糖尿病の数値が下がったり、逆に糖尿病の治療をすると歯周病の状態が良くなったりということがあり得ます。高齢の方であれば、歯周病のケアは誤嚥性肺炎の防止にもつながりますから、早めに治療を開始することが重要です。
どのような歯周病治療を行っていますか?
歯垢や歯石を除去しながら、症状が改善するようアプローチします。ですので、歯科衛生士のスキルが重要といえるでしょう。当院では月に1回講師を招き、研鑽を積んでいます。また、歯科衛生士はあえて担当制にはしていません。患者さんを多角的に診ることが大切と考えているからです。進行してしまった歯周病には、歯周外科治療、歯周組織再生療法も行っています。他院で抜歯するしかないと言われた方も一度ご相談ください。当院では、自分の歯で最後まで噛めることをめざして治療方針を立てています。しかし、歯を残すことだけに固執しているわけではありません。例えば、噛み合わせが悪くて特定の歯に負荷がかかり、歯周病が悪化した場合、患者さんが矯正治療を望まないならば抜歯をしたほうがいいという判断もあるでしょう。そのため、患者さんのお口の中の状態を総合的に判断しながら、適した治療方法のご提案に努めています。
他にはどんな患者さんが多いですか?

40〜50代の女性の比率が高いでしょうか。最近はお子さん連れの方も増えてきました。当院では、歯が生え始める6ヵ月頃からのご来院をお勧めしています。というのも、お子さんに歯科医院という場所に慣れてもらうことや、親御さんの知識獲得に役立つからです。実際に、1歳未満のお子さんが来られた時は、診察よりも親御さんと話している時間のほうが長いですよ。例えば、離乳期を過ぎても哺乳瓶を使い続けていると、う蝕のリスクも出てくるので、虫歯になりにくいあげ方を知っておかなくてはなりません。奥歯が生えてきたら、虫歯予防対策の検討もしていただきたいですね。定期的にご来院いただければ、お子さんの成長に合わせたアドバイスをしていけると思います。また、お子さんの歯の注意点をお話しすることで、親御さんもご自身の歯の健康について考えるきっかけにしてもらえたらうれしいです。
患者のことを知るためにカウンセリングを重視
初診時のカウンセリングを重視されているとお聞きしました。

ええ。初診の患者さんの場合、急を要する場合を除き、ファーストカウンセリングとしてカウンセリングルームで30~40分ほどお話を伺います。それから各種検査を行い、お口の中の状態を把握していく流れです。そして、ファーストカウンセリングの内容や検査結果を踏まえ、診療方針を立て、次回来院時のセカンドカウンセリングでご説明します。ここまで手順を踏むのは、患者さんの人となりがわかってないと、良い治療をすることが難しいということに気づいたからです。ファーストカウンセリングは、患者さんがどういう方か知る場だと考えています。ですから、趣味や最近うれしかったことなど、細かいこともお聞きするんですよ。診療エリアではない場所で、一対一で行うため、患者さんもきっと話しやすいのではないでしょうか。
患者さんのことを知ることが、より良い治療につながるのですね。
患者さんとのコミュニケーションの中で、その方が一番求めているものを私たちが発見し、患者さんの価値観に沿った治療をすることが大切と考えています。お子さんの治療に関しても、その子の気持ちを尊重して、強制するような治療はしません。当院は、歯科治療が苦手というお子さんが結構来られるんですよ。そういう子でも、例えば、「今日は治療で使うミラーをお口の中に入れる練習をしよう」と言って、練習をしてもらいます。それができたらその日は終わり。次に来院した時は口腔内に風をあてる練習をするといったように、一段階ずつ治療に慣れてもらいます。無理な治療で嫌な思いをして、歯科医院から足が遠のくことが最も避けるべきことです。来院回数は増えるかもしれませんが、保護者の方にもご理解いただければと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

虫歯菌や歯周病菌は、食事のときに箸やスプーンを共用したり、スキンシップしたりといった日常生活の行動によって子どもにうつることがあります。こうした生活習慣に気をつけるとともに、ご家族皆さんで虫歯や歯周病の治療、予防をしていくことが大切です。当院は、歯と歯茎のことでお困りのことがあれば、一番に相談したいと思っていただけるような歯科医院をめざしています。気になることがありましたら、どうぞお気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック/4万円~
メタルフリー義歯/16万円~
パウダーメンテナンス/5000円~
インプラント治療/40万円~
ホワイトニング/2万2000円程度