土屋 博司 理事長の独自取材記事
ハートクリニック浦安
(浦安市/浦安駅)
最終更新日:2026/06/19
浦安市猫実2丁目の一角、大三角線沿いにあるのが「ハートクリニック浦安」だ。2022年、土屋博司理事長が前医院を継承する形で新規に開業した。土屋理事長は、それまで杏林大学の心臓血管外科で重篤な心臓・血管疾患の手術に携わってきた。命に関わる大きな病気を診てきたからこそ、医師人生の後半は、そんな事態に陥らないよう予防医療に徹していきたいと考えたそうだ。診療の際は、心疾患を引き起こす主な原因である高血圧や糖尿病、動脈硬化などについてグラフやイラスト、写真を多用したスライドを使いながら患者が理解しやすいよう説明している。予防医療への思いやクリニックの特徴などについて聞いた。
(取材日2024年3月19日/情報更新日2026年6月15日)
小さな異常から、重大疾患の早期発見へ。
開業への思いについて聞かせてください。

私は大学病院で心臓血管外科医として、急性心臓疾患や大動脈疾患など、一刻を争う重篤な病気の治療に携わってきました。突然倒れて初めて病気に気づく患者さまを数多く診てきた経験から、外来での予防医療の大切さを強く感じています。心臓病や脳卒中、大動脈疾患は、突然起こるように見えても、高血圧、糖尿病、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群など、日々の小さな異常が背景にあることがあります。「少し血圧が高いだけ」「健診で少し引っかかっただけ」と放置せず、早い段階で向き合うことが大切です。当院では、検査結果や生活背景を確認し、必要に応じて心電図、レントゲン、超音波検査などを組み合わせながら、患者さま一人ひとりに合った治療を提案します。地域のかかりつけ医として、小さな違和感もお気軽にご相談ください。
浦安を選んだのはどんな理由があったのですか。
山本医院を長く支えてこられた山本先生から、地域医療のバトンをお預かりするご縁をいただいたことがきっかけです。私は大学病院で20年以上、心臓血管外科医として命に関わる病気の治療に携わってきました。その経験から、病気が重症化してから治療するだけでなく、日々の診療の中で小さな異常に気づき、大きな病気を防ぐことの大切さを強く感じるようになりました。実家が千葉県船橋市にあり、学生時代には東西線を利用していたため、浦安は以前から親しみのある地域です。これまで山本医院が築いてきた信頼を大切にしながら、浦安の皆さまにとって身近で相談しやすいクリニックであり続けられるよう、丁寧な診療を心がけてまいります。
診療内容も幅広いですね。

当院では、生活習慣病や循環器疾患を中心に、内科全般、健診異常、睡眠時無呼吸症候群、発熱・かぜ症状から外科的処置や痔まで幅広く診療しています。私は大学病院で心臓血管外科医として、心臓だけでなく全身の状態を確認する大切さを学んできました。高血圧、糖尿病、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群などは、将来の心臓病や脳卒中、大動脈疾患につながることがあります。「少し気になる」段階で向き合い、必要な検査を行うことで、重大疾患の早期発見と予防につなげていきます。
病気に対する理解を深めることが大切
診療方針について教えてください。

当院の診療方針は、「まず受け止め、必要なら迷わずつなぐ」ことです。身近なかかりつけ医として、体調不良や健診異常、小さな違和感にも丁寧に向き合い、必要な検査や治療を行います。一方で、緊急性が高い場合や、専門的な検査・治療が必要と判断した場合には、速やかに専門医療機関へご紹介します。順天堂大学医学部附属浦安病院、東京ベイ・浦安市川医療センター、がん研有明病院など、病状に応じて適切な医療機関をご案内します。大学病院で重症疾患の治療に携わってきた経験を生かし、当院で診療を続けるべきか、専門病院へつなぐべきかを冷静に見極め、患者さまが適切な医療を受けられるよう努めています。
患者さんへの説明ではスライドを活用しているのですね。
当院では、患者さまに病状や治療の必要性をわかりやすくお伝えするため、スライドや画像を用いた説明を行っています。言葉だけでは伝わりにくい体の中の変化も、画像で見ることで、現在の状態や将来のリスクを具体的に理解しやすくなります。高血圧、糖尿病、脂質異常症などは、初期には自覚症状が少ない一方で、放置すると心臓病や脳卒中、大動脈疾患につながることがあります。そのため、「なぜ治療が必要なのか」「今から何をすれば良いのか」を一緒に確認することを大切にしています。画像での説明は、不安をあおるためではなく、ご自身の体を知り、早い段階から予防や治療に前向きに取り組んでいただくためのものです。患者さま一人ひとりの状況に合わせて、できるだけわかりやすく、納得していただける説明を心がけています。
まず病気に対する知識を持つことが予防に大切なのですね。

そうですね。もちろん、病気に対する知識を深めることも大切ですが、喫煙・飲酒量・運動量・ストレス量など、自身の生活習慣を把握することも非常に大切です。私自身もそうですが、20代に簡単に行えていたことが、40代の後半にはつらくなってきます。平等に人間は年齢を重ね、右下がりに体力が落ち老いていきます。その右下がりの矢印を少しでも上方に上げるには、病気や生活習慣に対する正しい知識を持つことが大切です。ほんの少しでも良いので「今日は30分歩いた。今日は粗食にした。サウナに入ってストレス改善した」等といった小さな目標を見つけ、日々体を労りながら生活することは大切だと思います。
こちらで受けられる検査について教えてください。
当院では、エックス線、採血、心電図、24時間心電図、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査、超音波(エコー)、上部内視鏡(胃カメラ)に対応しています。迅速血算、CRP、HbA1cも院内で確認でき、発熱時の炎症反応や糖尿病の状態を早く把握しやすい体制を整えています。特にエコーは、専門的に研鑽を積んだスタッフが担当し、心臓、頸動脈、腹部などを丁寧に評価します。胃カメラは2024年5月より再開し、水曜日に日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医が適宜検査を行っております。以前は専門外のため一時休止していましたが、通院負担を減らしたいとの思いから再開しました。また、毎週木曜日には糖尿病専門の医師による外来を行い、インスリン治療を含めたこまやかな管理も可能です。1つのクリニックで複数の専門家が連携し、身近な場所で質の高い医療を受けていただけるよう努めています。
動悸がする、胸が圧迫されると感じたらすぐに受診を
ところで、先生が医師をめざしたきっかけはどんなことだったのでしょう。

人の力になれる仕事をしたいと思い、医師を志しました。もともとは工学系の道に進んでいましたが、医療が人の人生に深く関わる仕事であることに惹かれ、医学部に入り直しました。心臓血管外科を選んだのは、命に直結する病気に向き合い、手術を通じて患者さまを救いたいと考えたからです。大学病院で重症患者さまを診てきた経験は、現在の診療にも生きています。
ご自身は健康維持のために何かされていますか。
健康維持のために、ランニングと水泳を続けています。患者さまに生活習慣の改善をお伝えする以上、私自身も健康的な生活を心がけたいと考えています。医師が体調を崩して急に休診することは、通院されている患者さまにもご迷惑をおかけします。患者さまを継続して支えられるよう、自分自身の健康管理も診療の一部として大切にしています。
では最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

命を守る医療は、救急車で運ばれてから始まるものだけではありません。日々の血圧、血糖、脂質、睡眠、胸の違和感や動悸といった小さなサインに早く気づくことも、大切な医療だと考えています。私は大学病院で重症疾患に向き合ってきた経験から、地域の皆さまには、大きな病気になる前に受診していただきたいと思っています。「この程度で受診してよいのかな」「何科に行けば良いかわからない」と迷う時こそ、どうぞご相談ください。当院では、必要な検査と診察を行い、緊急性や専門性が高いと判断した場合には、速やかに適切な医療機関へご紹介します。地域の身近なかかりつけ医として、皆さまの健康と生活を長く支えていきたいと考えています。

