自律神経に関わる症状は
脳神経専門クリニックへの受診の検討を
鎌倉脳神経MRIクリニック
(鎌倉市/鎌倉駅)
最終更新日:2023/06/14
- 保険診療
現代人に欠かせないものとなっているスマートフォン。長時間使用により、体のさまざまな部位に悪影響を及ぼすともいわれるが、特に姿勢の悪い状態で使い続けることで、首や肩周りなどの筋緊張が強くなり、ストレートネックにつながるケースが増えている。ストレートネックは自律神経とも関連があり、頭痛の原因にもなるという。「鎌倉脳神経MRIクリニック」では、そうした神経に関するトラブルの治療だけでなく、トラブルを招く状況の根本的な改善もめざしている。院長の根本哲宏先生は「日頃から正しい姿勢を意識し、整体を受け、ストレッチを行うなどで、体を労わることを習慣化することが大切」と考え、総合的なサポートを心がけているそうだ。今回はストレートネックと自律神経の関係性、症状や予防法などを聞いた。
(取材日2023年5月29日)
目次
頭痛など自律神経症状に関連するというストレートネック。専門家による鑑別と適切な対処を
- Q自律神経とストレートネックはどのような関係なのでしょうか?
-
A
首の正常な形は、横から見ると緩やかに前弯しています。 これによって首は重い頭を支えながら姿勢を保つのに有利な構造になっています。猫背など姿勢が悪くなると頭が前に下がり、普通なら5kgくらいですが、20kg以上の首や肩への負担になるといわれています。すると、首や肩周り、背中の筋緊張が強くなり首がどんどん真っすぐになってしまう。それがストレートネックです。「スマホ首」とも呼ばれ、スマートフォンの長時間使用によってストレートネックになってしまうと、体のさまざまな部位に不調が生じ、自律神経症状とも関連することになります。これは脳疾患と共通する症状も多いため、専門の医師による鑑別と適切な対処が必要です。
- Qストレートネックが引き起こす自律神経に関わる症状とは?
-
A
ストレートネックになると自律神経のバランスが乱れやすくなり、筋肉の過緊張が自覚症状のないまま頭部、目周り、上肢の筋肉まで及んでいきます。その結果、頭痛、頭重感、めまい、ふらつき、嘔気、嘔吐、上肢のしびれ、目の疲れ・見えにくさ、顔面のしびれ・痛み・違和感、耳鳴り、肩凝りといった症状を誘発するリスクが高くなります。これらに対しては、対症療法的に薬に頼るのではなく、専門家がきちんと検査して根本的な原因を見つけ、負のサイクルを断ち切ることが大切です。
- Qストレートネックが気になった場合はどうしたらよいですか?
-
A
首のエックス線写真を撮れば、ストレートネックかどうかが一目瞭然です。セルフチェックとしては、壁にお尻と背中をピタッとつけて立ちます。この時、「後頭部」「肩甲骨」「お尻」「踵」の4ヵ所が自然に壁についていれば正常ですが、もし、後頭部が壁から浮いていたり、不自然な姿勢と感じた場合はストレートネックが疑われます。気になる方は放置せず、早めにエックス線検査やMRI検査を受けることをお勧めします。
- Qこちらでは自律神経症状についてどんな治療を行っていますか?
-
A
検査の結果を考慮し、それぞれの症状に合わせて対応しています。ただ、例えば慢性的な頭痛に対して痛み止めの薬を処方するだけでは、原因にはアプローチできないので根本的な解決は望めません。ですので、薬だけに頼るのではなく、まずは首や肩の筋肉の緊張をほぐせるように、整体を受けることも大切といったアドバイスをすることもあります。普段からの姿勢で気をつけることや、どんな運動をしたらいいのかなどもお伝えしています。筋緊張と姿勢は自律神経症状と密接な関わりがありますから、併せてアプローチしていくことで根本的な解決につながると考えています。
- Q普段から気をつけるべきことがあれば教えてください。
-
A
ストレートネックの予防は、スマートフォンの長時間使用を避け、使用中の姿勢を正すことが第一です。スマートフォン使用中には頭を大きく下げず、目の高さで画面を見るよう心がけましょう。パソコン作業中の姿勢も大切です。画面の上端が目の高さと同じかやや下となるように調整してください。薬によって症状の改善を図っても、それは一時的な対症療法に過ぎず、根本的な治療にはなっていません。日頃から正しい姿勢を心がけ、自分の体を労わることを習慣化し、薬に頼らない体にしていくことが重要だと考えています。お悩みの方は一度ご相談ください。