MRIと専門家による詳しい検査で
早期発見につながる認知症検査
鎌倉脳神経MRIクリニック
(鎌倉市/鎌倉駅)
最終更新日:2025/02/20


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加齢により、体力と同様に低下する認知機能。「人の名前が出てこない」「探し物が増えた」といった気がかりが、年齢によるものなのか、認知症の症状として治療が必要なものなのか、判断がつかないケースも多いだろう。「鎌倉脳神経MRIクリニック」では、認知症の早期発見をめざし、認知症検査を実施している。「始めるタイミングが早いほど、治療でめざせる到達点が高くなります。現状では公費で受けられる検診が用意されていない鎌倉市だからこそ、ご自身やご家族の意識で早期発見・治療につなげることが大切なのです」と、根本哲宏(ねもと・あきひろ)院長は話す。MRIを導入しているほか、認知症の専門知識を持つ言語聴覚士が常勤し、より専門的な検査とフォローが可能な体制が整っている同院の認知症検査の流れをレポートしてみた。
(取材日2024年11月21日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qどのような人が、認知症検査を受けるべきですか?
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A
「人の名前が出てこない」「探し物が増えた」などを気にしてご自身で来院される場合もあれば、ご家族が「ちょっと様子がおかしい」とお連れになる場合もあります。ご本人の意思で来院される方は問題がない場合が多い傾向ですが、ご家族に促されての受診では、加齢による認知機能低下のレベルを超えた症状が見られることも。認知症の前段階であれば定期的な経過観察も可能ですから、気がかりがあれば早めのご来院を勧めます。ご家族から「本人が認知機能低下を認めず、受診を拒否する」という話を聞くこともよくありますが、ご家族相談の機会を設けて「受診すべきか?」「どう誘えば良いか?」といったこともアドバイスしています。
- Q認知症の診断方法について教えてください。
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A
まずは、気になる症状やいつ頃から自覚があるか、幻覚・幻聴はないか、生活上困っていることは何かなどを伺い、長谷川式スケールでの簡易検査を行います。症状の頻度や、進行している様子があるかどうかも重要です。甲状腺機能低下や鉄・ビタミン欠乏、糖尿病などの生活習慣病が認知機能低下に関わるケースも多いので、血液検査も欠かせません。MRI検査では、脳萎縮の程度や、脳梗塞、脳出血、水頭症や慢性硬膜下血腫といった脳疾患がないかどうかを確認します。その後、認知症の専門知識を持つ言語聴覚士が認知機能検査を行い、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症と複数あるタイプのどれにあたるかを調べます。
- Q治療はどのように進んでいきますか?
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A
薬物療法で進行を遅らせることが期待できる認知症であれば、内服治療を開始します。現在投与を認められている薬剤は、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症へのコリンエステラーゼ阻害薬などです。甲状腺機能低下症や鉄・ビタミン欠乏、糖尿病など別の疾患が背景にある場合は、もちろんそれらの改善をめざす薬の処方や食生活の指導なども行います。社会的孤立と運動不足が認知症を悪化させることはたびたび指摘されているため、デイサービスの利用などによりコミュニケーションと適度な運動の機会を持つアドバイスも同時に進めます。症状の背景を探り、個々に合わせて適切に対応することが大切です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1予約・問診票の記入
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電話やインターネットから受診日と時間を予約する。問診票は来院時に記入するが、予約時にダウンロードして自宅でゆっくりと記入し、来院の際に持参することも可能だ。できれば家族の付き添いがあるほうが望ましい。本人が認知機能低下を認めたがらず、受診を渋るようなケースでは、家族からの事前相談もできるため、受診の必要性や来院の促し方などを相談できる。
- 2医師の診療
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問診では、どのような症状がいつ頃から、どんな頻度で出ているかに加え、症状に進行が見られるか、日常生活で困ることは何かなどの質問に回答する。治療中の病気や、飲んでいる薬についても答えられるよう準備しておこう。同時に、9つの簡単な質問に受け答えすることで、現状の認知機能を測るための長谷川式スケールを用いた簡易検査を行う。あくまで参考だが、30点満点中20点以下の場合は認知症の疑いがあるとされる。
- 3MRIなどの検査
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脳梗塞や脳出血、水頭症、慢性硬膜下血腫など脳の異常がないかどうかを確認するために、MRI検査を行う。かかる時間は20分前後で、痛みや被ばくといった負担はない。MRI検査は脳の断面画像を得られるが、それに加えて行うMRA検査では脳の血管の様子がわかる。甲状腺疾患や貧血、糖尿病など認知機能の低下を引き起こす内科疾患の有無を調べるための血液検査、めまいやふらつきがあれば重心動揺検査も行う。
- 4言語聴覚士による検査と問診
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別日に予約を取り、認知症の専門知識を持つ言語聴覚士による認知機能検査を受ける。MMSEと呼ばれる神経心理テストをはじめ識別のための検査を行うことで、アルツハイマー型、レビー小体型など、認知症の原因疾患を探りながら、見当識や記憶力のみならず、注意機能、言語機能、視空間認知などを幅広く評価。また、本人の検査だけでなく家族にも生活全般の話を聞き、医師と情報共有しながら認知症ケアの視点で必要な助言を行う。
- 5医師の診断
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問診と各種検査の結果を踏まえ、医師による診断が下される。現状を維持し、少しでも進行させないためにできることとして、薬物療法や生活の改善が提案される。「認知症」というワードに抵抗感を持つ人も多いため、説明時にはできるだけダイレクトで悲観的な表現は避け、前向きな言葉を選ぶように配慮しているそうだ。本人がスムーズに治療を受け入れられるよう、「あくまで予防的に」と提案するケースもあるそうだ。
自由診療費用の目安
自由診療とは家族相談40分3000円~