根本 哲宏 院長の独自取材記事
鎌倉脳神経MRIクリニック
(鎌倉市/鎌倉駅)
最終更新日:2025/02/26

JR横須賀線・鎌倉駅西口、江ノ島電鉄線・鎌倉駅改札口からすぐのビル3階に位置する「鎌倉脳神経MRIクリニック」。数多くの症例に携わってきた日本脳神経外科学会脳神経外科専門医である根本哲宏(ねもと・あきひろ)院長を中心に専門の医師、スタッフが集い、クリニックでありながらMRI、CTの両方を備え、大規模病院と同レベルの診療の提供に努めている。「物忘れなどが気になる方の認知症検査から働き盛り世代の脳ドック、頭痛治療まで、頭に関する気がかりは気軽にご相談ください」と話す根本院長に、医院の特徴と診療への思いなどを聞いた。
(取材日2024年11月21日)
MRIとCTを備え、脳神経外科専門医が診療
クリニックの特徴を教えてください。

鎌倉市でMRIとCTを両方とも備えているクリニックは数少ないと思います。加えて、超音波検査装置、エックス線検査装置も導入し、大きな病院と比べても遜色ないレベルの検査ができる体制です。当日に検査結果を出しての説明も行えます。患者さんの時間的な負担が少なく、小回りが利くというクリニックのメリットを感じていただけるのではないでしょうか。現在は、頭痛や認知症の症状でお悩みの患者さんが多いですね。まずは患者さんのお話を聞き、採血やMRIなど適切な検査を提案します。認知症ケアの専門知識を持つ言語聴覚士が2人在籍し、専門的な認知症の検査が可能です。多角的な視点からどういった種類の認知症かを見極め、その上で治療提案を行っています。ご家族を含めてのケアや継続的なフォローなど、半年ごとに定期検査を行い病状の進行を管理しているので、薬物療法だけを行っているのではないことが当院の強みだと考えます。
脳神経クリニックは、どういった場合に受診すれば良いのでしょうか。
例えば、芸能人の名前が思い出せない、同じことを何度も聞く、探し物が頻繁など、物忘れの症状が気になるようなら一度認知症検査を受けることを勧めます。ご家族の勧めで「ちょっと検査を」と一緒に来院されるケースも多いです。他にも頭痛やめまい、しびれや視覚の異常など、脳疾患が疑われるような症状があれば、気軽にご相談いただきたいと思います。身近な症状である頭痛も専門的に診療し、MRIも活用しながら原因に迫る治療の提案をめざしています。重度の片頭痛では抗CGRP製剤による予防注射治療も可能です。脳神経クリニックはハードルが高いと感じられる方も多いようですが、きっかけは何でも構いません。頭に関することだけでなく「気になることがあるけど脳なのかな」といった疑問を持って来てくださっても良いのです。脳に関することなら当院や連携病院で対応しますし、もし脳の問題でなければ信頼できる専門の先生をご紹介します。
専門医に相談するメリットは何だと思われますか?

過去の臨床経験から本当に怖い病状を多く見てきています。脳卒中や脳梗塞に一度なってしまうと、後遺症が残りますし、勤務医時代に30代でも脳出血で命を落とされた方も担当しました。ですから、そうならないようにしてあげたいという強い思いがあります。そのため、患者さんにとって何が一番良いのかをしっかりと考慮して、多様な経験を生かして治療を提案できることが、脳神経外科専門医が診るメリットだと思います。例えば検査一つとっても、やみくもに多くを行うのが良いわけではありません。必要な検査を必要なだけ。治療についても多くの選択肢の中から提案していきます。とはいえ、やはり病気にならないよう予防の大切さをとことんお伝えしていくことも大切だと思っています。
頭痛から認知症まで、脳に関わる疾患を幅広く診療
認知症の診療について教えてください。

認知症にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症などの種類があり、脳梗塞や脳出血、水頭症や慢性硬膜下血腫といった脳疾患や、甲状腺機能低下症、うつ病など、多様な原因疾患が考えられます。当院では、MRI検査や血液検査と、専門の言語聴覚士による認知機能検査で原因鑑別に努め、ケースによって投薬しながら、非薬物療法も並行して行います。新型コロナウイルス感染症の流行で認知症を悪化させた患者さんが増えたように、社会的孤立と運動不足も症状悪化の要因とされています。運動の重要性はたびたび指摘され、介護施設の利用などでコミュニケーションの機会と適度な運動時間の確保が重要です。また、認知症は早期から介入したほうが、治療でめざせる到達点が高まります。鎌倉市には現時点で認知症検診の取り組みがありませんが、当院は市の認知症初期集中支援チームに属する包括支援クリニックとして取り組んでいます。
認知症カフェなど地域活動にも力を入れていると伺いました。
「ウェルビーイング☆カフェ 鎌倉」という認知症に関して当事者やそのご家族が意見を交わすことのできる交流の場を主催しています。当院の言語聴覚士や認知症治療の専門スタッフが参加する他、当院以外の医療専門職の方や、地域包括支援センターの職員が参加して医療や介護に関するご相談を気軽にお話しできる場を作っています。
若い世代でも気をつけるべきことはありますか。

脳血管の狭窄や動脈瘤があっても、自覚症状がなく「自分は大丈夫」と思っている方は多いですが、脳疾患は若い世代でも突然発症し、命を落としたり、深刻な後遺症が残ったりしてしまう恐ろしいものです。くも膜下出血や動脈瘤の家族歴がある方はもちろん、ない方でも40代を超えたら一度検査を受けていただきたいですね。当院の脳ドックではMRIとMRAを用いますが、MRIはCTよりも細部まで観察でき、細かな脳梗塞を検出するために有用です。またMRAは、脳の詰まりかけの血管、脳動脈瘤を検出するために有用で、将来的に脳梗塞やくも膜下出血になるリスクの有無を確認して、発症する前の予防目的の手術や内服治療、定期検査の促進につながります。
頭痛の診療についても教えてください。
片頭痛の予防注射治療は、有用性をかなり感じています。長年頭痛を抱えながら、市販薬でごまかし続けているといった話をよく聞きますが、2〜3日に1回と頻繁に薬を飲んでしまうようなら乱用にあたります。薬を多用すると薬剤の使用過多による頭痛として状態を悪化させてしまうのです。薬はなるべく少ないほうがいいですから、食事指導や運動指導を取り入れながら、適切な量の薬のアドバイスしています。また、姿勢の乱れによる首や肩の凝り、ストレスや疲れからくる自律神経の乱れと関連する頭痛も多く見られるので、必要に応じて整体院の利用を勧めることもありますね。
なってからでは遅い脳疾患は、気がかりレベルで相談を
どのようなスタッフさんが活躍されていますか。

看護師、臨床検査技師、診療放射線技師といった専門のスタッフが常駐しているため、脳に関する検査は一通りできます。大きな病院に行かなくても当院で検査を行い、重症な病気が見つかったら紹介するといった流れです。当院が大切にしていることは「患者さんを第一に考える」ことと「笑顔とあいさつ」。特に受付スタッフは、患者さんへの対応については特に気を配ってもらっていますね。スタッフ全員が心がけ、一丸となって患者さんをサポートしています。
患者さんとの関わりで大切にされていることは?
患者さんと話をする際には、言葉遣いや間などに気を配り、堅苦しくしたくないと思っています。「お医者さま」というのは嫌ですから、何でも相談しやすい雰囲気がいいですね。医師がぶすっとした表情だったり、偉そうにしていたりしたら患者さんは話しづらいでしょう。医師になりたての時に、先輩から「医師だからって偉いと思っているんじゃない」と教育を受けました。患者さんが構えてしまうと、良く見せようとされたり、言いたいことがうまく伝えられなくなったりと、まったく違う問診になってしまいます。医師と患者さんが近い距離で話せる関係性を築いていけるよう心がけ、自由に話せる雰囲気をつくりたいですね。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

脳に関わる病気は、なってしまってからでは遅く、なってからでは完治は見込めません。当院は病気にならないよう未然に防ぐための医療機関と捉えていただければ良いと思います。幅広い治療の選択肢をご用意するとともに、薬に頼りすぎない方針を大切に、認知症では、認知症ケアの視点も含めたフォローを行っています。また、予防的アプローチも重要と考えています。病気の前段階、些細な気がかりレベルでも大歓迎です。ご家族相談にも対応していますので、気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック/1万7000円~