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妊娠や出産に影響する甲状腺疾患
早期発見で適切に対処を図ろう

たわ内科・内視鏡クリニック

(豊中市/少路駅)

最終更新日:2023/09/14

たわ内科・内視鏡クリニック 妊娠や出産に影響する甲状腺疾患 早期発見で適切に対処を図ろう たわ内科・内視鏡クリニック 妊娠や出産に影響する甲状腺疾患 早期発見で適切に対処を図ろう
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体がだるい、動悸がするなど、原因不明の不調を感じている人はいないだろうか。クリニックで検査を受けても原因がわからない、そうしたケースで疑われるのが甲状腺疾患だ。バセドウ病や橋本病、甲状腺ホルモンの増加や低下により、不定愁訴のような症状を引き起こすことがあるのだという。放置していると最悪の場合、心不全や不整脈、意識の低下を招くため、適切に治療を行う必要がある。また女性だと不妊や早産、流産のリスクも高まるなど、早めの対処が求められる。そこで甲状腺疾患の検査、治療に注力しているのが「たわ内科・内視鏡クリニック」だ。「検診などで甲状腺異常を指摘されたら放置せずに検査を」と呼びかける峠かきの副院長に、甲状腺疾患について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年9月1日)

原因不明の体調不良は甲状腺疾患の兆しかも。健診異常があれば放置せずに検査を

Q甲状腺の病気は女性に多いと聞きました。
A
たわ内科・内視鏡クリニック 気になる症状があれば、早めの受診を

▲気になる症状があれば、早めの受診を

甲状腺疾患の病気は大きく2つに分けられるのですが、一つが腫瘍で、もう一つが甲状腺ホルモンの異常を引き起こす病気です。ホルモンが増えてくる病気だとバセドウ病などが挙げられ、逆にホルモンが低下してしまう原因として多いのが慢性甲状腺炎、いわゆる橋本病と呼ばれるものです。これらが代表的な病気ですが、疲れやすい、動悸がする、体重が減る、脈が遅くなる、むくみやすいといった全身症状が見られます。中でもバセドウ病のような自己免疫疾患と呼ばれるものに関しては女性の罹患率が高いのですが、原因は明らかになっていません。いずれにせよ症状からは自分が甲状腺疾患だと判断しづらいので、早めの検査が重要です。

Q甲状腺疾患の検査・診断について教えてください。
A
たわ内科・内視鏡クリニック 採血やエックス線、エコーなどさまざまな検査が可能

▲採血やエックス線、エコーなどさまざまな検査が可能

甲状腺は首の骨の付け根辺りに位置する臓器で、採血で甲状腺ホルモンの値をチェックする検査と、主にエコーによる画像検査を行います。エコー検査に関しては腫瘍の有無に加え、甲状腺の大きさや質感なども見る必要があるため、甲状腺疾患の治療に携わった医師でないと診断が難しい面もあります。がんの可能性がある場合には専門機関に紹介するのですが、今後は当クリニックでも病理検査が行えるよう準備を進めているところです。検査自体は15分ほどで終わり、甲状腺ホルモンの値やエコーの検査結果に関しては当日お伝えすることができますが、さらに詳しい自己抗体などの検査に関しては結果が出るまで2〜3日お時間をいただくことになります。

Q甲状腺機能に異常があると、妊娠や出産に影響するのでしょうか?
A
たわ内科・内視鏡クリニック 妊活を始める前に甲状腺の検査を行う

▲妊活を始める前に甲状腺の検査を行う

甲状腺ホルモンの異常で卵巣の機能に異常が起こり、排卵障害が起こると言われています。そのため不妊のリスクが高まるほか、流産や早産のリスクが高まるという報告もあるため、妊娠を希望される女性は妊活を始める前に甲状腺の検査をしておいたほうが良いかもしれません。特にバセドウ病については20代、30代の女性に多く見られますし、胎盤を通って胎児にも影響を及ぼすことがあるため、甲状腺疾患の状態や治療の状況によっては妊娠を許容できないケースもあります。妊娠中には病気の管理目標も厳しくなりますから、たとえ通常時の甲状腺ホルモンが基準値内であったとしても、妊娠前には検査を受けることをお勧めします。

Q甲状腺に問題がある場合、妊娠中の注意点を教えてください。
A
たわ内科・内視鏡クリニック 妊娠中の治療などや女性ならではの不安も丁寧に対応

▲妊娠中の治療などや女性ならではの不安も丁寧に対応

甲状腺疾患は基本的に薬物療法になるのですが、甲状腺ホルモンのコントロールを図るための薬の中には妊娠初期に服用すると悪影響を及ぼすものがあったり、逆に胎児に影響が少ない薬もあったりするので、妊娠を検討している段階で主治医の先生に相談することが重要です。甲状腺ホルモンは増えていても減っていても体に負担を強いるため、常に正常値になるようコントロールしなければならないのですが、特に妊娠中は早産や流産のリスクが高まりますし、胎児への影響も考えられますから、普段よりも厳しく管理していくことになります。妊娠中はほかの治療法を選択することも難しいので、状況に応じて適切に薬物療法を続けていく必要があります。

Q薬物療法以外にも治療法はあるのでしょうか?
A
たわ内科・内視鏡クリニック 一人ひとりの患者に寄り添った治療方法を提案

▲一人ひとりの患者に寄り添った治療方法を提案

橋本病は基本的に薬物療法ですが、バセドウ病は手術や放射線治療が可能です。手術に関しては切開による侵襲がありますし、首の部分なので傷が気になるという方も少なくないです。しかしホルモンをコントロールするための薬の副作用がきつい方などにはメリットのある治療です。放射線治療は放射線のカプセルを飲み、内側から甲状腺を小さくすることを図ることでホルモンの分泌抑制をめざします。手術に比べて侵襲は少ないものの、特殊な検査や治療が必要になるので専門機関の受診に加え、1年ほどは妊娠を避ける必要があります。手術、放射線治療ともに、治療後ホルモン剤が必要となる可能性はありますが、受診回数や負担の軽減が期待できます。

ドクターからのメッセージ

峠 かきの副院長

甲状腺疾患かもしれないと検査を受けにいらっしゃる方の多くは健康診断時の異常による精密検査です。健康診断の内科検診で、触診により甲状腺が大きいなど疾患が疑われるケースでしょう。しかし健診異常の結果が出たとしても、はっきりとした症状がないからと放置してしまう方も少なくありません。ですから健診で指摘された方はもちろん、遺伝的な要因もあるので、ご家族に甲状腺疾患の方がいらっしゃる、妊娠を検討しているという方は一度は精密検査を受けるようにしましょう。またバセドウ病や橋本病は放置してしまうと、最悪の場合、心不全や不整脈、意識低下などのリスクも出てくるので、早期発見、早期治療を心がけてください。

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