大腸がんリスクの早期発見を
患者の負担軽減を重視した内視鏡検査
たわ内科・内視鏡クリニック
(豊中市/少路駅)
最終更新日:2023/09/08
- 保険診療
大腸がんの検査として知られる大腸内視鏡検査。「痛いのではないか」などネガティブなイメージが先行してしまい、便潜血といった健診異常や慢性的な下痢などの症状があっても検査を受けずに放置しているケースもあるだろう。けれど食事の欧米化などによって日本人の大腸がん罹患率は増加傾向にあり、早期発見・早期治療が求められている。そこで受診のハードルを下げようと、鎮静下での対応や個室の前処置室の設置などで患者負担を軽減した検査をめざしているのが「たわ内科・内視鏡クリニック」だ。「一度も検査を受けたことがない人は、検査に怖いイメージを持っているもの。だからこそ可能な限り楽に受けられることを目標にしたい」と話す峠英樹院長に、大腸内視鏡検査の重要性を含め、検査の手順について詳しく聞いた。
(取材日2023年9月1日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査の重要性について教えてください。
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A
大腸内視鏡検査は大腸がんやその原因となる大腸ポリープを見つけるために有用な検査です。胃がんについては原因のピロリ菌の除菌が普及したことによって減少傾向にある一方、大腸がんに関しては男女問わず罹患率が高く、増え続けている現状にあります。アメリカと比べて死亡率は2倍ほどになっているという報告もあるのですが、食生活の欧米化といった生活習慣の変化以外に検査自体の受診率の低さが原因に挙げられます。加齢も大きなリスクファクターなので、他人事と思わず検査を受けることが重要です。また大腸がんだけではなく、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、大腸憩室炎などの病気が見つかるケースもあります。
- Qどのような人に検査を受けてほしいですか?
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A
健康診断で便潜血陽性だった人はもちろんなのですが、慢性的な下痢や便秘などの症状がある場合には、何らかの異常や病気が隠れていることがあるので検査を受けたほうが良いでしょう。そのほかには家族歴がある人。家族に大腸がんの人がいるという方に関しては自発的に検査を受けられるケースが多いのですが、遺伝的要素があるので注意が必要です。加えて肥満の方や偏った生活習慣の方にも検査を受けていただきたいですね。お肉の赤身や加工肉を良く食べる、食物繊維の少ない食事などはリスクファクターになるので、そういった食生活を続けてきた方は大腸がんの罹患率が急増する50歳よりも前に検査を受けておくことをお勧めします。
- Qこちらで受けられる検査の特徴を教えてください。
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A
患者さんの痛みなど負担を最小限に抑えるため、希望に応じて鎮静下での検査を行っているほか、使用するカメラも細いものにしています。鎮静下で検査をした際にはふらつきながら歩くことがないよう、検査室からそのまま電動リクライニングベッドでリカバリーエリアに移動できるように配慮。検査でポリープが見つかった場合は即日での切除にも対応しています。トイレ完備の専用個室もありますので、ご自宅で下剤を飲むのが不安な方はクリニック内で前処置を行うことが可能です。中には鎮静剤や鎮痛剤が使えない方もいらっしゃいますので、可能な限り痛みの少ない手技を行うよう常に配慮しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1クリニックを受診し検査前の診察を受ける
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まずは内視鏡検査の前にクリニックを訪問し診察を受ける。体の状態や病歴などについて確認してもらい、検査の方法などの説明を聞く。検査前日の夜は消化に時間がかかる繊維質の食べ物を避け、早めに食事を済ませる。
- 2腸内を洗浄するために下剤を服用
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検査当日の朝、腸内の洗浄を行うために自宅にて腸管洗浄液を服用。検査が初めてなど、不安な時はクリニックを受診後、トイレを完備した個室の前処置室にて腸管洗浄液を服用することも可能。便秘といった便通の症状があれば医師の指示に従い、数日前から下剤を飲んでおく。
- 3大腸内視鏡検査を受ける
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腸内洗浄後は検査着に着替えて検査室へと移動し、内視鏡検査を受ける。痛みや恐怖が強い場合などは、眠ったような状態で検査を受診することができるよう鎮静剤を投与してもらう。検査自体は10分から15分ほどで終了する。
- 4ポリープや初期の大腸がんが見つかればそのまま切除
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ポリープや初期の大腸がんが見つかった際には、事前の同意をもとに即日切除してもらえる。ポリープの数が多い、ポリープが大きい、外科手術が必要な大腸がんが見つかったなど、大腸からの出血や穿孔してしまうリスクがあれば切除せずに関連病院を紹介してもらうことになる。
- 5リカバリー室で休憩し検査結果の説明を受ける
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検査後は半個室のリカバリールームで30分から1時間ほど休み、簡単に検査結果の説明を受ける。車の運転は避け、公共交通機関などを利用して帰宅する。後日改めてクリニックを受診し、検査結果の詳細を確認する。検査結果に応じて、経過観察、通院での治療、関連病院の紹介などをしてもらう。