糖尿病は初期症状で治療できれば治る?
糖尿病の専門医師に相談を
豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック
(江東区/豊洲駅)
最終更新日:2023/10/16
- 保険診療
健康診断で血糖値の異常を指摘されながらも、特に自覚症状がないからと受診を後回しにしてしまっている人も多いのではないだろうか。食事や運動など生活習慣の乱れを自覚しながらも、なかなか改善に取り組めないという人もいるだろう。「精密検査を勧められた方はもちろん、経過観察を求められた方も、まずは現状を正確に把握するため、一度専門医師の受診をすることをお勧めします」と「豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック」の澤口達也院長は話す。糖尿病治療のゴールは数値の改善ではなくほかならぬ健康。充実した検査機器と豊富な経験に基づき、教科書どおりのやり方に限るのではなく一人ひとりに合わせた対応で、それぞれにとってより良い状態をめざす同院の糖尿病診療について、詳しく話を聞いた。
(取材日2023年10月6日)
目次
糖尿病治療のゴールは数値ではなく健康。個々に合わせた治療で改善をめざす
- Q糖尿病の初期症状ではどういったことがあるのでしょうか?
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A
高血糖が続く糖尿病で自覚できる症状としては、喉の渇きや頻尿、倦怠感、体重減少などがあります。しかし、こうした症状が初期の段階から出る人は限られており、多くの場合では自覚症状なく進行してしまいます。糖尿病の合併症による症状としては手足の痺れや尿の泡立ち、視力低下、勃起不全、自律神経失調症といった症状が起こりますが、やはりある程度進行した段階から自覚されるケースが多く見受けられます。糖尿病に限らず、高血圧症や、高脂血症などの脂質異常症、高尿酸血症や痛風といったいわゆる生活習慣病では、症状の有無に関わらず、健康診断などでリスクを指摘されたのであれば、まずは早めに受診して現状を把握することが大切です。
- Qどのタイミングでクリニックに相談するのが良いのでしょうか?
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A
無症状でも、数値に異常があれば早めに相談してください。健診の判断基準はクリニックや病院によって多少異なりますが、「要精密検査」の場合はすぐに糖尿病の専門医師への受診をお勧めします。また「要経過観察」の場合でも、病気のリスクがあります。糖尿病は血糖値とHbA1cという数値を用いて診断しますが、健診では空腹時血糖値のみの測定であるケースも多数あり、特に2型糖尿病では食後の高血糖から血糖値の異常が始まるケースも多いので、空腹時血糖値のみの検査では発見が遅れることもしばしばです。その場合、HbA1cを追加検査したり、ブドウ糖付加試験で血糖値の推移を見ることが重要なため、一度受診することをお勧めします。
- Q早めに気づければ治すことはできるのでしょうか?
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A
「治る」という表現の捉え方にもよりますが、境界型糖尿病など生活習慣の乱れで数値が上がっている場合、早めに改善に取り組むことで血糖値の正常化を図れます。ただ生活習慣を改善できたとしても若い頃と同様の体に戻すということは難しいもの。20代の頃は生活習慣に乱れがあっても血糖値に異常を来さなかったのが、年を取って糖尿病を発症すると、たとえ血糖値を正常化できたとしても、生活習慣が乱れると再び数値は上昇します。また、現代の医療では完治が難しく、インスリンを用いて生涯付き合っていく1型糖尿病もあります。2型糖尿病は食事と運動の指導で経過を見るのが基本ですが、一人ひとりの生活背景に合わせた治療が必要なのです。
- Q糖尿病の専門医師に診てもらうメリットは何でしょうか?
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A
糖尿病の合併症は3大合併症といわれる神経障害、網膜症、腎障害の他、大血管障害や骨粗しょう症、がん、認知症など多岐にわたりますが、多くの臨床経験から、これらの合併症の兆候を早期に捉えやすいことが強みです。いずれの合併症も早期介入により進行を遅らせることが重要です。また、糖尿病は治療薬も年々新しくなっており、発展著しい分野です。常に新しい情報を追うことが求められますが、専門の医師であることで多方面から情報収集しやすい側面もあります。糖尿病治療はすべての方に教科書どおりの対応をするだけでは不十分。患者一人ひとりに合わせて生活習慣の指導から、薬剤の選択や調整に至るまで提案ができるのもメリットです。
- Qこちらの糖尿病治療の特徴を教えてください。
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A
当院では、血糖値・HbA1c測定をはじめ、神経機能検査や超音波検査、血圧脈波検査や骨密度検査、12誘導心電図など検査が充実しており、合併症の早期発見にも有用です。また、私自身がこれまでさまざまな食事療法や運動に取り組んだ経験を生かし、それぞれに適した食事や運動の指導を行います。カロリーコントロールや糖質・脂質制限、タンパク質摂取の方法など、栄養指導も医師である私が直接担います。あえてポイントを絞った指導を行い、診療ごとに状況を確認しながら生活習慣を修正し、トライアンドエラーを繰り返すことにより、患者さん一人ひとりにカスタマイズされ生活にフィットした方法を見つけていく方針です。