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沈黙の臓器である肝臓の数値異常は
症状がなくても精密検査を

青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック

(横浜市青葉区/青葉台駅)

最終更新日:2023/05/15

青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック 沈黙の臓器である肝臓の数値異常は 症状がなくても精密検査を 青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック 沈黙の臓器である肝臓の数値異常は 症状がなくても精密検査を
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自覚症状がなく沈黙の臓器ともいわれる肝臓。アルコールによる脂肪肝に加え、近年においては生活習慣の乱れなどによる非アルコール性の脂肪肝の患者が増加しており、肝硬変や肝臓がんの原因になるとして早期発見、早期治療が求められている。また肝臓のチェック機能となる健康診断で異常が出たとしても、「何も症状がないから大丈夫」と放置している人は少なくない。そこで警鐘を鳴らしているのが「青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック」の金沢憲由院長だ。「症状がなくても数値に異常があれば定期的な検査を受けること。脂肪肝の予防・治療を進めれば、肝硬変、肝臓病など重大な病気のリスクを下げることが期待できる」という金沢院長に、肝臓の病気や症状、受診の目安などについて話を聞いた。

(取材日2023年4月24日)

肝臓疾患を見逃さないためにも定期的な健康診断を。数値異常があれば早めの受診で病気のリスク低減へ

Q肝臓の病気にはどのようなものがありますか?
A
青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック 肝臓の病気は初期症状がほとんどないものが多い

▲肝臓の病気は初期症状がほとんどないものが多い

最近増えているのが非アルコール性の脂肪肝。無症状のため潜伏しているケースが多く、そこから肝硬変や肝臓がんになってしまう割合が増えています。そのほかウイルス性の肝炎もありますが、薬の進歩によりC型肝炎を由来とする発がんは徐々に減ってきている状態です。自己免疫性肝炎という、いわゆるリウマチ性の疾患や、原発性胆汁性胆管炎という珍しい病気もあります。いずれも初期段階ではほとんど症状がなく、知らず知らずのうちに進行したり、がんを引き起こしてしまったりする可能性があります。早期に発見し早期に治療することができれば大事に至らないことが多いので、しっかりとクリニックで拾い上げていきたいと思っています。

Qどのような症状があれば受診すべきでしょうか?
A
青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック 自覚症状がなくとも健康診断の結果で何かしらサインが出るはず

▲自覚症状がなくとも健康診断の結果で何かしらサインが出るはず

わかりやすいところでは目や皮膚が黄色くなるという黄疸。あるいは腹水がたまっておなかが出てきたり、全身のむくみ、食道や胃に静脈瘤ができ吐血するという合併症もあります。これらは肝硬変の状態にあるなど、かなり病気が進行したことを意味しますが、本来的にはそういった症状が出る前に検査を行い治療へと進むべきです。そこまで進行するには通常10年以上かかるため、健康診断などを受けていれば何らかのサインは出ているはず。ですからまずは定期的に健康診断を受けながら、数値などに異常が見つかった段階で専門家を受診したほうが良いでしょう。自己判断は危険ですからね。

Q検査や治療の内容についても教えてください。
A
青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック 精密検査が必要な場合は基幹病院へ。脂肪肝は生活習慣の管理を

▲精密検査が必要な場合は基幹病院へ。脂肪肝は生活習慣の管理を

肝臓の検査の入り口は超音波検査と血液検査です。その段階で肝臓に異常がないか、ウイルスや特殊な肝炎の有無、脂肪肝の状態などを調べます。肝臓がんが疑われるなど詳しく調べる必要があれば、連携施設でCT検査やMRI検査を受けてもらいます。病気の種類によって治療法はさまざまなので、特にクリニックレベルで力を入れるべき脂肪肝についてお話しすると、ほかの生活習慣病と同じように食事・運動療法に取り組んでいただくことになります。脂肪肝については特効薬がありません。それに脂肪肝の方はコレステロール値が高かったり、血圧が高かったりとほかの生活習慣病を持っている割合が高い特徴があるので合わせて管理していきます。

Q肝臓疾患に対する先生の想いもお聞かせください。
A
青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック 健康診断結果の数値が気になれば気軽に受診を、と語る金沢院長

▲健康診断結果の数値が気になれば気軽に受診を、と語る金沢院長

肝臓は病気や異常を自覚しづらい臓器ですから、「特に不調はないからまだ大丈夫そう」などと自分で判断せず、しっかりと医療機関を受診していただきたいと思っています。肝臓のことでクリニックを受診される方の多くは、数年前からの異常を放置されております。病気の発見や進行を止めるためには、そういった方たちにどんな病気の可能性があるのかを早めに知っていただくことが重要です。その重要性を自覚してもらうためには地道な啓発が必要。私自身も消化器の専門家、肝臓の専門家として患者さんに伝えていかなければならないことだと思いますので、なるべく受診のハードルを下げ、気軽に相談できるクリニックにしていきたいですね。

ドクターからのメッセージ

金沢 憲由院長

まずは脂肪肝にならないことが重要なので、日頃から体重のコントロールには配慮してください。月並みですが食事と運動を中心とした生活習慣を整えることが重要です。言葉で言うのは簡単ですが、規則正しい生活習慣を身につけることは難しいもの。これまでの生活習慣を変えてでも予防したり、治療したりしなければならない病気なのだということを理解すれば、頑張って取り組むことも可能だと思います。現代は病気になる前に防ぐという予防医学の時代。皆さんの健康意識の高まりも感じますが、沈黙の臓器といわれる肝臓についても定期的な検査を受けることで、脂肪肝をはじめ、肝硬変、肝臓病などの兆しを見逃さずに予防していきましょう。

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