金沢 憲由 院長の独自取材記事
青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック
(横浜市青葉区/青葉台駅)
最終更新日:2024/07/19

青葉台駅から徒歩3分、複合商業ビルの3階にある「青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック」は、一般内科に加え、胃や大腸、肝臓など消化器専門の医師による検査や診療を受けられるクリニック。2023年4月に開業、翌2024年4月には拡張リニューアルを実施し、検査・診療体制の拡充を図った。「他臓器のがんと比べ、食道、胃、大腸といった消化器のがんは、検査さえ受ければ発見しやすいという特徴があります。内視鏡検査のハードルをできるだけ下げ、地域における消化器がんの死亡率を低下させることをめざしています」と金沢憲由(かなざわ・のりよし)院長。プライバシーを確保した完全個室のある検査エリア拡張と女性医師を含む医師の増員により、恥ずかしさや苦痛をできる限り排除した検査を行う同院の診療について、金沢院長に話を聞いた。
(取材日2023年4月24日/再取材日2024年5月24日)
拡張リニューアルで内視鏡検査のハードルをさらに低く
今春、拡張リニューアルを実施されたのですね。

昨春の開業当初から胃カメラ・大腸カメラによる消化器内視鏡検査に力を入れてきました。消化器がんは検査さえ受ければ発見がしやすいがんで、早期であれば寛解もめざせます。そのために、欠かせないのが病変を直接目視で確認できる内視鏡検査。とはいえ、内視鏡検査には痛い、苦しい、恥ずかしいといったネガティブな印象をお持ちの方も多いことは感じていました。そこで当院では、青葉台駅から徒歩3分という立地も生かし、これまで躊躇されていた方にも気軽に検査を受けていただけるよう、検査体制を刷新。医師の拡充により2列で検査を行えるよう整えるとともに、検査後にお過ごしいただくお部屋として8室のテレビのある完全個室を設け、うち3つはトイレつきとしました。女性医師も検査チームに加わったので、「女性の先生にお願いしたい」というご要望にもお応えできるようになりました。
どのような内視鏡検査が受けられるのでしょうか。
当院では胃カメラの上部内視鏡検査、大腸カメラの下部内視鏡検査ともに鎮静剤を使い眠っていただいている間に検査が終わるようにしています。検査は一度受ければ大丈夫というものではなく、定期的に繰り返し受けることが重要です。だからこそ、できるだけ苦痛や恥ずかしさを取り除き、2回目以降の検査のハードルも下げたいと思っています。それが実現できれば、胃がんや大腸がんのリスクを下げることにつながりますし、がんが見つかればその場で切除を図ることもできる。そうして地域における最初の検査機関のような役割を担っていきたいと考えています。大腸カメラでは、検査前に下剤を飲んで準備していただく必要がありますが、今回のリニューアルで院内での服用、待機も可能な体制に。下剤服用後の移動がご不安な方も安心です。また、胃と大腸の同日検査も可能で、食事の制限や来院の負担を一度で済ますことができます。
クリニックの特徴をあらためて教えてください。

消化器の病気や排便障害などの消化器内科を軸に、高血圧症や糖尿病といった生活習慣病や風邪などの感染症の諸症状を診る一般内科も扱っています。私自身、大学病院では消化管を中心とした早期がんの内視鏡治療や、炎症性腸疾患の診療などを経験し、日本消化器病学会消化器病専門医、日本肝臓学会肝臓専門医の資格を取得。先進の知見を取り入れながら、専門性の高い診療を提供しています。専門的に扱うクリニックの少ない肝臓疾患や潰瘍性大腸炎にも対応しているのが特徴です。さらに、幅広い医療を提供したいとの思いから日本内科学会総合内科専門医の資格も取得し、健康寿命の延伸に欠かせない生活習慣病の管理に力を入れているのも特徴です。
情報のキャッチボールを大切に、消化器専門診療を実践
どのような相談でいらっしゃる方が多いですか?

意外だったのが、みぞおちの痛みの相談の多さでした。胃炎や逆流性食道炎などが原因になっているケースが多いものの、こんなに悩んでいる方がいるんだと感じています。もちろん、風邪など消化器以外の症状でも来られる方はいらっしゃいますが、血便が出たといった相談は消化器内科ならではかもしれませんね。今後は内視鏡検査をはじめ、さまざまな検診にも来ていただきたいと思っています。特に40代以降の女性は注意が必要です。現在、女性のがんの中では大腸がんによる死者が多い一方、下部内視鏡検査を受けていない方も多いようです。まずは罹患率が高まる40歳を超えたら、一度検査したほうが良いでしょう。
潰瘍性大腸炎の治療に関しても積極的に取り組んでいらっしゃるそうですね。
潰瘍性大腸炎は原因不明の炎症性疾患で、典型的な症状は慢性的な下痢と血便です。症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返し、ひどい時には日常生活に大きな支障を来してしまいます。また大腸がんの発生率が高まる危険性もあるため、10代で元気という方でも慢性的な下痢がある場合は検査を受けたほうが良いでしょう。潰瘍性大腸炎は根本的な治療が難しく、基本的には一生付き合っていかなければならない病気です。しかし、現在では薬も進歩し寛解をめざせるようになりました。重症の際には緊急手術が必要になるケースもありますが、内科的にいかにコントロールを図るかが重要。症状が治まったから問題ないということではなく、定期的な内視鏡検査で炎症が消えているかどうか、状態を評価していかなければなりません。
患者さんと向き合う際に大切にしていることはありますか?

心がけていることは、説明を一方通行にしないことです。私がめざすのは、患者さんに病気のことをきちんと理解いただいた上で一緒に治療に向かっていく医療。そのためには情報のキャッチボールが欠かせません。口頭で伝えるだけではなく、病気ごとに準備した資料を活用して説明を行います。例えば、前の病院でどういうふうに言われたかと質問しても、多くの人は覚えていませんよね。当院では患者さん自身に、何の病気でどういう治療をしているかを理解してもらい、その上で治療を受けていただくことが重要だと考えています。その他、患者さんを待たせないというのも一つのこだわりかもしれません。ウェブでの問診や電子カルテの採用などクリニック内での待ち時間のストレスを極力減らした診療をめざしています。
青葉台エリアでの消化器がん死亡率低下をめざして
クリニックづくりでこだわったところや今後の展望はありますか?

クリニック内のICTに取り組み、カルテなどをデジタル化するように努めました。デジタル化によって業務の効率化が図れれば、結果として患者さんの待ち時間を減らすことにつながりますからね。そして内部のスタッフから信頼されるクリニックづくりも大切にしたいところ。患者さんはもちろん、スタッフ、当院を支えてくださる業者の方など、皆さんに「あのクリニックは良いよね」と言ってもらえるクリニックづくりに向けて取り組んでいきたいと思います。将来的には地域の活動にも積極的に参加して、定期的な検査の重要性を啓発していきたいですね。
医師をめざしたきっかけや消化器内科をご専門に選ばれた理由をお聞かせください。
ありきたりな表現になるかもしれませんが、人の役に立ちたい、困っている人を助けたいという想いで自然と医師の道をめざしました。学生時代にさまざまな領域を学ぶ中で、消化器内科が自分に一番しっくりきたんです。内視鏡を使って実際に胃や大腸を見て診断し、治療していくという部分にある種のわかりやすさみたいなものを感じたのだと思います。それは自分自身がわかりやすいだけでなく、患部がどのような状態になっているのか、どんな病気になっているのかを見せることができるので、患者さんに対してもわかりやすい説明ができるという点も影響したのだと思います。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

青葉台エリアで消化器がんにより命を落とす方を一人でも減らせるよう、専門である内視鏡検査のハードルを下げる取り組みを続けていきたいと考えています。「病院に行くと怒られるから」と受診から遠ざかる方がいらっしゃるそうですが、当院ではそのようなことは一切ありません。皆さんの健康寿命を延ばすためにできることを一緒に考え、その実践をサポートし、皆さんがご自身の健康と向き合える環境づくりに寄与していきたいのです。健康診断で異常を指摘されたものの放置している方や、気になる症状がある方は、まずはお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは健康診断のオプションとして追加できる胃カメラ検査/1万8000円
健康診断のオプションとして追加できる大腸カメラ検査/2万4800円