鎮静剤によって苦痛の軽減を図る
胃・大腸内視鏡検査の時間と流れ
池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院
(豊島区/池袋駅)
最終更新日:2024/04/03
- 保険診療
胃や大腸の内視鏡検査は胃がんや大腸がんの早期発見・早期治療に重要な役割を果たす検査であることはよく知られている。しかし実際に自分が受けるとなると不安が多く、なかなか受診しにくいのも事実だ。内視鏡検査の普及に力を入れている「池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院」の柏木宏幸院長は「内視鏡検査はひと昔前と比べると、内視鏡機器の精度や医師の検査技術が大きく向上しています。鎮静剤を使用することも一般的となり、今までよりも苦痛をほとんど感じることなく検査を受けられるようになりました」と話す。内視鏡検査を行う目的や、実際にどのような流れで内視鏡検査が行われるのかを詳しく解説してもらった。
(取材日2024年3月5日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q胃と大腸の内視鏡検査はどのような検査なのでしょうか。
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A
胃の内視鏡検査は口もしくは鼻からスコープ(内視鏡)を挿入して、食道、胃、十二指腸の粘膜の状態を観察します。胃がんの原因であるピロリ菌感染の有無も確認し、感染があれば除菌治療を行います。嘔吐反射など不快感を避けるため鎮静剤を使用することもできます。一方、大腸内視鏡検査は、肛門からスコープを挿入して、大腸内を観察し大腸ポリープが発見された場合、その場で切除できるものであれば切除します。大腸ポリープは大腸がんの前駆病変でもあるので、早い段階で発見して切除することが重要です。当院の大腸内視鏡検査では眠ったようなリラックスした状態で検査を受けられるように、鎮静剤を用いることがほとんどです。
- Q検査を受けるタイミングについて教えてください。
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A
健康診断で便潜血が陽性と診断された方や、血便のある方は必ず大腸内視鏡検査を受けてください。便秘や下痢を繰り返す方や下痢ばかりが続く方も検査を受けたほうが良いですね。下痢が続く場合は潰瘍性大腸炎の可能性も考えられます。胃の調子が悪い、胃が痛い、胸焼けなどの症状のある方は胃の内視鏡検査を受けてください。また、特にこれらの症状がない場合でも40歳を目安に一度受けるようにしましょう。ご家族に大腸がん、大腸ポリープ、胃がんなどの既往歴がある場合は20代、30代でも受けてほしいですね。若い世代でも胃がんの原因であるピロリ菌感染のある人も多いので、ピロリ菌検査のためにも受けると良いでしょう。
- Q検査は定期的に受けるべきでしょうか。
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A
内視鏡検査は一度受けたから良いというものではありません。大腸ポリープを切除した方は1~2年後に再検査を受けたほうが安心です。というのも、ひだの裏に小さなポリープが隠れていることもあります。定期的に検査することでがん化する前に大腸ポリープの発見につながるため、がんに進行するリスクを抑えられます。また、ポリープのタイプによって、1年後がいいのか、2~3年後でいいのかなど適切な時期をお伝えしますので、その時期が来たら検査を受けてください。胃にピロリ菌感染があった方も毎年受けることをお勧めします。ピロリ菌を除菌しても、その時には進行していなかった病変が1年後に進行していることも考えられるからです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と検査についての事前説明
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問診では患者が不安に思っていること、心配な症状について丁寧なヒアリングが行われる。また、直近の健康診断の結果や既往歴、家族の既往歴なども確認し、総合的に内視鏡検査が必要かどうかを判断。同院では、下剤の服用法や鎮静剤の有無、使用する内視鏡の種類など、胃と大腸の検査それぞれに希望の検査方法を選択できる。また、胃と大腸、両方の検査が必要となる場合は、同日に検査するかどうかを患者と相談しながら決定する。
- 2検査前日から検査当日の準備
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胃内視鏡検査を午前中に行う場合は前日の夕食は21時までに済ませる。午後に検査する場合は検査前の8時間は食事を控える。検査15~40分前に胃の中の泡を消すための薬を服用。スコープが挿入しやすいよう口もしくは鼻に局部麻酔を行う。大腸内視鏡検査では前日21時までに食事を済ませ、当日は自宅もしくは院内で下剤を服用し約3時間かけて大腸内をきれいにする。いずれかの検査で鎮静剤を使用する場合は静脈麻酔を行う。
- 3内視鏡検査を実施
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ストレッチャーに左側を下にした体勢で寝て検査を受ける。内視鏡検査にかかる時間は胃の内視鏡検査で10~15分程度、大腸内視鏡検査は15~20分程度。鎮静剤を使わない場合は、モニターで胃の内部を見ることも可能だ。同院では、内視鏡検査の際には必ず看護師がそばに付き添うようにしている。また、胃と大腸の両方の検査を同時に受けることも可能。その場合にかかる時間は合計で30分程度だという。
- 4リカバリールームで休憩
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鎮静剤を使用した場合は、検査室からストレッチャーに寝たままでリカバリールームに移動し、麻酔が覚めるまで15~30分程度休憩する。休憩中は看護師が患者の様子に目を配り、麻酔が切れた後もしっかり立てるかどうかを確認、転倒防止に努めている。帰りの受付でふらつきが心配な場合は再度休憩するなど安全面に配慮。なお、鎮静剤使用後は、車の運転が不可となるため、来院は付き添いを同伴するか公共の交通機関を利用しよう。
- 5検査結果の説明
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検査終了後、結果について検査画像を見ながら説明を受ける。検査画像は家に持ち帰ることも可能。疑わしい組織の採取やポリープの切除をした場合は2週間後に病理検査の結果説明を受ける。その結果によってさらなる治療の必要があれば治療を行う。重篤な症状の場合は連携している病院が紹介され、良性で問題がなければ次回の内視鏡検査の時期や頻度についての説明がある。多くの連携病院があることもクリニックの特徴である。