柏木 宏幸 院長の独自取材記事
池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院
(豊島区/池袋駅)
最終更新日:2025/10/01

池袋駅東口から徒歩3分、にぎわうサンシャイン60通り沿いのビル6階に、2023年に開業した「池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院」。柏木宏幸院長は、内科診療に幅広く対応しながら、内視鏡検査の普及に尽力している。女性の意見を取り入れて、女性が安心して検査を受けられる環境を隅々まで整えたという。内視鏡をモチーフにした木に仲良く止まる2羽のふくろうのロゴマークも印象的だ。待合室には1人掛けソファーが並び、それぞれに電源を配置。壁紙や調度品をホテルのようにしたのは「クリニックらしさをなくすことで、気軽に来て検査を受けてほしいという思いから」と話す柏木院長に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2025年7月1日)
ホテルのような空間で気軽に胃と大腸の内視鏡検査を
ラグジュアリーホテルのようなホスピタリティーと、親しみやすさもあるクリニックですね。

働く世代、子育て世代の女性でもお子さんと気兼ねなく足を運んでいただけるようなクリニックをめざしています。実際に、一緒にお子さんも来院されていて、待合室の大きな黒板で自由にお絵かきしながら待っているお子さんもいます。そのほか、老若男女さまざまな患者さんがいらっしゃいますが、ターミナル駅至近のためか遠くからの方も多いですね。内科一般に対応しており、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病から花粉症、私が専門とする消化器の分野まで気軽に相談できるかかりつけ医としてお役に立てればと思っています。
胃と大腸の内視鏡検査に力を入れていると伺いました。
内視鏡検査室は2つあり、検査には大学病院と同じ先進機種を使用しています。胃と大腸の同日検査もできますし、大腸内視鏡検査では同時に大腸ポリープ切除も可能です。麻酔科を専門とする医師が監修した鎮痛剤・鎮静剤も使えますし、下剤を自宅か院内で服用できるほか、合計6種類の検査を選択できます。早朝や土日の検査にも対応しているのは、できるだけ多くの方に検査を受けてほしいという思いからです。女性医師の検査を希望される方のために、女性医師指定で予約できる日も十分に確保しております。基本的に完全予約制ですが、空きがあれば胃内視鏡検査は予約なしでもできます。大腸内視鏡検査は基礎疾患がなければ前日予約で対応できる場合もあるのでご相談ください。
内装や検査に関するこだわりについてお聞かせください。

長年にわたり、大腸がんは日本人女性のがんによる死亡原因の第1位というデータがありますが、それは内視鏡検査を受けにくいと感じている方が多いのも一因だと考えています。そこで当院では、皆さんが検査を受けやすい環境を整え、短時間で苦痛の少なく精度の高い検査を行えるよう努めております。1フロア100坪と広いスペースを生かし、男性と女性の検査が重なっても、顔を合わせずに済むよう動線に配慮しました。プライバシーを重視した7つの下剤室を用意し、4つのトイレはそれぞれ異なる壁紙にしたのもこだわりのポイントです。女性専用のパウダールームには、ホテルのような洗面台や鏡を設置し、女性スタッフが厳選した検査着・ガウンをご用意しました。検査後は、天井を星空で彩ったリカバリールームで休憩していただけます。
内視鏡検査による早期発見と治療の普及が目標
大学ご卒業後から開業までの経緯についてお聞かせください。

大学卒業後は沖縄の群星(むりぶし)沖縄臨床研修センターへ赴き、複数の市中病院を回りながら数多くの臨床にふれました。そんな日々の中で出会ったのが内視鏡です。特に大腸は個性豊かで、内視鏡を入れやすい角度も患者さんによって異なり、どのくらい痛みが軽減できるのかは医師の腕の見せどころです。経験を重ねるほど上達するので、どんどんのめり込んでいきました。沖縄から東京に戻った後は東京女子医科大学病院消化器病センターに勤務しましたが、そこでも消化器疾患で大変な思いをされる多くの患者さんと出会い、一人でも多くの人が日常生活に戻れるよう治療にあたりました。その後、訪問診療に2年ほど携わり、がん終末期の方の看取りも数多く経験しました。その中で「内視鏡を専門とするスキルを生かして、もっと役立てることがあるのではないか」と思い、開業することを決意しました。
訪れる患者さんの健康意識はいかがでしょう。
当院は都心の駅近くというエリア柄、若い方からお年寄りの方まで幅広くお越しいただいています。インターネットの情報などを通じて興味を持ち、何か不安なことがあれば自ら足を運ぶ方が多いので、若年層の方も健康意識は高いように見受けられます。一方で、胃がんや大腸がんのリスクがより高い40代以上の方のほうが、便潜血陽性でも精密検査を受けていないことや、初めての内視鏡検査でご利用いただく機会も多いです。そのため検査の必要性が見出せていない方や、単純に敷居が高いと感じている方にもご利用いただけるように、メディア記事やクリニックで開設したインターネットの動画共有サービスなどを利用して情報発信しております。特に胃がんや大腸がんは検査を受けることで早期発見や予防につながるので、予防に関する情報をしっかりお伝えするようにしています。
開業して約2年がたちましたが、診療や検査を通して感じる手応えについて教えてください。

他院を受診されたことのある方からは、「ほかの病院で検査したときはつらかった」「だいぶ先の日にちではないと予約を取れないことが多かった」といった声をいただくことが多々あります。その点当院は毎日診療を行っていて、検査枠も十分に設けているので、翌日以降予約を取ることができます。よって、ストレスの少ない診療体制を患者さんに喜んでいただけているのではないでしょうか。使用している薬剤のほか、院内の動線にもこだわっているため、そういったこだわりの一つ一つが良い方向に作用しているのだと思います。
「10年後の幸せ」を届けるために情報発信で啓発を
診療で大事にしていることをお聞かせください。

「寄り添いの医療」をスタッフ全員が共通認識として持っています。特に内視鏡検査は、不安感のほか、痛みやつらさを感じる患者さんもいるのですが、背中をさするなど、こまやかな心配りがリラックスにつながるようです。検査するにあたってのスキルやテクニックよりも、患者さん一人ひとりにどれだけ寄り添えるかどうかが、満足度向上のためには重要ではないかと感じています。また、患者さんの現在の状態だけを診るのではなく、ご家族や周囲のご友人も含めて、皆が5年後・10年後も幸せでいられるための医療を提供したいと考えています。そのために大事なのは、早期発見・早期治療です。気になることがあればすぐに医療機関を受診しようと思ってもらえるよう、インターネットの動画共有サービスでの情報発信にも力を入れています。
発信手段としてインターネットの動画共有サービスを選んだ理由は?
このドクターズ・ファイルも発信場所の一つではありますが、より多くの媒体を使ったほうが一人でも多くの人に目に留まるのではないかと考えました。また、東京から遠く離れた場所に住んでいる方にも、インターネットであれば距離の壁を超えて気軽に情報を届けることができます。文章よりも動画のほうが、実際に近い温度感で自分の考えを伝えられるのではないかと思い、動画共有サービスのアカウントを開設するに至りました。中でも大腸がんや内視鏡検査に関する動画の反応が良く、幅広い年代の方にご視聴いただいております。若い方も病気の早期発見・早期治療に関心を持つことで、受診のきっかけになっているのではないかと手応えを感じています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

内視鏡クリニックは昨今増加傾向にあります。ただ、競争意識を持つのではなく、むしろともに内視鏡診療の啓発に邁進していきたいと考えています。当院以外のクリニックもとても優れていますし、信頼している先生方もたくさんいます。どの医師も、患者さんを救うという信念を根本的に抱いているはずなので、一体となって内視鏡診療を社会に浸透させていくことができれば、救える患者さんも増やせるはず。そのためにも、日本でトップレベルの医療水準をキープし続けることを目標に、内視鏡診療の発展に貢献したいです。消化器という領域上、お尻・おなら・うんちなど、患者さんが恥ずかしさや抵抗感を覚える内容も多く含まれますが、そういった話は医師だからこそ耳を傾けることができます。引け目を感じず、気楽に相談に来ていただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック胃がん・大腸がん発見コース/2万7500円~