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上野 俊昭 院長の独自取材記事

うえのとしあき脳神経クリニック板橋

(板橋区/板橋区役所前駅)

最終更新日:2025/09/11

上野俊昭院長 うえのとしあき脳神経クリニック板橋 main

都営三田線「板橋区役所前」駅の出口を出てすぐ、複数のクリニックの入るビルの1階に「うえのとしあき脳神経クリニック板橋」は構えられている。白を基調とした受付と待合室には、柔らかな照明と観葉植物が配され、来院者の緊張をそっと和らげる。院長の上野俊昭先生は、脳神経外科のスペシャリストとして血管内カテーテル治療を得意とし、長年、大学病院・基幹病院で多くの患者の治療に関わってきた。その経験を地域医療へ還元すべく「脳神経のプライマリケア」を掲げて同院を開業したという。上野院長にこれまでの歩みや注力する疾患、クリニックづくりへの思いを聞いた。

(取材日2025年6月9日)

数々のフィールドで培った脳神経外科の知識と技術

数々の病院で、脳神経外科の医師として経験を積まれてきたそうですね。

上野俊昭院長 うえのとしあき脳神経クリニック板橋1

東京大学医学部を卒業後、東京警察病院、帝京大学医学部附属病院、国際医療福祉大学三田病院、東京都健康長寿医療センターなどで脳神経外科の診療に携わってきました。中でも東京警察病院では、当時まだ普及し始めたばかりだった脳卒中に対する血管内カテーテル治療を、パイオニアの先生のもとで数多く経験させていただき、私自身の専門として深めていくことができました。その後は自分が周囲を引っ張っていく立場になり、後輩とともに多くの治療に携わってきました。そうした急性期医療の現場での経験を、もっと地域に還元したいという思いが強くなり、2023年にこのクリニックを開業しました。

宇宙に関する研究を行う機関にも在籍されていたそうですね。

脳神経外科を専門とする医師になった後、「宇宙医学」という分野の存在を知り、アメリカ航空宇宙局(NASA)で、宇宙の無重力の状態で頭蓋内圧の変化などについて研究する機会を得ました。帰国後は日本の宇宙研究機関(NASDA:現在のJAXA)に移籍、国際宇宙ステーション関連プロジェクトに参加しました。宇宙関連の研究・仕事が一段落して、臨床の現場に戻り、脳神経外科医として血管内カテーテル治療の研鑽を積むことになりました。宇宙関連の仕事で得た多角的な視点や経験は、臨床医としての自分の思考を大きく広げてくれたと感じています。

いろいろある臨床の診療分野から、脳神経外科を専門とされたのはどうしてでしょうか?

上野俊昭院長 うえのとしあき脳神経クリニック板橋2

もともと手術を含めた介入的な医療に興味があり、外科系に進みたいと考えていました。その中でも脳神経外科を選んだのは、医学部の実習中に初めて顕微鏡を通して見た脳神経外科手術の風景に強く惹かれたことが大きなきっかけです。極めて繊細で緻密な操作の連続でありながら、どこか芸術的な美しさを感じたのを今でも覚えています。また、ちょうど同じ頃、家族が脳の疾患で倒れ、左半身に麻痺が残る後遺症とともに生活が一変しました。あとから聞くと、前兆となる症状もあったようですが、当時は家族として気づいてあげることができず、その経験が医師としての自分に強く刻まれました。そうしたきっかけが重なって、脳神経外科の道に進み、さらに脳卒中医療を自らの専門に選ぶことになったのだと思います。

頭痛の外来の必要性と脳卒中予防の重要性

来られる患者さんの主訴について教えてください。

上野俊昭院長 うえのとしあき脳神経クリニック板橋3

頭痛を訴えて来院される方が非常に多く、全体の3〜4割を占めています。突然の頭痛に脳卒中を心配される方もいれば、長年慢性的な頭痛に悩まされている方も少なくありません。特に多いのが片頭痛で、外来の印象としては、自然と頭痛の外来のような形になってきています。開業前は手術を中心とした急性期医療に携わっていたので、これほど多くの方が頭痛、特に片頭痛に苦しみ、適切な治療を受けられず日常生活に支障をきたしているという現実に、正直驚かされました。開業後に診療を続けるうちに、私自身の片頭痛への理解も以前とは比べものにならないほど深まりました。「しょせんは頭痛」と軽く考え、市販薬でなんとかやり過ごそうとしているうちに症状が慢性化してしまうケースも多く見受けられます。片頭痛はれっきとした疾患であり、医療機関での適切な評価と治療が重要です。現在は研究も進み、効果が期待できる治療薬も複数そろっています。

MRIなどの設備が充実していると伺いました。

脳神経疾患において、迅速で適切な診断を行うにはMRIによる画像診断が必須だと考えています。当院のMRIは短時間で高画質な画像を撮れる、機能性にこだわったものを導入しています。MRI待合室もリラックスしてお待ちいただけるよう穏やかな照明を選びました。また、検査時には目の前に置いた鏡を通して、映像を見ながら検査を受けていただけるようになっています。閉塞感のない開放的な視界に患者さんはきっと驚かれると思います。閉所恐怖症の方、お子さん、高齢者にも安心して検査を受けていただけるように工夫しています。閉所恐怖症でどうしてもMRI検査ができないとという方にも、ぜひ受けていただきたいですね。また、MRIで明らかな異常がなくても、生活に支障をきたすような頭痛には積極的な介入が必要です。お悩みの方は一度ご相談いただければと思います。

脳卒中の予防についても取り組まれていますね。

上野俊昭院長 うえのとしあき脳神経クリニック板橋4

脳卒中は一度発症すると、後遺症が残りやすく、これまでの生活が送れなくなることが少なくありません。要介護の原因にもなりやすく、本人だけでなくご家族の生活にも大きな影響を与える病気です。だからこそ「発症させないこと」が大切です。脳卒中の主なリスクは、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病です。自覚症状が出にくいので「まだ大丈夫」と放っておかれる方も多いですが、静かに進行します。健診で数値が気になったときや、体の変化に少しでも不安を感じたときは、早めにご相談いただきたいです。症状がなくても脳や血管の状態チェックは大事です。当院では脳ドックも行っていて、検査結果レポートも形式的な所見を並べるのではなく、その方に合った情報を加えてお渡ししています。「今の自分に、どんなリスクがあって、何に気をつければいいか」が伝わるよう工夫しています。「予防」は、実は一番効果的な「治療」でもあると考えています。

脳にまつわる患者の困り事に寄り添うために

他の医療機関とはどのような連携を取られていますか?

上野俊昭院長 うえのとしあき脳神経クリニック板橋5

帝京大学病院や東京都健康長寿医療センターでの勤務経験もあり、近隣基幹病院とは顔の見える関係性が築けています。ネットワークを生かし、認知症や軽度認知障害(MCI)、緊急対応が必須な脳卒中、専門的な検査・治療が必要な脳腫瘍、パーキンソン病などに対しても迅速かつ適切に連携できる体制を整えています。当院では、専門医療機関への紹介だけでなく、病院側からの逆紹介も受け入れており、双方向の連携を意識した診療体制を構築しています。例えば、物忘れで相談に来られた患者さんをMCIの可能性として専門医療機関に紹介し、抗Aβ抗体薬による点滴治療が導入された場合、初期は高度な設備がある病院での管理が必要ですが、フォローアップは当院が担うことで、患者さんの通院負担を減らせるよう配慮しています。

待ち時間軽減のための工夫をされているそうですね。

混雑や待ち時間を減らせるよう、診療の説明を医師だけではなく、スタッフとも分担しています。例えば、お薬の基本的な説明や検査の流れなどです。説明資料は、製薬会社が提供するものに加えて、当院独自で作成したものも活用しており、患者さんの理解度や状況に応じて組み合わせながらわかりやすくお伝えする工夫をしています。おかげで、受付から診察までの流れが以前よりスムーズになりました。病院だと撮影や結果説明が後日になるケースも多いですが、当院ではMRI検査をその日に撮影し、結果まで当日中にお伝えできる体制を整えています。

最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお聞かせください。

上野俊昭院長 うえのとしあき脳神経クリニック板橋6

私が地域の脳神経外科医として開業したのは、予防医療を通じて患者さんの健康を守りたいと考えたからです。頭痛に関しても、くも膜下出血など命に関わる急性頭痛から片頭痛・緊張型頭痛まで、数多くの重症例を診てきましたので、危険なサインを見極めつつ、慢性頭痛の苦痛を和らげるための治療まで一貫して提供できる点が、患者さんに安心感をもたらすと自負しています。生活習慣病の管理に加え、睡眠時無呼吸症候群のCPAP療法も行っています。頭痛・めまい・しびれなど、小さなお悩みでもお気軽にご相談ください。リスク評価と予防策の提案により重篤な脳疾患を防ぎ、丁寧な診察で早期発見に努めます。「脳のかかりつけ医」としてお力になれれば幸いです。

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