つらい頭痛や原因不明の頭痛は
専門家による個人に合わせた治療を
すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック
(杉並区/西荻窪駅)
最終更新日:2024/01/23


- 保険診療
日常的なつらい片頭痛や原因不明の頭痛があっても、市販薬を服用して我慢している人は少なくない。MRIなどの精密検査は予約を取るだけで数ヵ月かかることもあるというイメージから、受診に踏みきれない人も多いだろう。「頭痛は多くのケースで、予防治療によって大幅に頻度を下げることが望めます」と話すのは、「すぎなみ脳神経外科・しびれ・頭痛クリニック」で院長を務める遠藤聡先生。患者の受診へのハードルを下げたいとの思いから、検査機器を充実させたクリニックを開業した。専門の医師なら薬の処方だけでなく、検査結果に基づいて頭痛のタイプを診断し、患者の生活環境などを考慮して個人に合わせた治療を提案することができる。「慢性的な頭痛、いつもと違う頭痛などがあれば気軽に相談してほしい」と語る遠藤院長に、診療の流れを聞いた。
(取材日2023年12月26日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q頭痛は危険な頭痛とそうではない頭痛の2種類があるそうですね。
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A
頭痛には、片頭痛を代表とする脳に異常のない一次性頭痛と、脳に何らかの原因がある二次性頭痛があります。ほとんどの場合は一次性頭痛ですが、ごくまれに二次性頭痛の場合もあり、放置すると深刻なケースになることが多いため注意が必要です。二次性頭痛の原因はさまざまで、くも膜下出血、脊椎動脈解離など脳血管が原因のもの、髄膜炎、副鼻腔炎などのウイルスや細菌感染、さらには脳腫瘍や硬膜下血腫などが原因となるものもあります。一次性頭痛の患者さんであっても、二次性頭痛ではないことの確定診断をするために精密検査を行います。ほとんどのケースはMRIを撮影することで診断できますので、不安のある方は受診をお勧めします。
- Q相談の多い頭痛について教えてください。
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A
頭痛の外来に来られる方の多くが、脳に異常がない一次性頭痛です。二大頭痛といわれている片頭痛と緊張型頭痛がほとんどですが、頭皮の神経痛である後頭神経痛や群発頭痛なども多いですね。二次性頭痛では、いわゆる蓄膿症である副鼻腔炎が最も多く、次に椎骨動脈解離が多い印象です。また、頸椎や顎関節症が原因となることもあります。頭痛によって学業や仕事に支障を来すケースも少なくありませんが、多くのケースで予防的な治療を行い頻度の軽減を図ります。ただ単に鎮痛薬を処方するだけではなく、まずはしっかりどのタイプの頭痛か診断し、頭痛の頻度や生活環境などを考慮して一人ひとりに合った治療方針を決めていきます。
- Qどんなタイミングで受診をすればいいのでしょう?
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A
頭痛で不安がある、不快な思いをしている場合は気軽に受診していただきたいと思います。頭痛があると、脳に何か異常があるのではないかと不安になるのは当然のことです。その不安を少しでも早く解消するために、MRIやCTの検査を受けていただくことをお勧めします。中には、頭痛への不安がストレスとなって首や肩の筋肉が固くなり緊張型頭痛として現れることもあり、検査で心配がないとわかると頭痛が和らぐ場合もあります。ですから、まずは心配を取り除くためにも受診していただきたいですね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1予約、受付、問診票の記入
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ウェブや電話で予約を取って来院。受付の後、問診表を記入する。同院では、医師が必要と判断した場合は、初診や当日の予約なしの受診でもその日のうちにMRI検査の実施が可能だ。前回受診時にMRIの予約を取った人が優先となるため、待ち時間が発生する可能性があるが、待っていればその日のうちに結果も教えてくれるという。
- 2医師による診察で検査の必要性を判断
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原因がわからない頭痛で不安になっているのか、頭痛自体で生活に支障を来しているのかなどにより検査方針、治療方針が変わってくるため、まずは医師が問診表をもとに丁寧な問診を実施する。検査が必要だと判断した場合や、緊急性のある二次性頭痛ではないことを確定したい場合には、MRIやCTを用いた検査を実施する。
- 3注意点を踏まえてMRI検査を受ける
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MRI検査は、強力な磁石と電波を使って描出した体内の断層画像で診断する検査方法。エックス線を使わないため被ばくの心配が全くない。検査自体は10~20分程度、前後の問診や着替えなどを含めてもおおよそ1人30分で終了する。仰向けに寝た状態でトンネルのような筒の中で磁気を利用して実施するため、閉所恐怖症、心臓ペースメーカーを使用しているなどの理由で実施が難しい人には、CTを代用することもある。
- 4必要に応じてCT検査を受ける
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エックス線を利用して体の断面を画像化することで診断する。外傷や緊急性の有無などについて把握する。撮影時間は1分程度、前後時間合わせても5~10分程度で終了し、被ばく量も少ない。MRI検査がまだ怖いという小中学生や、じっとしていられない子どもにはCT検査で対応するほか、MRIが苦手な人、時間がない人などにもCT検査が有用だそう。
- 5検査結果をもとにした説明と結果に応じた治療を受ける
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同院では検査結果が即日わかるので、緊急性の有無を同日に判断、個人に合った治療方法を提案、選択することができる。病状、検査結果、治療方針は、専門用語をなるべく使わず、わかりやすい言葉で説明。不安からくる緊張型頭痛の場合は、緊張している部分を平常に戻すための近赤外線治療器を使った治療を行う。緊急性のある疾患が見つかった場合は提携病院に直接連絡を取り、すぐに診察を依頼するシステムも構築している。