生活習慣病の受診基準を知り
専門性に基づく治療で管理に努める
中本クリニック
(横浜市南区/弘明寺駅)
最終更新日:2023/10/13
- 保険診療
健康診断などで血糖値や血圧、コレステロール、尿酸値の異常を指摘されつつも、改めて病院を受診できていないという人は多いのではないだろうか。定期的に健康診断を受けることは重要だが、その結果を治療に反映できなければ意味がないもの。横浜市南区で「中本クリニック」を運営する瀧端正博理事長は「1年以上健康診断を受けていない方に加え、健康診断を受けたけれど結果の見方がよくわからないという方も、結果を持ってぜひ来ていただきたい」と話す。日本糖尿病学会糖尿病専門医として、同院をはじめ神奈川県内に複数の拠点を設けて糖尿病、高血圧、脂質異常症、痛風、肥満症をはじめとする生活習慣病の専門診療に取り組む瀧端理事長に、生活習慣病治療の重要性と同院での治療の特色などを話してもらった。
(取材日2023年8月20日)
目次
突然死にもつながる恐れのある生活習慣病は、早めに専門の医師に相談を
- Q糖尿病・生活習慣病とはどういったものでしょうか。
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A
糖尿病、高血圧、脂質異常症などの疾患を、まとめて生活習慣病と呼びますが、近年ではこれらの疾患は生活習慣以外にも家系や体質、遺伝的要素も大きく関わっていることが知られるようになり、生活習慣病という呼び方を見直そうとする動きが見られます。特に糖尿病はインスリン分泌能やインスリン抵抗性といった病態の影響が大きく、生活習慣の改善だけでなく、患者さん一人一人の病態に合った適切な治療が大切になります。高血圧や脂質異常症、肥満症も同様であり、生活習慣の改善だけでは病態の改善までには至りませんので、健康診断などで異常を指摘された患者さんはぜひ、専門の医療機関を受診していただきたいと思います。
- Q生活習慣病を放置した場合、どのようなリスクがありますか。
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A
糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病では、多くの場合早期に何らかの症状を自覚することはありません。自覚せずに進行し、症状が現れた時にはすでに重篤な状態になっていることも。例えば糖尿病の合併症として網膜症、腎症などがよく知られていますが、網膜症による視力の低下、腎症による下腿浮腫が生じる頃には、既に受けた臓器の傷害を元に戻すことは困難な状況になっています。高血圧は脳梗塞や脳出血、脂質異常症は心筋梗塞につながることが多く、これらを一度起こすとその後の人生は大きく変わってしまいます。そのような患者さんをたくさん見てきているので、そうならないように患者さんに説明して治療を受けてもらっています。
- Q貴院の糖尿病治療について教えてください。
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A
当院では糖尿病専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医である私の指導のもと、生活習慣病に特化した診療を行っています。当院の診療の最大の特徴は採血結果がわずか5分で得られることで、その場で結果を説明することができます。また採血項目を絞れば、指先による微量採血も可能です。さらに当院で独自に開発したシステムにより、血圧・体重と採血結果を一枚の紙にまとめて出力することで、一目で全体のデータの流れを確認できます。また超音波検査の体制が確立していますので、頸動脈エコーによる動脈硬化の評価や甲状腺エコーによる甲状腺の評価が可能です。
- Q多様な専門性を持つ先生が糖尿病治療に関わることも特徴ですね。
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A
当院では糖尿病の医師だけでなく、消化器内科や整形外科の医師も診療しています。当院は糖尿病、高血圧、脂質異常症、痛風、肥満症、甲状腺の診療に特化していますが、こういった患者さんは他にも合併症や併存疾患を持っていることが多く、専門外の疾患であってもお互いに医師が相談し合うことによってできる限り対応できるようにしています。われわれの組織の医師は大学病院や基幹病院での勤務歴がある医師が多く、その経験を生かして専門性の高い診療を提供できるように努めています。
- Qどのようなタイミング・症状で受診したらいいですか。
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A
健康診断で異常を指摘されたら、健康診断の結果を持って当院を受診するでよいと思います。また1年間、採血をされていない患者さんもぜひ受診していただきたいと思います。糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病は自覚症状が出る頃には既に合併症が進行した状態であることが多いため、原則として症状が出る前に治療を開始する必要があります。健康診断の結果をお持ちいただければ、医師のほうで確認させていただいて、今後必要な検査と治療を提示させていただきますので、遠慮なく健康診断の結果をお持ちいただけると幸いです。