瀧端 正博 理事長の独自取材記事
中本クリニック
(横浜市南区/弘明寺駅)
最終更新日:2023/09/08
歴史ある寺院である弘明寺の門前、京急本線とブルーラインの弘明寺駅を結ぶ商店街に面したビルの2階に、「中本クリニック」はある。長く診療を続けてきたクリニックの運営を、瀧端正博理事長率いる医療法人が継承。複数の医師やスタッフが関わる頼れるチームで、土日を含む週7日診療を展開するクリニックへと生まれ変わらせた。幅広い症例に対応する傍ら、糖尿病、高血圧、脂質異常症、痛風、肥満症といった生活習慣病や甲状腺疾患への高い専門性を生かした診療を提供するのも特徴だ。「温かい下町風情が魅力のこの街とともに、新たなクリニックの歴史を刻めることをうれしく思っています」と話す瀧端理事長に、同院の特徴や今後の展望などを聞いた。
(取材日2023年8月20日)
複数医師が在籍し、週7日体制での診療を実現
歴史あるクリニックを継承されたと伺いました。
当院は中本先生が20年以上にわたり診療されてきたクリニックを、2022年4月からわれわれの法人で継承し、体制も新たに再スタートさせたものです。中本先生は地域に根差してたいへん素晴らしい診療を提供されてきましたが、ご高齢のこともあり、継承前には週に3日半のみ診療される体制でした。地域に頼られるクリニックを活性化させたいという思いと、30人ほどの医師が関わる当法人の持つマンパワーの活用への意向から、新体制で週7日診療を実現することとなったのです。
貴法人では複数のクリニックを運営されているのですね。
当医療法人では約30人の医師が関わっており、3つの医療機関で診療を行っています。私自身は各拠点を回って診療すると同時に、若手の先生方の指導も行っています。当院は日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内分泌学会内分泌代謝専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本整形外科学会整形外科専門医、その他多くの先生方からいろいろなアドバイスを頂いて日々の診療を行っています。分野としては私の専門である糖尿病、高血圧、脂質異常症、痛風、肥満症といった生活習慣病や甲状腺疾患に強いといった特徴はありますが、基本的には幅広く対応できる体制です。
診療上の特色があれば教えてください。
2つの柱があり、一つは総合的な内科診療を行うクリニックとして身近な症状や疾患を幅広く診るという点です。もう一つは、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満症といった生活習慣病と甲状腺疾患に対して、高い専門性を持って診療する点も大きな特徴です。近年進歩が著しい糖尿病治療では、専門の知識と経験を持つ医師が一人ひとりの病態や合併症に合わせて適切な治療を提供できれば、十分な血糖コントロールの達成をめざせるだけでなく、合併症そのものの改善が期待できたり、インスリン注射を離脱することが望めたりするケースもあり得ます。長く糖尿病を専門に診てきた経験から、個々の患者さんに合わせた薬の使い分けは得意としていますし、当院で診療する医師は、皆同様の治療を実践できるようトレーニングしています。難症例や判断が難しいケースでは、私を含む法人内の別の医師に相談して、一緒に治療方針を検討できるというのも大きなメリットです。
生活習慣病治療への専門性を生かし、広く、深く診療を
さまざまな外来を設けて診療していらっしゃいますね。
総合的な内科診療を行うクリニックとしての幅広い診療と並行して、さまざまな疾患に対して専門性の高い診療を提供するのが当院の強みです。広く、深く診療するにあたり、患者さん側からの受診しやすさという観点から、さまざまな外来を設けています。糖尿病・高血圧・脂質異常症・痛風・肥満症といった生活習慣病をはじめ、甲状腺疾患や消化器疾患、循環器疾患などを高い専門性を持つ医師にご相談いただけます。土日には整形外科診療も行っており、腰痛症、捻挫、肩関節周囲炎、腱鞘炎、ばね指、外反母趾、関節リウマチといった疾患の診療も可能です。
どのような患者さんが多くいらしていますか。
クリニック継承前から通っていただいている方はもちろん、新規の患者さんにも続々ご受診いただいています。商店街で働く皆さんの受診も多く、改めて南区の名物商店街の一員として、その健康を支える大きなやりがいを実感しています。エリアによって対応を変えるといったことはありませんが、地域ごとに特有の問題があることは実感しています。人口密度が高い当エリアでは感染症の流行期にはどうしてもその拡大が顕著ですし、忙しい働き盛りの方が多いため、基礎疾患が見過ごされているケースがあるのではないかと気になっています。風邪などで受診された方に採血検査を行うと、未治療の生活習慣病が見つかったりすることも考えられるため、注意しています。
医師以外のスタッフさんについても教えてください。
継承前からの事務スタッフには現在も勤務を続けていただいています。以前は中本先生とごく少数の事務スタッフで運営されていたようで、大所帯となった現在は体制も大きく変わりましたが、すっかりチームになじんでいるように感じます。また、当法人のクリニックには薬剤師を常勤で配置する方針で、当院でも院内処方を行っています。院内処方は運営側にとっては人件費や在庫管理の負担が大きくなるものですが、患者さんにとってはメリットが大きいもの。特に薬の処方が鍵となる生活習慣病治療では、薬剤師の視点も欠かせないものとなります。医師だけではなく、看護師、薬剤師といったコメディカル、さらには運営を支える事務スタッフやシステム担当、人材管理の担当など、さまざまな人の力を集結してより良い診療を追求できるのは、組織で運営することの大きなメリットですね。
生活の一部にある医療として、気軽に相談を
設備面でのこだわりなどあれば教えてください。
血糖、HbA1c、LDL・HDL・中性脂肪などの脂質異常 、CRPなどは指先からの採血で測定でき、即日5分で結果を得られる検査体制です。糖尿病治療ではデータの即時性も重要で、リアルタイムデータにより薬剤を調整したり、患者さんの治療へのモチベーションを高めたりすることにつなげます。得られたデータは独自開発したシステムにより1枚の結果確認書にまとめられ、治療に活用するほか、患者さんにもお渡しします。後日参照したりご家族に説明したりする際に便利なほか、他院受診の際や万が一救急医療を受診される際などにはご自身の健康状態を伝える証明書のようにご活用いただけます。また、胸部・腹部を中心に全身の関節なども撮影できるエックス線や頸動脈・甲状腺・心臓・腹部などの超音波検査、24時間ホルター心電図を含む心電図検査なども可能です。
今後の展望として考えていらっしゃることはありますか。
糖尿病・高血圧・脂質異常症・痛風・肥満症などの生活習慣病に対する診療を充実させるとともに、疾患を抱えつつ、いまだ未治療である方へのアプローチを広げていきたいと考えています。特に糖尿病のある患者さんにつきましては、強力な肥満症の治療が可能になっていますので、肥満症のある患者さんはぜひ当院にご相談ください。また今後は糖尿病のない患者さんの肥満症につきましても強力な治療が可能になっていくのではないかと思われます。医療にはさまざまなメソッドがあり、時代とともに変わる面もあります。当院で実践している精密な検査にもとづいて診断・治療へとつなげる現代医療と、各分野における高い専門性を地域の方々に広く知っていただき、必要に応じてご活用いただければと存じます。
地域の皆さんにひと言メッセージをお願いします。
生活の一部にある医療として、気軽に使ってほしいと思っています。特定の病気で受診するというよりは、ご自身のお体のことで困ったり、不安に思ったりしたことがあれば、気軽にご相談いただきたいですね。健康診断の結果を受けて、詳しい説明や必要な治療が知りたいといった際にも、検査結果を持参の上でいらしていただければ一緒に必要な対応を考えます。実際に診療を担う医師の背後で、さまざまな専門性を持つ医師らがバックアップしている当院のスケールメリットも、ぜひご活用いただければと考えています。これからも愛すべき弘明寺の街やここにお住まいの皆さんと、長くともに年を重ねていけることを楽しみに思っています。