前川 崇嗣 院長の独自取材記事
錦糸町マルエツMiniデンタルクリニック
(墨田区/錦糸町駅)
最終更新日:2025/06/11

多くの歯科医院の初診で行われることの一つにエックス線撮影がある。歯科医師はエックス線から膨大な情報を得て、状態に合った治療計画を立てていく。「どれだけ技術があっても、エックス線画像を適切に読み取ることができなければ良い治療にはつながらない」と話す「錦糸町マルエツMiniデンタルクリニック」の前川崇嗣(まえかわ・たかし)院長は、大学病院の歯科放射線科で経験を積んだ画像読影の専門家。虫歯から入れ歯治療、審美歯科と、どの診療においても患者に「来て良かった」「診てもらって安心した」と思ってもらえるよう、適切な診断に基づく丁寧な治療に努めている。ベテラン歯科衛生士たちと取り組む予防歯科のほか、歯を失った後のインプラント治療にも注力。優しい笑顔で日々真摯に患者と向き合う前川院長に話を聞いた。
(取材日2024年2月14日/再取材日2025年3月28日)
治療は原因の特定から。エックス線の読影技術を生かす
2022年のご開業だそうですね。

はい。当院は地元に密着したスーパーの2階と、お買い物のついでに気軽に立ち寄っていただける立地にあります。また、平日は19時まで、土曜は18時半まで診療しており、お仕事や学業などでお忙しい方も来院しやすい環境を整えています。予防から虫歯・歯周病の治療、失った歯を補う補綴治療や歯列矯正など、歯科診療全般に対応し、小さなお子さまからご高齢の方まで、幅広い世代の方にご利用いただいています。子ども用のユニットを設置していますので、歯科医院が初めての子や診察が苦手な子でも、身構えずに治療を受けられると思います。頑張ったお子さんにはご褒美も用意していますので、ぜひご家族そろって受診していただきたいですね。
歯科放射線科で経験を積まれたと伺っています。
岩手県立久慈病院の歯科口腔外科で学んだ後、岩手医科大学の口腔顎顔面再建学講座歯科放射線学分野で診断力を磨きました。エックス線撮影は、歯の根や歯を支えている骨の状態、虫歯や歯周病の進行具合など、肉眼では見えない部分の状態を把握するために有用です。しかし、画像を撮影できることと画像を読めることは同じではなく、エックス線画像を表層的に見るだけでは、痛みの本当の原因や治療すべき箇所を見過ごしてしまうでしょう。画像を適切に読み取り、より良い診療方針を立てられてこそ、患者さんにとって有益な治療ができると思っています。主訴とは異なる場所に深刻な疾患を見つけて、大きな病院を紹介することになるケースもあるでしょう。病気の早期発見につながるという意味では、画像診断はひいては予防にも役立つといえますね。
専門的に学ばれたからこその診断力は大きな強みですね。

「歯が痛い」という主訴も、診断してみなければ何が原因かはわかりません。患者さんは虫歯だと思っていても、実は噛み合わせのせいで痛むのかもしれないし、顎の骨の内部による痛みなのかもしれない。実はお口の中に原因がないことも考えられます。当院では、3次元的にお口の状態をはっきり捉えるために歯科用CTを使っています。それでも、撮影した画像を細かくチェックして歯周病の検査をしても、痛みの原因が何も見つからないケースも想定しています。こうした場合、考えられるのはストレスによる痛み、心因性の痛みです。患者さんに「痛みの原因は口の中にはないですよ」とお伝えして、適切な治療につなげていくことも、私の役割だと思っています。
高精度で低侵襲なインプラント治療をめざす
得意とされている治療について教えてください。

白いかぶせ物の治療は得意分野です。最近は、昔入れた銀歯を白くしたいと希望される患者さんが増えています。白いかぶせ物は見た目の改善が期待できるだけでなく、銀歯による金属アレルギーのリスクや、金属が溶け出すことによる歯茎の着色汚れの心配が少ないこともメリットです。耐久性や審美性を追求する方には、セラミックのかぶせ物もご提案しています。セラミックには、保険の白いかぶせ物よりも自然な白さが期待できる上に、噛む力が強くかかる奥歯に入れても壊れにくい、かぶせている下の歯が虫歯になりにくいといった利点もあります。もちろん、患者さん一人ひとりの経済事情や治療に対する考え方が最優先で、白いかぶせ物を無理にお勧めすることはありません。選択肢として皆さんにご提示するようにしています。
インプラント治療にも力を入れているそうですね。
はい。インプラント治療では人工の歯根を顎の骨に埋め込むための外科手術を行います。当院では人工の歯根を埋め込む位置などを術前に確認できるシミュレーションシステムを採用しています。具体的には、事前に歯科用CTで口腔内を撮影し、顎の骨の厚みや量、神経や血管の位置などを把握し、そのデータをもとにシミュレーションソフトでインプラントの種類や埋入位置・角度を決定します。さらに「ガイド」と呼ばれる手術用テンプレートを作製し、手術時に患者さんの歯肉に装着して使用します。このガイドにはインプラントの埋入位置に穴が開いているんです。ガイドに従って手術を行うことで、理想的な位置や角度、深さでのインプラント埋入に努めています。
精密なインプラント治療をめざされているのですね。

もちろんです。私は画像診断を専門としていますから、歯科用CTで入手した情報を適切に読み取って診断し、患者さん一人ひとりに合った治療計画を作成・提案しています。また、従来のインプラント手術では歯肉を大きく切開する必要がありましたが、ガイドを使用すれば小さな穴を開けるだけで済み、出血や痛み、腫れが少ない低侵襲な治療が期待できます。さらに、インプラントの埋入だけでなく、その上に装着するかぶせ物まで含めたシミュレーションを行うことで、かぶせ物の位置も自然に決まり、良質なかぶせ物の作製も望めます。かぶせ物は信頼できる歯科技工士と連携して作製し、私自身も休日には勉強会に参加するなどして知識をアップデートさせています。ぜひ安心してご相談ください。
コミュニケーションを大切に、丁寧な説明・治療を実践
その他、力を入れている治療はありますか?

予防歯科です。定期的な歯のクリーニングは口腔内を良い状態に保つことにつながりますし、自覚症状のない小さな虫歯が見つかることもあります。予防歯科で重視しているのは、しっかりとした検査と丁寧なカウンセリング。歯周病検査とクリーニングを担当する歯科衛生士たちは、知識も経験も豊富です。また、歯の健康を保つためには、ご自宅でのセルフケアも重要です。自分では磨けていると思っても、お口や歯の状態によって歯ブラシの届きにくい部分があり、案外磨き残しがあるものです。歯科衛生士はそれを見つけてアドバイスし、最後に患者さんのお口の状態を細かく記録した「お口の健康シート」をお渡ししています。今後は、咀嚼や唾液分泌といった口腔機能の検査も取り入れていく予定です。ぜひご自身のお口と歯に対する関心を高め、良い状態を維持していただきたいですね。
診療の際、心がけていることは?
患者さんとしっかりとコミュニケーションを取り、丁寧な説明を心がけています。初診の際は、まずカウンセリングルームにお通ししてお話を伺います。治療用のユニットでは患者さんは肩越しに歯科医師の顔を見ることになり、うまく意思疎通できないことがあるからです。カウンセリングルームで向き合って話をすると、お互いの人柄と考え方がわかりやすくなって、患者さんも率直にお話ししやすいのではないでしょうか。その日の混み具合にもよりますが、できるだけしっかりお話をして信頼関係を築き、画像診断の結果も理解していただけるまで説明してから治療に移るようにしています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

丁寧に治療することと、患者さんが嫌がる治療はしないこと。この2つが当院のモットーです。患者さんがつらいと思っていることが改善につながり、なおかつその状態が長く続くように、手を抜かない治療を徹底しています。また、私たちが良いと思う治療が、患者さんにとっても良いとは限りません。治療の選択肢として考えられるものはできるだけ多く提示しますが、決して押しつけにならないよう、患者さんの意思を尊重して治療する方針です。大学病院レベルの診断、親身なコミュニケーション、丁寧な治療の3つを重要視し、日々診療を行っています。どうぞ、お気軽にご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/3万8940円~、セラミッククラウン/12万1000円~、歯列矯正/47万円~、インプラント治療/44万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。