清水 禎則 院長の独自取材記事
すみだ運動器リハビリテーションクリニック
(墨田区/とうきょうスカイツリー駅)
最終更新日:2023/01/25

日本の情緒がそこかしこに生きる墨田区にあるのが「すみだ運動器リハビリテーションクリニック」だ。クリニック名のとおりにスポーツでのケガに精通し、手術、リハビリテーション、復帰まで医師と理学療法士とでしっかりサポートする。院長の清水禎則先生は、相撲の観戦だけではなく、自らも稽古や試合を行うという相撲好きで、スポーツに造詣の深い医師として相撲力士のケガなどの論文も多数発表している。清水院長は「スポーツのケガなどはもちろん、肩凝りや腰痛、膝の痛みなども、悪化する前にぜひ気軽に相談にきてください」と語り、広く地域医療に貢献している。MRIを導入し、基幹病院などに行かずとも精密な検査が可能な環境を整えている点も特徴だ。クリニックについて、清水院長に詳しい話を聞いた。
(取材日2022年12月26日)
院内のMRIで素早く精密検査を行い治療へつなげる
一般的な整形外科の疾患に加え、スポーツでのケガの治療・リハビリテーションに注力されているとか?

はい。最後に勤務医として勤めた同愛記念病院では、専門分野である膝・足関節疾患の診療・治療などを行うスポーツ整形外科、運動器リハビリテーションに携わってきました。この経験を生かして墨田区の皆さんに貢献したいと考え、開業を決めたのです。周辺は住宅街ですが、整形外科のクリニックは当院のほかにはないようで、遠くのクリニックや病院まで治療やリハビリテーションに通っている方もおられるかもしれません。整形外科に通う方は体に痛みなどがあることが多いですから、お近くの方はぜひ当院を活用していただきたいと思っています。
精密検査には欠かせないMRI検査も導入されているそうですが、クリニックでは珍しいですよね。
MRI検査は、内臓などの軟部組織まで詳しく撮影できる精密な検査です。消化器疾患や婦人科疾患などの術前検査、また脳神経外科での脳疾患検査などでも活用されています。MRI検査はすべての人に必要な検査ではなく、術前など精密な検査が必要な場合で活用されているんです。整形外科においては椎間板ヘルニアや膝の靱帯損傷などの検査には欠かせないものですが、導入しているクリニックは多くありません。ですがやはり、ケガや疾患が大きくなるほど欠かせない検査であることは間違いありません。痛みがあるのに、遠くまで行くのは負担になります。地域のクリニックで検査を受けられることで、精密な検査から診察、適切な診断、そして治療やリハビリテーションへと一つのクリニック内でスムーズに進め得るのは、MRIを導入する大きな意義であると考えています。
MRI検査は年齢を問わず受けられるのですか?

可能です。ただ検査時間に30分ほど要するため、その間じっとしていられる年齢でないと難しいでしょう。ですので未就学児童では厳しいかもしれませんね。当院はスポーツや部活などでケガをしたお子さんも受診されますから、その際に検査が必要であれば、ご本人やご家族に説明した上で検査を行います。また当院のMRIは一般的にイメージされがちなトンネルのようなドーム型ではなく、エックス線検査台のようなオープン型です。そのため「閉所恐怖症のためMRIが受けづらい」という方でも受けやすいと思います。MRIに抵抗感がある方などは事前にご相談いただければ、最大限配慮した上で検査を行いますので、ぜひ気軽にご相談ください。
スポーツに詳しい理学療法士のもとに力士も通院
MRI検査は予約制のイメージがあります。

よく大学病院や基幹病院などにMRIを撮りに行く場合は、2週間ほど待つのが通常ですね。でも当院は院内にあるため、予約に空きがあればすぐに撮影が可能です。撮影に30分ほどかかるため多少の待ち時間が生じる可能性はありますが、ほかの病院などに行くよりも大幅に、患者さんの待ち時間軽減に貢献できていると感じています。検査機器としてはほかに、エックス線検査、骨密度測定、エコー(超音波)検査などがあります。エックス線検査室は広いスペースを取り、車いすのままでも中に入れるので、ケガをしている方、ご高齢の方でも検査が受けやすい環境にあると思います。これらの検査機器を用いて精密に検査をし、適切な診断を行い、治療やリハビリテーションに一貫してスムーズにつなげられるのが、当院の強みの一つではないかと考えています。
リハビリテーションを担当する理学療法士さんの特徴は何でしょうか?
リハビリテーション全般に詳しいのは当然のことですが、加えて、私と同じようにスポーツでのケガやリハビリテーションにも精通していることです。そしてこれはたまたまなのですが、常勤の理学療法士2人はどちらも、スポーツでのケガによる手術とリハビリテーションを経験しているんです。ですので当院に来た患者さんのお気持ちも、とてもよくわかるのだと思います。ケガをしている間の焦り、でもその焦りに任せて慌ててトレーニングなどをしたら悪化しかねないこと……。そういったスポーツ選手としての悔しさなどにも寄り添いながら適切なリハビリテーションを提案しますし、さらには次のケガを予防するためのアドバイスなどには、彼らの経歴があるからこそできる、血の通った言葉があるのだと感じます。
貴院のホームページには相撲力士のアイコンがありますが、あれにはどんな意味が?

私の趣味が相撲なんです。30歳くらいから始めて、もう15年以上続けています。近くの道場で、週に1回ほど稽古をしています。もともと相撲を見るのが好きだったのですが、それが高じて競技にも……。という感じですね。アマチュアながらまわしを締めて練習や取り組みを行います。皆さん真剣なので、まれに練習中や試合中のケガなどもありますが、そういう際はすぐに医師としての意見やアドバイスを伝えます。整形外科を選んだ理由の一つに「スポーツ医学に関わりたい」という思いもあったので、今とても充実感を覚えていますよ。
土俵でのユニークなリハビリテーションも
仕事と趣味が直結しているとはすてきです。力士の方も通院されていますか?

ええ、おられます。稽古中にケガをして、という方も通ってくださっています。実はリハビリテーション室の一角に、小さな土俵を作っています。相撲を取るのではなく、リハビリテーションの一環として活用するためです。土俵は土でできていますから、通常の板の床とはまったく違います。正面には鏡もあるため、特に四股(しこ)を踏むような下肢のトレーニングに、実際に力士の皆さんが活用してくださっています。一般の方ではまだ土俵でのリハビリテーションを行う方は少ないのですが、腰痛などのリハビリテーションにも活用できるため、理学療法士と相談しながらぜひ使ってみてほしいですね。
先生の相撲愛を感じます。先生から見てスタッフさんはどのような方々でしょうか?
整形外科はケガをしたり、痛みがある方が来る場所です。スポーツをやる人以外にも、デスクワークでの腰痛や肩凝り、日常生活での膝の痛みなど、生活に直結するところに痛みが出ることが多い。なので院内も落ち着くような環境にしたいと考えていました。スタッフも、MRIなどで待ち時間が長くなりそうな方には「検査なので待ち時間が生じていますが、もう少々お待ち下さいね」などと率先してお声がけをしてくれているようです。皆さん非常に優秀で、私が何かを指示することはなく、率先して痛みや不安を抱えた患者さんに寄り添ってくれていると感じています。また疾患や治療の説明は非常に難しいものですが、私自身もできるだけ丁寧に、わかりやすく説明できるようにと心がけています。
最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

手術はできても、通院でのリハビリテーションができない病院があります。そういう場合のリハビリテーション患者さんの受け入れにも注力していきたいと考えています。特に手術後に遠くまで通院するのは大変ですから、地元の方には当院をぜひ活用していただきたいですね。また月・木曜は19時半まで、土曜は16時まで受付をしていますので、学校や部活、お仕事帰りにも慌てずに通院できるかと思います。スポーツでのケガや日常生活の痛み、すべてに言えることですが、改善するためにはどうするかはもちろん、今後悪くしないためにはどうすべきか、という予防の考え方、そして早めに通院するという選択も重要です。スポーツのこと、日常生活のことなど、ぜひ気軽に、何でも相談してください。