清水 禎則 院長の独自取材記事
すみだ運動器リハビリテーションクリニック
(墨田区/とうきょうスカイツリー駅)
最終更新日:2024/03/06

日本の情緒がそこかしこに生きる墨田区にある「すみだ運動器リハビリテーションクリニック」は、その名のとおりスポーツでのケガに精通し、治療や手術、その後のリハビリテーションを医師と理学療法士が手厚くサポートしている。その他の整形外科の悩みも広く受けつけており、院内にMRIを導入し、精密な検査を行える環境が整っているのも特徴だ。院長の清水禎則先生に、診療への想いやスポーツ愛について聞いた。
(取材日2022年12月26日/更新日2024年2月21日)
院内のMRIで素早く精密検査を行い治療へつなげる
一般的な整形外科の疾患に加え、スポーツでのケガの治療・リハビリテーションに注力されているとか?

はい。最後に勤務医として勤めた同愛記念病院では、専門分野である膝・足関節疾患の診療・治療などを行うスポーツ整形外科、運動器リハビリテーションに携わってきました。この経験を生かして墨田区の皆さんに貢献したいと考え、開業を決めました。整形外科に通う方は体に痛みなどがあることが多いですから、お近くの方はぜひ当院を活用していただきたいと思っています。
精密検査には欠かせないMRI検査も導入されていますが、クリニックでは珍しいですよね。
MRI検査は、内臓などの軟部組織まで詳しく撮影できる精密な検査です。消化器疾患や婦人科疾患などの術前検査、また脳神経外科での脳疾患検査などでも活用されています。整形外科においては椎間板ヘルニアや膝の靱帯損傷などの検査には欠かせないものですが、導入しているクリニックは多くありません。ですがやはり、ケガや疾患が大きくなるほど欠かせない検査です。痛みがあるのに遠くの病院に行かなければならないのは大きな負担ですので、当院でMRI検査まで行えるのは大きなメリットであると考えています。ほかに、エックス線検査、骨密度測定、エコー(超音波)検査などがあり、これらの検査機器を用いた診断力が当院の強みの一つです。
MRI検査は年齢を問わず受けられるのですか?

可能です。ただ30分ほど検査時間を要するため、その間じっとしていられる年齢でないと難しいでしょう。ですので未就学児童では厳しいかもしれませんね。当院はスポーツや部活などでケガをしたお子さんも受診されますから、その際に検査が必要であれば、ご本人やご家族に説明した上で検査を行います。また当院のMRIは一般的にイメージされがちなトンネルのようなドーム型ではなく、エックス線検査台のようなオープン型です。そのため「閉所恐怖症のためMRIが受けづらい」という方でも受けやすいと思います。MRIに抵抗感がある方などは事前にご相談いただければ、最大限配慮した上で検査を行いますので、ぜひ気軽にご相談ください。診察で必要があると判断し、予約に空きがあればすぐに撮影が可能です。
MRI以外にも、先進の機器導入に意欲的ですね。
2023年には先進の体外衝撃波治療装置を導入しました。この装置は難治性の足底腱膜炎の痛みの改善に有用で、低出力の衝撃波を皮膚の上から照射し、痛みのある箇所の神経や、血管に働きかけます。当院では体の深部への治療が可能な装置を導入しております。保険適応となっているのは難治性の足底腱膜炎のみですが、整形外科領域で近年注目されている治療法です。
スポーツに精通した理学療法士がサポート
リハビリテーションについて教えてください。

私が検査や診察で診断をつけた後に、理学療法士が引き継ぎ指導します。理学療法士は、身体構造とその機能を専門的に勉強して得られる専門性の高い資格。医師よりも精通している部分もあると感じています。その知識や経験をもとに患者さんの状態や治療の進み具合など、お一人お一人に応じたオーダーメイドのきめこまやかなプログラムを組み、運動療法や日々の生活、またはスポーツでの注意点などをアドバイスします。
貴院の理学療法士さんの特徴は何でしょうか?
リハビリテーション全般に詳しいのは当然のことですが、加えて、私と同じようにスポーツでのケガやリハビリテーションに精通していることです。常勤の理学療法士のうち2人は、スポーツでのケガによる手術とリハビリテーションを経験しています。ですので当院に来た患者さんのお気持ちも、よくわかるのだと思います。ケガをしている間の焦り、でもその焦りに任せて慌ててトレーニングなどをしたら悪化しかねないこと……。そういったスポーツ選手としての悔しさにも寄り添いながら、次のケガを予防するためのアドバイスを含めて、適切なリハビリテーションを提案します。プロの方や、小学生くらいでこれから長く競技を続けたいという方にはぴったりの相談相手になると思います。
スポーツに取り組む患者さんやアスリートへのアドバイスはありますか?

スポーツを最終的に諦めざるを得なくなる大きな原因は、小さなケガの積み重ねです。例えば、足関節の捻挫は回数を重ねると癖になりやすいのですが、それを防ぐためにはごく初期での治療が非常に重要なのです。「いつものケガだから」「ちょっとの痛みだから」と放置してしまうと、疲労骨折などのケガの発見を遅らせてしまったり、ケガの積み重ねが動きを制限する原因となったりして、スポーツや競技自体を諦める要因にもなりかねません。大好きなスポーツ、将来をかけた競技を続けていくためにも、整形外科できちんと治療や相談をしてほしいと切実に思います。体を使って鍛錬し、楽しみ、高めていくスポーツ。しかしその楽しさは常にケガと紙一重のところにあります。競技それぞれの特性や起こりやすいケガなどもありますから、ケガの治療だけではなく「どうやってスポーツを続けていくか、そのためには何が必要なのか」を知る場所としてもぜひご活用ください。
土俵でのユニークなリハビリテーションも
貴院のアイコンには相撲の力士が入っていますね。

私の趣味が相撲なんです。30歳くらいから始めて、もう15年以上続けています。近くの道場で、週に1回ほど稽古をしています。もともと相撲を見るのが好きだったのですが、それが高じて競技にも……。という感じですね。アマチュアながらまわしを締めて練習や取り組みを行います。皆さん真剣なので、まれに練習中や試合中のケガなどもありますが、そういう際はすぐに医師としての意見やアドバイスを伝えます。
仕事と趣味が直結しているとはすてきです。力士の方も通院されていますか?
ええ、おられます。稽古中にケガをして、という方も通ってくださっています。実はリハビリテーション室の一角に、小さな土俵を作っています。相撲を取るのではなく、リハビリテーションの一環として活用するためです。土俵は土でできていますから、通常の板の床とはまったく違います。正面には鏡もあるため、特に四股(しこ)を踏むような下肢のトレーニングに、実際に力士の皆さんが活用してくださっています。力士以外で土俵を使ったリハビリテーションを行う方は少ないのですが、一般的な動作や腰痛などのリハビリテーションにも活用できるため、理学療法士と相談しながらぜひ使ってみてほしいですね。
先生やスタッフさんが心がけていることを教えてください。

整形外科はケガをしたり、痛みがある方が来る場所です。デスクワークでの腰痛や肩凝り、日常生活での膝の痛みなど、生活に直結する痛みにお悩みの人が多く、なので落ち着ける環境の医院にしたいと考えていました。スタッフも、MRIなどで待ち時間が長くなりそうな方には率先して声かけをしてくれるなど、率先して痛みや不安を抱えた患者さんに寄り添ってくれていると感じています。私も診療ではできるだけ丁寧に、わかりやすい説明をと心がけています。
最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。
手術はできても、通院でのリハビリテーションができない病院があります。そうしたリハビリテーション患者さんの受け入れにも注力していきたいと考えています。手術後に遠くまで通院するのは大変ですから、地元の方には当院をぜひ活用していただきたいですね。スポーツのケガや日常生活の痛み、すべてに言えることですが「今後悪くしないためにはどうすべきか」という予防の考え方、そして早めに通院するという選択が重要です。ぜひ気軽に、何でもご相談ください。