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吉田 智彦 先生の独自取材記事

世田谷リウマチ膠原病クリニック 新宿本院

(渋谷区/新宿駅)

最終更新日:2023/10/27

吉田智彦先生 世田谷リウマチ膠原病クリニック 新宿本院 main

新宿駅南口から甲州街道を5分ほど歩いたビル8階にある「新宿南リウマチ膠原病クリニック」は、2020年開業のリウマチ・膠原病の専門クリニックだ。エントランスを入ると、ほんのりアロマが香り、ゆったりした空気感が漂っている。吉田智彦先生はそれらの疾患に関する研究や臨床経験が豊富だ。患者は全国各地や海外からも訪れているという。2006年に世田谷に「世田谷リウマチ膠原病クリニック」を開設し、患者数増加に伴い、2020年に開設した東信会のフラッグシップの同院。2023年2月からは「世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院」と名称変更した。今回、吉田先生にクリニックの特徴などについて話を聞いた。

(取材日2022年12月16日/情報更新日2023年10月11日)

クリニックで大学病院と同等の治療を

これまでのご経歴と世田谷から新宿に移転に至った経緯を教えてください。

吉田智彦先生 世田谷リウマチ膠原病クリニック 新宿本院1

2006年まで聖マリアンナ医科大学病院でリウマチや膠原病の治療にあたってきました。当時は、まだ有用な治療法がなく、予後が好転しないケースが多かったのですが、2003年に生物学的製剤が登場し、治療法は変化しました。「そんな治療法を大学病院だけでなくクリニックでも提供できれば患者さんはもっと楽に治療を受けられるのではないか。大学病院は待ち時間が長く診療時間はほんの数分。クリニックでじっくりと患者さんと向き合いながら大学病院のような治療を提供したい」、そんな思いで2006年世田谷区経堂に「世田谷リウマチ膠原病クリニック」を開設しました。その後患者数の増加に伴い手狭になったため、もっと広い場所を、と2020年、新宿に移転しました。リウマチ膠原病のクリニックとしてリウマチ患者のアイコンとしてとなってきたため2023年2月に「世田谷リウマチ膠原病クリニック新宿本院」と名称を変更しました。

名前に膠原病と入るのは当時珍しかったのでは?

膠原病の患者さんを外来で診ていきたいと思い、膠原病の患者さんのためになるクリニックをつくりたいとして、「膠原病」をクリニック名に入れようと保健所に申請したら、クリニックとしては前例がないと何度も却下されました。大学病院の膠原病科とか大きな膠原病センターならいいと(笑)。その後、無事クリニック名が認められ開業し、以来、地域の方々をはじめ全国各地、さらに海外からも多くの患者さんが来られています。患者数増加に伴って移転した2020年は、新型コロナウイルス感染症流行の真っ最中でしたが、これまで多くの患者さんに来院していただいています。2022年9月には、世田谷、狛江、調布、川崎などの患者さんも通院しやすいよう祖師谷に「世田谷リウマチ膠原病クリニック祖師谷」を新設し、経堂のクリニックを統合する形で本院としています。

患者さんはどのような方が多いのでしょうか。

吉田智彦先生 世田谷リウマチ膠原病クリニック 新宿本院2

関節リウマチの方が7割から8割、膠原病の方が2割から3割くらいでしょうか。一般的な内科疾患も診療していますが、患者さんのほうが遠慮してしまうようです。手がこわばる、関節が腫れてきたなど初期症状を訴えて来られる方々が多い一方で、大学病院にかかっていたけれどクリニックで診てもらいたい、リウマチ専門のクリニックで診てもらうように言われた、など病診連携や診診連携の紹介で来られる方々も多いですね。初期症状で来られる方々はインターネットで症状や当院のことをよく調べているようです。新幹線や飛行機で来られる方もいますし、アジア各国、ヨーロッパやアメリカからの患者さんもいます。

専門家によるチーム医療で患者をサポート

こちらのコンセプトについて教えてください。

吉田智彦先生 世田谷リウマチ膠原病クリニック 新宿本院3

当法人の理念は「患者さまの健康と希望の実現のために120%の力で尽くします」です。常に向上心を持ち大学病院以上のレベルの医療を提供し、患者さんの人生を実現できるよう努めています。西洋医学だけでは十分対応できない症状や悩みに対しては漢方薬の処方を行っています。例えば冷え性や足腰の痛み、足がつるなどといった症状には漢方が適しています。当院ではステロイド剤は最低限にとどめたいと考えていて、漢方薬はステロイドの減量も期待できるため、膠原病の治療などでは漢方薬を併用するケースも。西洋医学と東洋医学の両方の観点から治療を行う統合医療を実践している点も特徴です。

専門性を持つ医師や看護師などがそろっている点も大きな魅力ですね。

非常勤も含め16人ほどの医師が診療にあたっています。いずれの医師も日本リウマチ学会リウマチ専門医の資格を持っています。医師たちは特に募集をかけなくても、当院でぜひ診療したいと自主的に集まったメンバーです。実は次の4月からの空席を待っている医師もいるんですよ。看護師の中にはリウマチケアや骨粗しょう症、関節超音波検査に関する専門知識を持つ者もいます。当院では医師が診察した後に、患者さんが必ず看護師と話す時間を設けていて、薬や日常のケアなどについて看護師が丁寧に説明します。患者さんは医師には言いづらいことでも看護師には気兼ねなく話せるのではないでしょうか。リハビリテーションを担当する理学療法士も在籍し、多職種によるチーム医療で患者さんを診ています。

診療の際どのようなことを心がけていますか。

吉田智彦先生 世田谷リウマチ膠原病クリニック 新宿本院4

最近は講演会でお話することが多いですが、その時に必ず伝えているのが「シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)」。日本語では「共同意志決定」を意味します。病状や治療方法、治療のゴールなどについて患者さん側と医療者側が共有することです。医師が考える医療的な最終目標と患者さんが考えている治療の希望とを一致させること、その点を最も重要視しています。当院では再診用の問診表に、今後楽しみなこと、実現したいことを自由に書いてもらっています。半年後海外旅行に行きたいとか、孫と一緒に温泉に行きたいとか。その希望を実現するためにはどのような治療が必要か、患者さんの家庭内での役割や社会的な役割も把握した上で、その希望がかなうよう患者さんと情報共有しながら治療を進めています。

統合医療でオーダーメイド治療の実践を

オーダーメイドの治療を重視しているそうですね。

吉田智彦先生 世田谷リウマチ膠原病クリニック 新宿本院5

当院では国内で使用できる全種類の治療薬を用意し、お一人お一人に最も適した治療を行うことを重視しています。患者さんは、それぞれ年齢や症状も異なりますし、時間軸で診ていく必要もあります。関節リウマチの治療では抗リウマチ薬が第一選択肢ですが、約半数の患者さんは生物学的製剤やJAK阻害剤などを使用しています。漢方もまさにオーダーメイドの治療で、その人の体質に合わせた処方を行っています。漢方の先生方には北里大学東洋医学総合研究所の4代目所長を務められた花輪壽彦先生や東京女子医科大学東洋医学研究所所長を務められた佐藤弘先生、脳神経内科や認知症にも詳しい石田和之先生もおられ、さまざまな悩み、症状の軽減や体質の改善に努めています。

ところで先生はなぜ医師をめざされたのですか。リウマチ・膠原病を専門にした理由も教えてください。

曽祖父と父が医師でしたが、医師になろうとは考えず、初めは建築関係に進みたかったのです。結局、聖マリアンナ医科大学に進学しましたが、当時はバブルの時代で学生起業もしていたので、進路について真剣に考えていませんでした。学生時代には整形外科や糖尿病などにも興味を持ちましたが、結果としてリウマチ・膠原病・アレルギー科に入局しました。ある意味、消去法でリウマチ・膠原病を専門としましたが、研究や臨床を重ねてきた結果、今は天職だと感じています。派手さはありませんが、治療方法が進歩した現在はしっかりと患者さんと向き合い適切な治療を行うことで、患者さんの喜びにつなげていく、やりがいのある仕事だと思っています。

今後の展望とメッセージをお願いいたします。

吉田智彦先生 世田谷リウマチ膠原病クリニック 新宿本院6

今はリウマチ治療薬が進歩していて専門的な治療を行えば、寛解できる疾患です。患者さんには、ご自身の希望を医師に伝えていただき、医師、メディカルスタッフは専門性の高い治療で、患者さんの夢や希望を諦めずに済むよう治療をしていきますので、何か気になる症状が出たらすぐに受診してください。当院では日常生活の中での痛みや体調変化を毎日チェックでき、電子カルテと連動したアプリを開発中で、近々実用化できる予定で、それらも活用しながら、ともに治療に取り組みます。いまは、同じ志の先生や施設と「世田谷リウマチ」のクリニック連携をつくっているところです。「世田谷リウマチ」を受診したらリウマチ・膠原病は寛解、完治をめざせる、そのような施設でありつづけますので、いつでもお問合せください。

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