口腔内の状態を知ることが
歯周病や虫歯予防につながる第一歩
ルートデンタルクリニック
(目黒区/目黒駅)
最終更新日:2024/12/25


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「歯周病には段階があり、その状態によって治療内容が変わってきます」。そう話すのは、歯周病の専門家である「ルートデンタルクリニック」の根本昂院長だ。歯周病の進行は大きく分けて4段階で、歯肉炎から軽度歯周炎、中等度歯周炎、そして重度歯周炎だ。歯茎に炎症を引き起こした状態から歯を支える歯槽骨が溶けた状態までのことだ。しかし、初期段階では自覚症状がほとんどない。そのため「静かなる病気」ともいわれ、症状がはっきりした時には手遅れであることも。最終的には歯がぐらつき、抜け落ちてしまう歯周病は、歯を失う原因のトップを占めている。でも、病名は耳にしたことがあるものの、身近に感じていない人も少なからずいるだろう。そこで今回、根本院長に歯周病を知るための入り口となる解説をしてもらった。
(取材日2024年11月21日)
目次
初期症状が非常に乏しい歯周病の予防は、まず口腔内の状況を把握するための受診が第一歩
- Q歯周病とはどのような病気ですか?
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A
▲患者が安心できるように、資料などを用いて丁寧に説明を行う
歯周炎は、歯茎からの出血が見られる状態の歯肉炎と、そこからさらに進行した歯の周りの骨が溶けていく歯周炎に分かれます。歯周病とは細菌感染による炎症で、その状態には段階があり、最終的には歯周組織が崩壊し歯が抜け落ちてしまう病気です。細菌感染の大きな原因は、歯と歯肉の境目に汚れがたまり、そこに多くの細菌が停滞してしまうこと。初期段階では、炎症によって歯茎が赤くなったり腫れたりしても痛みがほとんどありません。そのため状態が悪化していきます。膿が出たり、歯が揺れたりするなどの症状を感じた時にはすでに手遅れになることもあります。そういったことから「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれています。
- Q放置した場合のリスクを教えてください。
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A
▲早期発見、早期治療で歯周病のリスクを抑えることをめざす
放置すると状態がどんどん悪化していき、歯の周りの骨が溶けて歯の根っこの先端しか骨が残っていない状態になるため、歯が抜け落ちてしまうリスクが高まります。乳歯がぐらぐらして抜けそうな時をイメージしていただくとわかりやすいかもしれませんね。中には食事中にポロっと歯が取れた方もいらっしゃいます。歯周病は自覚症状に乏しいのがやっかいなところ。ただし、気づきのポイントがないわけではありません。歯が2日ほどしっかり磨けていない部分があると、歯茎に軽い腫れやわずかな出血が起こります。いわゆる歯肉炎を起こしている状態です。その段階で受診されれば、早期改善が見込めます。決してそのままにしないでいただきたいですね。
- Qこちらで実施されている歯周病治療について教えてください。
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A
▲正しいブラッシングの仕方を指導することに注力している
ブラッシング指導が基本です。これが非常に重要で、歯科医師や歯科衛生士が歯の汚れを除去しても、ご自宅での歯磨きが不十分だとすぐに元に戻り改善が見込めません。清潔な状態を維持するための歯磨きを習得することが歯周病治療の要であり、ブラッシング指導が治療のポイントです。しかしながら、最初はそれが治療であることにピンとこない方が多いんですね。まずは、患者さんの意識を変えることに注力します。歯磨きのスキルがある程度身についたら歯石や歯周ポケットにたまった汚れを除去し、菌の数を減らすことをめざします。それを繰り返しても改善が見込めない場合は、歯茎を切開して汚れの除去や歯の形を確認するための手術を行います。
- Q歯科衛生士さんとの連携も綿密に行っているそうですね。
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A
▲歯科医師・歯科衛生士が連携し患者をサポート
当院の歯科衛生士は非常にレベルが高く、歯科医師に治療に関する提案をしてくれたり、歯の磨き方で気になる点などがあればすぐに意見を求めてくれますし、適していると思う歯ブラシというものにも自分の考えを持ち、伝えてくれます。歯科医師に提案できるのは、連携を行う上でとても良いことだと思っています。また、歯石除去の途中や終了後には歯科医師が必ずチェックを行っています。歯科衛生士に任せっぱなしにしないこともご安心できる点ではないでしょうか。患者さんの口腔内の状態によって使用すべき歯磨き粉や歯ブラシの形、さらにフロスや歯間ブラシといった補助器具の種類も異なりますので、そのフォローも私たちがしっかりいたします。
- Q日常生活で気をつけるべきことはありますか?
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A
▲自宅での生活習慣と定期的なメンテナンスが大事
歯ブラシの使用は定着していますが、フロスや歯間ブラシなどを使用する意識はまだ低いように感じます。歯周病だけではなく、歯と歯の間から虫歯になることが多いため、そのようなトラブルを防ぐためにも毎日のセルフケアで、歯ブラシでは取り除ききれない部分の汚れを補助器具を用いて落とすことが大切です。しかし、ご自身ではどの箇所に汚れがたまりやすいのか、どの補助器具が適しているかなどはわかりづらいので、歯科クリニックでアドバイスしてもらうことをお勧めします。また、歯茎の腫れや軽い出血はセルフケアが不十分なサインです。そのままの歯磨きだと状態が進行していく可能性が高いですから、早めの受診を心がけてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは唾液検査/3300円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。