指定難病の炎症性腸疾患(IBD)は
大腸内視鏡検査で診断が可能
貫内科
(糟屋郡須惠町/新原駅)
最終更新日:2026/05/14
- 保険診療
特に思い当たることがないのに腹痛や下痢、血便が続いている。そんなときは、一度大腸の内視鏡検査を受けてほしいと「貫内科」の貫陽一郎(ぬき・よういちろう)院長は話す。潰瘍性大腸炎とクローン病を代表とする炎症性腸疾患(IBD)は、大腸や小腸に粘膜のただれが生じ、腹痛、下痢、血便が起こるのが特徴。多くの患者が10代後半から20代までに発症するものの、見過ごしがちな症状から診断や治療に至っていない人も多く、潜在的な患者が多数いるという。原因が解明されていない指定難病としても知られている炎症性腸疾患の研究や治療に長年取り組んできた貫院長は、開院後もその経験を生かし、症状に苦しむ患者を救うべく大腸内視鏡検査に力を注いでいる。そこで今回、炎症性腸疾患の特徴や検査の流れについて貫院長に解説してもらった。
(取材日2026年4月14日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q「炎症性腸疾患」とはどのような病気なのでしょうか?
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A
炎症性腸疾患というのは、腸に炎症が起こり腹痛や下痢などの症状が繰り返される病気の総称で、潰瘍性大腸炎とクローン病が代表的な病気になります。ともに原因がまだ解明されていない指定難病で、10代後半から20代が発症のピーク。症状としては、腹痛、下痢、血便、発熱などが挙げられます。潰瘍性大腸炎に関しては、約8割の方に血便が見られますので、血便をきっかけに受診される方も多いですね。ただ、腹痛や下痢というのは風邪や生活習慣などでも起こり得るものなので、血便の症状がない場合は見過ごされてしまいがちです。下痢や腹痛、そして血便を繰り返す場合は要注意。安心を得るためにも受診されてください。
- Q傾向としてどんな人がなりやすいのでしょう。
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A
まだ発症のメカニズムが解明されていない病気ではありますが、遺伝と環境が関わっているといわれています。例えば、ご家族にIBDの方がいる場合や、高脂肪食に偏った食生活の方などが挙げられます。もともと人種差が大きな病気で日本人は少なかったのですが、近年は食の欧米化の影響もあって、患者数は右肩上がりとなっており。数年前と比べるとかなり増えています。全国に30万人はいると推定されていますが、まだ受診に至っていない方や診断されていない方も含めると、かなりの患者数がいることは間違いないでしょう。ただ、腸の病気と聞くとストレスが原因と思われがちですが、発症との直接的な関係はないと考えられています。
- Q受診すべきタイミングを教えてください。
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A
下痢、腹痛、血便が一回起こったからといって炎症性腸疾患とは限りませんが、何らかの症状がある場合は放置せずに早めの受診を心がけてください。もし炎症性腸疾患だった場合、この病気は症状を繰り返すのが大きな特徴です。1ヵ月以上下痢や腹痛が続くといった場合は、即受診を。腹痛、下痢、血便、これらの症状が続くというのは普通ではありません。こういった症状がある場合には、診断のために大腸の内視鏡検査がとても大切です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診票やヒアリングによる確認
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まずは問診票に記入。看護師からも症状について詳しくヒアリングが行われる。その際に伝えるポイントは、「どんな症状であるか」「いつから症状が出ているか」「どのくらい続いているか」「以前も同じ症状があったか、その場合どのくらいの間隔でまた起きたか」など、具体的かつ詳細に伝えること。その後、医師の診察を受け、必要に応じて血液検査を実施。大腸内視鏡検査が必要となった場合は、検査の予約と詳しい説明を受ける。
- 2前日や当日の検査準備
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検査前日は検査食を取り、22時頃、もしくは就寝前に下剤を服用する。水分は普段どおり摂取してOK。当日は、大腸をきれいにするために検査時間の4時間前から下剤の服用を開始する。下剤は自宅での服用を基本としているが、希望者はクリニックで飲むことも可能とのこと。朝食を取らずにクリニックへ向かう。便が水便の状態になったら内視鏡検査に進む。
- 3大腸の内視鏡検査を開始
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必要に応じて、鎮静剤や鎮痛剤を投与し検査開始。内視鏡を肛門から挿入して大腸の粘膜を観察していく。色素や特殊な光を用いて詳細に観察し、場合によっては細胞を採取して病理検査を行うことも。ポリープが見つかった場合はその場で切除することも可能だ。ポリープの切除などがなければ検査は約15分程度で終わることが多く、長くても30分前後で終了。検査後は特に問題がなければ、すぐに飲水や食事を取ることができる。
- 4検査結果の説明
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鎮静剤を使用した場合は1時間ほどリカバリールームで休む。その後、医師より検査結果の説明を受ける。炎症性腸疾患に関しては見た目で判断がつくことが多いという。炎症性腸疾患は基本的に薬物療法を行うことから、症状がひどい場合はすぐに治療を開始するケースもある。炎症性腸疾患以外の病気が見つかる、もしくは疑われる場合も説明を受け、必要な治療が行われる。
- 5治療方針の決定と定期的な通院
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炎症性腸疾患の潰瘍性大腸炎とクローン病は指定難病で完治が難しく、薬物療法を行いながら病気とうまく付き合っていく必要がある。炎症性腸疾患と診断された場合、同院では病気の詳しい説明を行い、しっかり理解してもらうことから始めるそう。治療については、状態によって薬の量や受診間隔が異なるため、各患者に適した治療方針を決定。様子を見ながら薬の量なども調節していく。症状をうまくコントロールしていくことが重要。

