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目の不快感を取り除き生活の質向上へ
放置しがちなドライアイとは

いしだ眼科クリニック

(神戸市東灘区/御影駅)

最終更新日:2024/02/07

いしだ眼科クリニック 目の不快感を取り除き生活の質向上へ 放置しがちなドライアイとは いしだ眼科クリニック 目の不快感を取り除き生活の質向上へ 放置しがちなドライアイとは
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日本国内に数千万人以上いると推測される眼疾患「ドライアイ」。加齢やパソコン・スマホの注視、季節などの環境、免疫疾患からくる症状など、さまざまな原因が考えられる病気だ。老若男女が悩まされているドライアイだが、その自覚症状には強い不快感こそあれ、失明に至るような危険性はないとされるため、ついつい放置したり市販薬で済ませたりと眼科受診に至らないケースも少なくない。しかし放っておくと視力が低下したり、合わない市販薬を使うことで症状が悪化したりすることもあるという。身近だけれど、実はあまり知られていないドライアイという病気について、「いしだ眼科クリニック」の石田和寛院長に解説してもらった。

(取材日2023年12月28日)

目の乾きやショボショボ、ゴロゴロ感、多量の涙……放置しがちなドライアイを治療して、QOLの改善へ

Qドライアイとはどのような状態のことをいうのでしょうか。
A
いしだ眼科クリニック 日本専門医機構眼科専門医の院長が診療を行う

▲日本専門医機構眼科専門医の院長が診療を行う

ドライアイとは、涙の量が不足して目の表面を傷つけてしまうことがある病気です。正常な目の表面には涙の層があり、水分が蒸発しないよう最表面は薄い油の層で覆われていますが、ドライアイになるとその状態が乱れてしまいます。これは、涙の中の水分や油分が不足したり、涙を目の表面に保つ働きのあるムチンという成分が減少することによると考えられています。このほかにも結膜がダブついて涙をためる場所が埋まってしまうことなどによって、ドライアイの症状が増悪することがあります。

Qなぜドライアイになってしまうのでしょうか。
A
いしだ眼科クリニック 患者に寄り添った丁寧でわかりやすい説明を心がける院長

▲患者に寄り添った丁寧でわかりやすい説明を心がける院長

加齢により涙の分泌量が減少するため、高齢の方はドライアイになりやすい傾向があるといえますが、近年は若い方でもドライアイを訴える方が増えています。目は瞬きによって涙を一定量に維持し、それを繰り返すことで目を清潔に保ちますが、最近はパソコンやスマホなどを注視することが多く、瞬きが減って目が乾いてしまうことも理由の一つです。またストレスも原因になるとも言われています。空気が乾燥しやすい冬に加え、夏でも冷房の風が当たることによって目が乾くなど、季節的な要因でドライアイの症状に悩まされる方も少なくありません。就寝中は目を閉じているため、寝起きは目の調子が良く、昼・夜に向かって症状が出る方もいます。

Qドライアイを放置するとどのようなリスクがありますか?
A
いしだ眼科クリニック 落ち着いた雰囲気の院内は患者の緊張を和らげる

▲落ち着いた雰囲気の院内は患者の緊張を和らげる

ドライアイの症状そのものには、失明に至るような危険性は高くありません。しかし目が乾き、常に角膜に傷がついた状態になることで、濁りが出て視力が低下する可能性もあります。その際の傷は浅いため、ひどく悪化しない限りは痛みまでは感じにくいのですが、放置しておくと広範囲に傷が広がっていくこともあるため注意が必要です。ドライアイは自覚症状の出やすい病気のため、治療をせず放置することで、目の中がゴロゴロする、目が疲れやすい、目がショボショボする、涙がたくさん出て目が潤み続けるなど、常に目の不快感を抱えることで、生活の質が下がってしまうことが考えられます。

Q市販薬での対処ではなく、受診したほうがいいのでしょうか?
A
いしだ眼科クリニック 院内はバリアフリーとなっており、幅広い世代に優しい

▲院内はバリアフリーとなっており、幅広い世代に優しい

人工涙液(涙の成分の点眼薬)や、かつては処方薬であったものも最近では市販され誰でも購入することができます。しかし、ドライアイになる原因は人それぞれで、場合によっては従来のお薬を使用することで角膜に傷がついてしまうこともあります。治療効果が見込める新しいタイプのお薬は市販されておらず、医療機関での処方でしか手にすることはできません。そのため、まずは眼科を受診し検査をしてから治療薬を選ばないと、目の状態が悪化してしまう方も出てきてしまう可能性があります。先ほど申し上げたとおり、角膜に傷がついても痛みなどの強い自覚症状が乏しいため、定期的に通院し、検査を受けていただいたほうが安心です。

Qこちらのクリニックでの検査・治療について教えてください。
A
いしだ眼科クリニック 患者一人ひとりに合った治療を行うためさまざまな検査を行う

▲患者一人ひとりに合った治療を行うためさまざまな検査を行う

角膜・結膜に色素をつけて傷の有無や乾き方などを調べる角結膜生体染色検査や、目の周りにたまっている涙液量を測るシルマー試験、瞬きを止めて目を開けたままの状態で涙の層が破壊される時間を調べる検査などを行い、その数値を総合的に判断します。ドライアイと診断されれば、一般的には点眼薬を用いた治療がメインとなり、初めのうちは月1回程度、通院していただくのが理想です。症状が安定してくれば、通院頻度は下げることができると考えます。シェーグレン症候群などそもそも涙が出にくい病気など、点眼では改善が困難な場合には、涙の排出口に栓を挿入して涙を目の表面にためやすくするための涙点プラグによる治療も検討します。

ドクターからのメッセージ

石田 和寛院長

ドライアイの場合、何も感じないという人はおらず、必ず何らかの自覚症状があると考えられます。目が疲れやすい、夕方になると目がショボショボする、時に涙がたくさん出るなどがその典型的な症状です。現在のような概念がなかった頃は、ドライアイは「眼精疲労」と診断され、その対処にビタミン剤が用いられていました。現在も眼科以外の先生から当時と同じお薬を処方されて使用されている方もいらっしゃいます。昔の「眼精疲労」のお薬は、長時間効果の持続が望めるお薬ではありません。お薬が効かない、一日中調子が悪いなどあれば、まずは一度眼科を受診して検査を受けていただければと思います。

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