症状も治療も十人十色だから
てんかんの相談は専門家に
横浜こころと脳波・てんかんのクリニック
(横浜市南区/阪東橋駅)
最終更新日:2026/07/15
- 保険診療
脳の神経細胞が異常に興奮することで、意識障害やけいれんなど多彩な発作を繰り返すてんかん。発症率は全人口の0.8%程度とされ、決して稀ではないが、症状の現れ方が多岐にわたるうえ、大人になってから発症するケースもあり、正しく理解されていないことも多い。てんかんは発症初期にどれだけ正確な診断を受け、適切な治療方針を立てられるかが、その後の生活の質を大きく左右する。しかし、専門的に診療できる医療機関は限られており、相談先に迷う患者や医療機関も少なくない。「横浜こころと脳波・てんかんのクリニック」では、原恵子院長と渡邊さつき先生の2人の女性医師が、患者一人ひとりの症状や生活背景に寄り添いながら治療方針を提案している。てんかんへの正しい理解を深め、適切な受診につなげるための情報を2人に聞いた。
(取材日2026年7月2日)
目次
ライフイベントを諦めない。女性医師と見つける、自分らしく生きるためのてんかん治療
- Qてんかんとはどのような病気なのですか。
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A
▲てんかん診断に必須の脳波検査を院内で受けられる
【原院長】てんかんは、脳が原因で短時間の発作を繰り返す病気です。脳の病気なので、人によってこころの不調や記憶の問題が現れることもあります。発作はけいれんに限らず、突然倒れる、突っ張る、ぼーっとする、急に気持ち悪くなる、痛みやしびれが出る、睡眠中に暴れるなど多様。本人がいわゆる前兆症状に気づくこともあれば、周囲から見て初めて分かる方もいます。共通するのは、比較的短時間で終わることと、一人の方では毎回同じ症状が出ることです。
【渡邊先生】稀な症状ではてんかんの診断につながりづらいことも。典型的な症状から珍しい症状まで幅広く経験した、専門性をもつ医師に相談することをおすすめします。
- Qライフイベントへの影響はあるのでしょうか。
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A
▲抗てんかん薬の血中濃度と安全性を血液検査で確認
【原院長】多くの方は服薬で発作のコントロールを図りながら、希望する社会活動を行っています。実際は、発作のタイプや頻度、社会的状況などから、「できること」と「避けた方が良いこと」を個別に判断します。発作が2年以上なければ、医師の診断書をもとに運転免許の取得・更新も可能とされており、治療を続けるモチベーションにもつながっているようです。
【渡邊先生】多くの女性の方が問題なく出産しこどもを育てています。治療開始時から、発作を止めつつ将来子どもをもてることをめざして薬を選び、薬の調整が必要な場合は妊娠前に終わらせます。当院は女性医師が診療していますので、相談しやすいのではないでしょうか。
- Qてんかんの疑いがある場合、何科に相談すれば良いですか。
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A
▲診療の際は、院長自ら診察室を出て患者を迎える
【渡邊先生】お子さんの場合は小児科が窓口です。高校生以降では脳神経内科、脳神経外科、精神科の3つの科がてんかんの診療を担っています。ただし、これらの科であれば必ずてんかんを診てもらえるとは限らず、専門としている先生は少ないのが実情です。受診前にてんかんの診療を行っているか問い合わせると良いでしょう。
【原院長】近くに専門の医師が見つからない場合や、なかなか発作が治らない場合は、少し遠方でも一度専門の医師に相談されることをおすすめします。数回通院いただき診断や治療方針を整理し、その後はかかりつけの先生と連携しながら診る形も可能です。近くにないからと諦めず、まずはご相談いただければと思います。
- Qどんな症状があった場合に相談するべきですか。
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A
▲日常の様子が、てんかんの診断のカギになることも
【渡邊先生】短時間の症状を繰り返していて、原因や診断がはっきりしない方、1回でもけいれんがあった場合は受診をご検討ください。けいれんに至っていなくても、ぼーっとする、手が勝手に動くといった症状を繰り返している場合は、小さなてんかん発作である可能性があります。大きな発作に至る前に薬でコントロールを図ることが肝心です。
【原院長】治療で発作がなかなか止まらない方、薬の減量や中止を希望される方も一度ご相談いただければと思います。妊娠を希望される場合も同様です。てんかん薬は一生飲み続けるべきものと思っている方も多いようですが、慎重な判断をした上で、減らしたりやめたりできることもあります。
- Qてんかんと診断された時に日常生活で気をつけるべきことは?
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A
▲患者のよりよい人生のために、力を合わせて尽力する
【渡邊先生】最後の発作からの期間とどんな発作かにより、生活で気をつけることは変わります。共通して大切なのは、極端な寝不足や深酒などの不摂生を避けることです。睡眠不足は発作の誘因になりやすいため、日付が変わる前には休んでいただくようお伝えしています。
【原院長】スポーツについては基本的に健康維持のために続けていただきたいと考えていますが、意識を失う発作が残っている場合は、ダイビングや登山など万一の際に重大な事態につながりやすい活動は控えていただくことがあります。何もかも制限するのではなく、できることと注意が必要なことを見極めながら、患者さんと一緒に考えていく姿勢を大切にしています。

