個人の医療データを蓄積して
病気の人生手帳をつくるかかりつけ医
下高井戸内科医院
(世田谷区/下高井戸駅)
最終更新日:2023/01/12


- 保険診療
風邪をひいた、おなかが痛いなど、さまざまな不調を感じた際、クリニックを受診する人はどれほどいるのだろうか。中には「これくらいでクリニックに相談するのは大げさではないか」と遠慮して、市販薬に頼るケースもあるだろう。しかし身近な症状であったとしても命に関わる場合があり、日頃から気軽に相談できるかかりつけ医をつくることが重要だ。「下高井戸内科医院」はどんな症状であっても相談できるように、あえてクリニック名に詳しい診療科目を入れず受診ハードルを下げているのだという。武本和也院長は「かかりつけ医を難しく考える必要はなく、1回でも受診してつながりができればかかりつけ医という認識で問題ない」と話している。今回はそんな武本院長にかかりつけ医を持つメリットなどについて詳しく話を聞いた。
(取材日2022年12月23日)
目次
一度でも受診すればかかりつけ医。気軽に相談することで病気の早期発見につなげる
- Q些細な悩みでもクリニックに相談して良いものなのでしょうか?
-
A
▲穏やかな口調でわかりやすく説明してくれる院長
どんなことであっても気軽に相談していただいて構いません。当クリニックはそのためにあえて専門性をうたっていませんし、なるべくどんな相談であっても対応するスタンスで診療を行ってきました。若い方は病気になりにくく、また判断力や行動力がありスマートフォンなどさまざまなデバイスを活用することで、軽微な症状であれば市販薬を使い自己解決することも否定するものではありません。一方、高齢の方はやはり心配になればクリニックを受診される場合が多いのは事実。気になることを話すだけで落ち着かれる方もいらっしゃいますので、今日はどうしたの? どこか具合が悪いの?と、どんな些細な悩み事でも受け止めるようにしています。
- Q具体的にはどのような症状で受診する人が多いのですか?
-
A
▲患者の話をよく聞き、相談しやすい雰囲気での診療を心がける
風邪をひいたなど突発的な症状で受診される方が多いですね。喉が痛い、咳が止まらない、ほかのクリニックを受診して良くなってきたけど咳だけが残っているなど、感染症に関する相談が中心です。中には「昨日くしゃみが3回出た」と言って来られる方もいますが、それでもまったく問題ありませんよ。また足が痛い、目が痛い、耳の調子がおかしいなど、内科以外の相談でいらっしゃる方もいます。もちろん当クリニックで診察できることは対応しますが、専門外であったとしてもきちんと患者さんと顔を合わせた上でほかのクリニックを紹介するようにしています。そうした相談窓口として利用していただいても構わないと思っています。
- Q放置すると良くない症状や、相談から見つかる疾患もありますか?
-
A
▲些細な相談から専門的な悩みまで幅広く対応してもらえる
例えば、内科疾患で受診した患者さんが、階段を登ると動悸がするというので専門的な検査をすると、狭心症の発作を起こしていた、といったような病気の偶発的な発見はままありますが、気をつけていただきたいのは再現性のある症状。単なるくしゃみだったら気にする必要はありませんが、何度も続くようであれば花粉症などのアレルギー性疾患が疑われます。ですから動悸を繰り返す、頭痛を繰り返すなどの際は受診のタイミングだと捉えても良いでしょう。また胸痛は異常事態。心臓や肺など臓器に異常が起きている可能性があるため、受診することをお勧めします。
- Qかかりつけ医を持つメリットについて教えてください。
-
A
▲地域住民のかかりつけ医として頼れる存在
患者さんの情報が蓄積できることでしょうか。アレルギーや既往歴、入院歴はもちろん、飲酒習慣や喫煙の有無、妊娠歴など、それだけでは単なる個人情報ですが、かかりつけ医を利用することで病気や薬の情報が蓄積されます。そうして一人ひとりの病気の人生手帳が出来上がっていきます。それがあれば大病をしたときに非常に有用なデータになり、長年かかっている症状で医師も小さな異変に気づけるようになります。性格がわかれば、さりげない一言であっても病気の発見につながりますからね。親しくなったとしても相談しづらいことはあるので、普段との違いから病気を拾っていくというのはかかりつけ医でなければ難しいかもしれません。
- Q受診する際に準備しておくと良いことはありますか?
-
A
▲困ったことがあれば気軽に受診してほしいという
基本的には保険証だけ持って来ていただければ大丈夫です。受診にあたって構える必要はありません。ですが現在飲んでいる薬などを受診の際に準備していただければ、今後の治療を考える時に役立ちます。あとアレルギーは命に関わる場合があるので、しっかりと伝えてください。患者さんはクリニックを受診すると時間制限があると思っているケースが多く、症状などを焦って伝え忘れることがありますが、ゆっくりで構いませんので困っていることはすべてお話しください。咳が出て困っているとお聞きすれば、どれくらい続いているのか、痰が絡むのかなど、診断や治療に必要な話に関してはこちらから質問しますので、心配し過ぎず気軽に受診ください。