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武本 和也 院長の独自取材記事

下高井戸内科医院

(世田谷区/下高井戸駅)

最終更新日:2022/09/16

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京王線下高井戸駅より徒歩2分。公園通りの活気ある商店街の中にある「下高井戸内科医院」は、武本和也院長が診療を行うクリニックだ。地域住民のかかりつけ医としての役割を持ち、多くの患者に愛されている。院内は清潔感があり優しいグリーンに統一されている。長く循環器を専門としてきたが、開業後はあえてそれを出さず、患者のさまざまな症状について相談に乗っている。「自ら垣根をつくらない診療が私のモットーです」。クリニックの沿革から診療に至るまで、数多くのエピソードをユーモアを交えながら話す武本院長。地域医療のあるべき姿とはどのようなものなのか、余すことなく話を聞いた。

(取材日2022年8月26日)

地域住民からの信頼が厚かった父の存在は大きい

この場所でお父さまが耳鼻咽喉科を開業していたそうですね。

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そうなんです。少し駅寄りのビルの2階に、1980年に父が「下高井戸耳鼻咽喉科」を開業しました。その後、1991年にここの土地を購入して移転し、私が医学部に入学した1998年に法人化しました。父が引退した2021年、同じ場所に私が「下高井戸内科医院」を開業したわけです。院内のカラーは、妻のアイデアが生かされています。私が一番好きな緑を基調に、待合室の椅子やカーテン、ドアなどの色を統一しました。クリニックのシンボルマークのラッコも、私が循環器を専門にしていたので、貝の代わりにハートを持たせ、院内カラーのグリーンを配しました。父の頃よりも患者さんのプライバシーに配慮する必要があるため、診察室を仕切り、その分、待合室がコンパクトになったので色味を持たせて明るくしています。

お父さまの頃から通われていたという患者さんも多いのではないですか?

患者さんの中には、赤ん坊の頃から受診していたとか、家族3世代にわたって受診していたとか、長年通っていただいている方が多いですね。私から見ても、父は相当腕が良かったと思います。私がいた循環器内科は、針を血管に刺すことにかけては得意な科なのですが、父はその上をいっていました。研修医の頃、扁桃腺が腫れて父が点滴をしてくれたのですが、普通なら、患者さんに声をかけながら、腕を縛って、血管を確かめて、刺し入れ部位を丁寧に探してから針を刺しますよね。父はとにかく手早くて、そこに座れと指示を出し、片手で点滴の袋をスタンドにかけながら、もう片方の手で私の腕にあっという間に針を刺しました。この鮮やかさには驚きました。父を知る他の耳鼻咽喉科の先生も父のことを褒めていました。開業して改めて父のすごさを知りましたね。

待合室におもちゃが置いてありますが、お子さんも受診するのですか?

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これは、子育て中も親御さんが受診する際、お子さんが退屈しないように置いてあります。私も経験があるのでわかりますが、子育て中の親御さんは、どこへ行くにもお子さんから目が離せませんよね。そんな親御さんたちが安心して受診できるように、診察室内にもベビーバウンサーが置いてあります。買い物一つでも本当に大変な親御さんたちが、周囲に気兼ねなく受診できるよう、スタッフたちにも手助けしていこうと話しています。さらに、今後は一部の薬の院内処方も考えています。現在は、処方箋を出して患者さんが薬局で薬を受け取るかたちですが、小さいお子さんがいる親御さんたちには立ち寄る場所が増えると負担になります。院内で処方できれば、薬局に行く手間が省けますからね。

開業医として、専門に縛られず診療できることが理想

先生は循環器をご専門にされていたそうですが、循環器は高齢の患者さんが多いのでしょうか?

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基本的に高齢の方が多いですね。循環器は心臓などの循環器とその周辺領域の診療も含むので、糖尿病などの生活習慣病の管理も行います。そのため、どうしてもご高齢の方が多くなります。ただ、当院は、あえて医院名に循環器という言葉をいれませんでした。確かに私は循環器内科を専門としてきましたが、実は、地域の患者さんが一番困っているのは、「この症状は何科に行けばいいのだろう」ということだと思うのです。循環器内科と明記してしまうと壁をつくってしまうかなと思ったので、患者さんが相談しやすいよう、あえて何も書いていません。専門性をうたうのではなく、地域の中で自分の特技を生かした診療を行っていきたいと思っています。ですから理想は「あの先生の所に行けば何でも診てくれる。でもあの先生が何科の先生なのかは知らない」と言われることです(笑)。

何でも相談できる窓口的な存在であり、必要に応じて他の医療機関を紹介する流れですね。

そうです。ただ、他院に紹介する際も、ある程度の検査が必要です。院内では、心電図検査やエックス線、血液検査の一部ができる体制になっています。患者さんが相談に来たら、まず当院で精査をして重症度の判定を行い、必要があれば大きな医療機関を紹介する流れになります。ただ、中には遠くの医療機関よりも近隣の診療所のほうがいいという患者さんもいます。地域には私の信頼している先生も多くいるので、できる限り患者さんの希望に沿った医療機関を紹介するようにしています。

患者さんと接するときに心がけていることは何ですか?

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患者さんの話にしっかりと耳を傾けるようにしています。ただ、診療時間は無限ではないので、要点を踏まえて話を聞かなければいけないのですが、一見、治療とは関係のなさそうなことでも、実は、すごく大事なことが隠れていることがあります。ですから、患者さんの話をしっかりと聞き「あ、これはさらに聞いたほうがいいな」ということは、時間をかけて聞くようにしています。そうなると、次の方をお待たせしてしまうことにもなり、申し訳ないのですが、ご理解いただけるとうれしいです。

仲間がいたから、つらい時期も乗り越えられた

医師になろうと思ったのは、やはりお父さまの影響が大きかったのでしょうか?

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大きかったですね。子どもの頃から父の治療を見ていたので「医者ってかっこいいな」と漠然と憧れ、自然と医師をめざすようになりました。最初は父と同じ耳鼻咽喉科をやろうと思っていましたが、ローテーションで回った循環器内科で衝撃を受けました。目の前に心臓が止まりそうな患者さんがいた時、スタッフは大声で会話しているし、走っているしで。それがかっこよく見えて、同時に、この環境で働けたら成長するなと思いました。命と直接向き合い、不整脈や心筋梗塞などの専門性もあり、結果が目に見えてわかりやすい。ただ、とにかくきつくて、ほかの研修医からも敬遠され、4年ほど後輩が入ってきませんでした(笑)。乗り切れたのは、同僚であり友人であった仲間の存在でした。今でも付き合いがあり、開業時もみんな来てくれました。「あの頃は大変だったよな」とか当時を思い出して話すこともよくあります(笑)。今となってはいい思い出ですね。

日々、お忙しいでしょうが、趣味にしていることはありますか?

もともと趣味はあまりないのですが、深海魚などの生き物が好きなので、図鑑を見るのが大好きです。子どもが4歳なので、面倒を見つつ一緒に図鑑を見たり水族館に行ったり、自分の趣味を子どもと共有しています。例えば、サメだけの図鑑を買ってきて、子どもとサメのマニアックな話をしたり。ですから、子どもも魚に詳しいですよ。私の父がとにかく図鑑を買う人だったので、その頃見た生き物は今でも覚えていますし、ページのどこに記載があったかも覚えています。子どもにもいろいろと興味を持ってもらいたいので、今は図鑑を買ってあげていますが、小学生になったら光学式の天体望遠鏡、その次は顕微鏡を考えています。

最後に、地域の皆さんや患者さんへのメッセージをお願いします。

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気になる症状は、何でも気軽にご相談ください。何が得意とか、これが売りというクリニックではなく、困ったことを何でも相談できるクリニックにしたいと思っていますし、話しやすい雰囲気づくりに心を砕いているつもりです。下高井戸は、私が生まれ育った場所です。商店街も活気があって何でもそろうし、おいしい食べ物屋さんも多いので、買い物ついでにお寄りください。当院のホームページには、事前の問診票とは別に、受診するべきか悩んでいる方のために、気になる症状から受診の目安がチェックできるシステムがあります。それを試してもらってもいいですし、面倒な場合は直接受診してもらっても構いません。いずれは、訪問診療部門、オンライン診療部門をつくり、それぞれに医師を配置して、近隣の医療機関とも協力しながら地域医療に貢献していきたいと考えています。

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