山本 真志 院長の独自取材記事
さがなかの歯医者さん やまもと
(木津川市/高の原駅)
最終更新日:2024/10/09
近鉄京都線・高の原駅から徒歩12分ほどの場所にある、「さがなかの歯医者さん やまもと」は山本真志院長が2022年に開業したクリニックだ。山本院長は患者の喜ぶ様子にやりがいを覚えると話しながら、どこか気恥ずかしそうに笑う穏やかな歯科医師だ。とにかく患者の話に耳を傾け、山本院長自身も説明を惜しまない姿勢で診療を行っている。2024年内には2階の増床を計画中だという。そんな山本院長に、診療への思いや自費診療の特徴、副院長による小児歯科についてなど、たっぷり話を聞いた。
(取材日2024年9月19日)
患者に向き合い、会話することで不安を取り除きたい
地域の印象や患者層について教えてください。
もともと父がここでクリニックをやっていて、そこを一旦閉じた後に開業したのが当院です。僕自身は橿原市の出身で、大学以降は17年ほど関東にいましたので、正直なところ、開業当時は木津川市はなじみのない土地でした。「木津川市の人全員のお口の中を健康にする」という思いで開業して、あっという間に3周年を迎えます。この周辺は新興住宅地で、思っていた以上にファミリー層が多く、当院にも生まれて間もないお子さんから高齢者の方まで、幅広い年齢層の方にお越しいただいています。特に多いのは、お子さんのいる20~50代の女性ですね。
どんなクリニックをめざして開業されたのでしょうか?
めざしたのは、治療だけでなく「話をすること」も大切にすることです。僕自身も、美容院やお店に行った時にサクサクと進むのはありがたいのですが、一方で簡潔に終わってしまう分、言いたいことが言えるようで言えないなという気持ちを抱えてしまう。お店の方は説明をしてくださいますが、聞いてみたいことがあっても流れ的に口に出しづらい……。僕ですらそう思うので、患者さんもクリニックで治療への疑問や不安、自分が今こう思っているという話をもっと聞いてほしいんじゃないかなと考えるようになったんです。例えば、お話を伺っているうちに、虫歯で来院されたけど、一番気になっているのは歯の汚れだったというように、ご自身でも気づかなかった望みが見えてくることもあります。僕自身も治療についてしっかり説明しますし、患者さんには安心していただきたいんです。まずはお互いの心のシャッターを外して、希望をすり合わせることを心がけています。
先生が歯科医師を志したきっかけについて教えてください。
僕の家は父も兄も歯科医師なんですが、実はまったくといって良いほど「歯科医師になれ」と言われたことがないんです(笑)。学生時代は良くも悪くも将来の道筋が見えなくて、結果的に一浪して歯学部に入りました。歯科医師になろうと決めたのは、進路に迷っていた時に父の仕事を見に行ったことがきっかけです。それまでまったく知らなかったんですけど、父はずっと患者さんのお話を聞いていたんです。治療には直接関係ない話だったとしても、うんうんと耳を傾けているような。そんな父の姿を見て、気軽に話せる歯科医師っていいな、と思うようになりました。今思えば、話をするスタンスは父の影響を受けているのかもしれません。実際に歯科医師をめざしてからは、患者さんに喜んでいただけることがうれしくて。こう話すとちょっと恥ずかしいんですが、きちんと治療を提供した上で、患者さんに感謝される歯科医師でありたいと考えています。
長期的な歯の健康のために、自費診療という選択肢
先生の診療方針について教えてください。
僕の診療方針は、自分の歯で食べていけるように生まれ持った歯を残していくことを大切にしています。「ミニマル・インターベンション」と言うのですが、何でも残せばいいというわけではなく、本当に悪くなっている部分だけを削って治療するという考えです。歯は生まれつきあるものなので、お若いとイメージしづらいことですが、僕はこれまで「あの時ちゃんと歯科医院に通っておけば良かった」と後悔している方をたくさん見てきているんです。自分の歯で噛んで好きなものを食べられることが自分の満足度にもつながりますし、歯の健康は全身の健康も左右します。お口の機能を保つためには、生まれ持った歯に勝るものはありません。ステージ1で見つかるのとステージ3で見つかるのではがんの治療が異なるように、長く健康で過ごす予防のためにも、早い段階から治療をして、できるだけ自分の歯を残せる治療を提案しています。
予防を重視する中で、特に注力している治療は何でしょう?
僕が今注力しているのは、セラミックによる詰め物・かぶせ物ですね。保険治療だと金属やレジンを使用しますが、最初はフィットしても徐々に歯との隙間ができやすく、二次カリエス(虫歯)になってしまう場合があります。せっかく治療したのに虫歯になると、また削って治療することをくり返すので、どんどん元の歯が失われていきます。その点、セラミックは変形しにくいので虫歯の再発防止にもつながります。セラミックは金属不使用ですのでアレルギーの心配もなく、必要最低限だけ削ってセラミックをかぶせるので、天然歯も守っていけます。実は、僕自身も銀歯で二次カリエスになって、セラミックに変えた一人なんです。当院では、僕がこれは良いと思えるセラミックだけを使用して、自費専門の歯科技工所で詰め物を作っています。患者さんのご希望に合わせてご提案しますので、ご安心ください。
自費診療になることで、悩まれる患者さんも多いと思います。
自費診療というと、高くて審美的なものというイメージが先行しがちですが、いたずらに高いわけではなく、きちんとした理由があります。大きな金額を出すことで悩まれる方も多いですが、自費診療は長い目で健康を考えた時に、大きなメリットがある選択肢です。とはいえ、当院ではあくまで選択肢の一つとして自費診療を提案していて、患者さんに押しつけることはしません。患者さんの抱える不安や疑問について丁寧に説明しますが、その上で自費か保険どちらを選ぶかは患者さんの自由です。当院は歯を残すための治療を行いますが、歯を残しきれない場合にはインプラントのご提案もしています。インプラントは周囲の健康な歯はほぼ削らずに欠損した箇所にだけ行う治療ですので、周囲の歯を守ることにつながります。この先の人生で、できるだけ長く健康で食事を楽しむために、自費診療を選択肢に加えてみていただければ幸いです。
地域全体を健康にできるクリニックをめざして
クリニックでは、小児歯科も診てもらえるのですね。
このエリアが京都の中でも子育てしやすい地域であることもあって、小児歯科のニーズはとても高いですね。副院長である妻は小児歯科が専門なので、虫歯などの治療から自費の小児矯正まで対応できるのが強みです。今は昔と違って食べ物がやわらかいこともあり、顎が小さく歯並びが崩れやすいお子さんが増えています。矯正をすることで歯磨きがしやすくなれば虫歯予防にもなりますし、食事や発音、全身の機能を整えることにもつながります。幼い頃からクリニックで歯並びを改善を図ることがお子さんの健やかな成長につながりますので、まずはお気軽にご相談ください。
2024年内に増床を計画中と伺いました。
最近は少し落ち着いてきましたが、一時期は予約が取りづらくなってしまっていました。ユニット2台だけだと対応できる患者数にも限りがありますので、2階のリフォームを計画しています。2階は自費診療専用の場所にするなど、用途を分けてもいいかと考えています。木津川市の皆さんの健康を支えたいという気持ちでスタートしましたので、ゆくゆくはもっとたくさんの患者さんにお越しいただけるよう、少しずつ体制を整えていきたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
ありがたいことに、現在当院は予約が取りづらい状況で、せっかく診療を希望してくださっている方がいるのにと心苦しく思っています。多少お待たせはしてしまうのですが、お越しいただければ誠実に対応させていただきますし、患者さんと二人で意見をすり合わせていきながら、一番良い道を探していけたらと思っています。すぐに診療が終わるクリニックにも良さがありますが、じっくり話すことで隠れていた悩みやご自身でも気づかなかった望みに気づかれることもあります。当院は、患者さんお一人お一人のお口の状態とご希望に合わせて、一緒に治療計画を立てていけるクリニックです。歯のことでお悩みでしたら、当院を検討していただけるとうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/7万2000円、インプラント1次オペ(1本につき)/22万円、インプラント2次オペ(1本につき)5万5000円、小児矯正/38万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。