大腸肛門病学の専門性を生かし
安全にも配慮した大腸内視鏡検査
金沢文庫消化器クリニック
(横浜市金沢区/金沢文庫駅)
最終更新日:2025/02/06


- 保険診療
国内において、大腸がんで亡くなる人は多い。ポリープや初期段階では自覚症状がないことも多く、知らないうちに進行することもある。だが「金沢文庫消化器クリニック」の大田貢由院長によると、大腸がんは予防も望める病気なのだという。そのために有用なのが大腸内視鏡検査。日本消化器外科学会消化器外科専門医で日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医でもある大田院長は、大腸内視鏡検査を「診断や治療だけでなく、病気になる前の予防にもつながる検査」だと話す。便秘や下痢などの便通異常が続いた場合や、便潜血で陽性になった場合はもちろん、何も症状がなくても「40歳」が検査を受ける一つの目安だ。麻酔科医師の監督のもと安全にも配慮しているという同院の大腸内視鏡検査について、大田院長にその特徴や流れを聞いた。
(取材日2024年1月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査はどのような方が受けるべきでしょうか?
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A
40歳を過ぎたら、症状の有無に関わらず大腸内視鏡検査を受けてほしいと思います。というのも、検査の大きな目的は大腸がん・大腸ポリープの早期発見なのですが、ポリープや初期の大腸がんは便潜血検査に引っかからなかったり、無症状のケースも多いからです。便秘や下痢などの便通異常が続いた場合や、便潜血で陽性になった場合はもちろんのこと、ご家族に大腸がんの方がいらっしゃる場合や、40歳を過ぎた場合は何もなくても大腸内視鏡検査を受けましょう。検査の頻度は症状により医師から提案いたしますが、ポリープは多発しやすいことがわかっており、1度見つかった場合にはその後も1~2年ごとの検査をお勧めしています。
- Q痛みなど、検査に対して不安があります。
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A
検査時の痛みに不安を感じる方もいらっしゃいますが、患者さんの苦痛を最小限にするため、鎮静剤を使用する方法もあります。ただし鎮静剤を使用する際は、その方の年齢や全身状態に合わせた管理が必要。当院では麻酔科の医師の監督のもと、適切な作用の維持や呼吸管理など安全に配慮して、苦痛の少ない検査を心がけています。また初めての方も安心して検査を受けられるように、流れをイメージできるようなわかりやすい事前説明を心がけ、メッセージアプリからも質問を受けつけています。下剤はご自宅でも院内でも服用可能で、院内はやわらかな照明のゆったりとした造りです。リラックスして検査を受けていただけるかと思います。
- Q先生の専門性についても教えてください。
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A
私は大腸肛門病学を専門とし、日本消化器外科学会の消化器外科専門医・評議員、日本大腸肛門病学会の大腸肛門病専門医・評議員でもあります。これまで数多くの大腸内視鏡検査を行ってきましたし、大腸ポリープの切除術や胃と大腸の同日検査なども含め、精度の高い検査を提供できると自負しています。大腸の病気は大腸がんだけでなく、内視鏡検査を受けることで潰瘍性大腸炎やクローン病の発見につながることもありますし、器質的疾患がないことを確認して過敏性腸症候群の診断に至ることもありますね。また大腸ではなく肛門の病気だったというケースもあるのですが、大腸も肛門も含めてしっかりと症状を見極めています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初回受診後に内視鏡検査を予約
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初診では全身の状態や排便状況を確認。医師の診断に基づき内視鏡検査の実施が決まったら、事前説明に進む。食事制限や下剤の飲み方、大腸ポリープが発見された際の切除術についても説明があり、予定に合わせて検査日を予約。もし帰宅後に疑問が生じた場合にはメッセージアプリから質問が可能だ。検査前には服用中の薬の確認があるため、お薬手帳を持っている場合には持参を。
- 2検査前の準備
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検査前日の夕食は消化が良く大腸に残りにくいものを選び、21時までに済ませる。夕食後から就寝前にかけては必要に応じて下剤を服用。常用している薬については検査予約時に指示がある。当日は1~2リットルの下剤を自宅もしくは院内で服用し、数回の排便ののちに便の性状が透明で黄色の水様になれば検査に適した状態となる。
- 3内視鏡検査を実施
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検査着に着替えたらストレッチャーへ横になり、点滴をしながら鎮静剤を注射。同院では麻酔科の医師の監督のもと、適切な作用の維持や呼吸管理など、安全に配慮して苦痛の少ない検査の実施に努めている。検査時間は20分程度。ポリープが見つかった際は大腸ポリープ切除術の処置を行う。
- 4リカバリールームで休憩
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検査後はストレッチャーで横になったままリカバリールームへ移動。同院では緊急時でも即座に対応できるよう、検査室やリカバリールームの動線を考えた院内設計となっている。およそ10~20分の休憩中は看護師が随時様子見を行い、問題がなければ検査結果の説明に進む。なお、麻酔が切れた後も当日は車や自転車の運転はできない。
- 5検査結果の説明
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検査結果をモニターに映しながら、医師から検査結果やポリープの切除術について説明。また、その後の受診頻度について医師から提案を行う。ポリープ切除術や組織採取をした場合、結果が出るのは1週間後。同院では口頭だけでなく、画像や結果説明を電子ファイルにまとめて、メールやメッセージアプリで患者に共有している。