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徳江 政英 院長の独自取材記事

川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック

(川崎市宮前区/宮前平駅)

最終更新日:2023/02/22

徳江政英院長 川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック main

宮前平駅から徒歩1分の医療モールにある「川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック」。2022年6月に開業した医院で、徳江政英院長がかつて勤務した虎の門病院分院とも近く、必要に応じてスムーズに連携を図れる点が強みだ。徳江院長は内科・循環器内科全般の診療に対応する他、第2の専門とする睡眠時無呼吸症候群にも注力。「ハートスリープ」というフレーズとともに、睡眠と心臓の関連性を地域に広めたいのだという。また、不調の原因や隠れた病気の早期発見のため、あらゆる患者が受診しやすい環境づくりにも取り組む。徳江院長の内に燃える情熱を知るために、めざす医療や診療・患者対応におけるポリシーなどを詳しく聞いた。

(取材日2022年6月23日)

「ハートスリープ」を理念に睡眠の質と夜の心臓を守る

この地に開業した理由や、提供したい医療について伺います。

徳江政英院長 川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック1

直近で勤めた虎の門病院分院から近く、病院の最寄り駅である梶が谷駅の沿線でもあったため、こちらに開業しました。立地条件が最優先で、患者さんの病態が不安定な場合に虎の門病院分院に紹介できるという点で選びましたね。開業の背景には、自身の知識や技術をより多くの患者さんのために生かしたいという思いがあります。特にアプローチしたいのは、現在治療中の病気とは別の、隠れた病気を見過ごされてしまっている方です。その病気が状態を悪化させていることもありますので、丁寧な検査・診断を行い、真の原因を見極めたいと考えています。また、循環器疾患のある患者さんの治療は、多くの場合2次予防が基本です。しかし私は加えて、1次予防として高血圧などの薬を飲んでいる方も診たいと思っています。1次予防の患者さんの診療も地域のクリニックの使命ですからね。

循環器内科の観点から、睡眠時無呼吸症候群の治療にも注力されていますね。

一般的にはあまり知られていませんが、心臓の病気と睡眠時無呼吸症候群には強い結びつきがあります。通常、就寝時は心臓は休んでおり、脈は遅くなります。一方で睡眠時無呼吸症候群の人は、呼吸が停止もしくは弱まることで血中の酸素濃度が低下し、マラソンをしたときや高山にいるような状態に陥ります。すると心臓が脈を早めて血圧を上げ、薄い酸素を全身に送り出そうとオーバーワークをしてしまうのです。睡眠時無呼吸症候群が早朝高血圧の一因であるのはこのためで、夜間に心臓が休めなかった結果、翌日のパフォーマンス低下につながります。長年放置すれば心臓への負担が蓄積して不整脈を引き起こしたり、ひいては重大な心疾患を発症することも。「寝る子は育つ」とはよく言いますが、あれは睡眠の質が保たれてこその言葉。大人であっても、夜間の心臓の状態を正常に維持していくことで、睡眠と健康をつなげていくのです。

睡眠医療はどのように学ばれたのですか?

徳江政英院長 川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック2

睡眠医療との出会いは、2011年に異動した東邦大学医療センター大橋病院です。当時は心疾患のある患者さんに睡眠時無呼吸症候群の方が多い事実が循環器内科でもさほど知られておらず、これから注目されるテーマだったのです。そこで、勉強会で情報交換したり睡眠障害を専門に扱う医療機関へ出向いたりと、自ら学びに行きました。努力の結果、虎の門病院の睡眠呼吸器科や、分院の睡眠時無呼吸症候群専門の外来で診療する機会を頂き、幅広く睡眠医療に関わることができました。今後は当院で、日中は循環器疾患の治療、夜間は睡眠医療という形で両面から心臓にアプローチし、患者さんを24時間サポートしていきたいです。理念である「ハートスリープ」というフレーズにはまさにこの思いが込められており、寝る子は育つを100歳までという理想を皆さんとともに実現したいと考えています。

安心・快適な受診環境を整え、専門的かつ誠実に診療

医院設計や設備のこだわりを教えてください。

徳江政英院長 川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック3

感染対策の観点から医院の入り口にサーモグラフィーを設置し、体温が37.5度以上の場合は自動ドアが開かない設定にしています。入り口のドアが0次トリアージを担っており、入れなかった方には改めて、感染症疑いや発熱症状のある患者さんを診る時間帯に対応しています。また、発熱用の診察室を利用する方は、診察室と出入り口を通るのみの動線設計にしました。これらの工夫が、医院に関わるすべての人の安心につながると考えています。設備は医院レベルで必要なものはほぼすべてそろえており、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査に使う機械を所有しているのもクリニックとしてはめずらしいでしょう。通常は業者に依頼して機械を患者さんのご自宅に送ってもらい、使用後は業者まで送り返していただくため、検査結果が出るまで2週間ほどかかります。その点当院であれば、機械を翌日にご返却いただけた場合、その翌日に結果のご案内が可能です。

診療で心がけていることを教えてください。

診療中はもちろん、診療にあたる前の段階から、あいさつと感謝の気持ちを言葉で伝えることを意識しています。患者さんをお呼びする際には診察室のドアを開けて直接お声がけし、診察室に入っていただいたら「お待たせしました」などと一言つけ加えますね。これは大学病院時代からの習慣でもあるのですが、スタッフにも同様に心がけてもらえるよう、まずは私が行動で示すようにしています。診療理念についても、ただ説明するだけでなく、どう実践しているかを見てもらうことで真に理解されると思います。スタッフが孤立したりしないようこちら側からもケアしながら、チームを良い方向へ走らせていきたいです。

内科と循環器内科の両方が専門だからこその強みはありますか?

徳江政英院長 川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック4

内科疾患が原因で心臓に負担がかかり、2次的に不整脈や心疾患を合併する、ご高齢の方に多いケースにシームレスに対応できます。一つの疾患では説明できない病態が併存しているため、当院で医療の交通整理を行い、必要があれば高度な入院施設を備えた病院、もしくは患者さんが希望される病院につなげます。あと、得意分野であるカテーテルの検査・治療も、木曜に虎の門病院の分院で実施が可能です。狭心症の疑いがある方を一度そちらへ連れて行き、検査・治療後は引き続き当院で診療します。私が一貫して患者さんを診ますので、病院を受診する際もいくらかご安心いただけるのではないでしょうか。

人とのつながりに感謝し最大限対応したい

先生が医師をめざしたきっかけは何ですか?

徳江政英院長 川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック5

高校まで続けていた野球の練習中に骨折してしまい、ある整形外科の先生にお世話になった時、治療だけでなくメンタル面のサポートもしてもらったのがきっかけです。スポーツの再開に対する思春期ならではの不安や、競技人生にケガがどう影響するかなど、病気とともに一人の患者の背景にも寄り添ってくれたことがうれしくて、自分も医師をめざそうと決意しました。それから研修医となり、臨床現場での体験を通して「循環器を専門にしよう」と誓ったのをよく覚えています。心臓カテーテル治療を受けた患者さんの入院から退院までの一部始終を目の当たりにし、循環器分野にすっかり魅了されたんですよね。

現在に通じる勤務医時代の学びはありますか?

尊敬する恩師の先生の「患者さんを診るのが先生の仕事だから」という一言は、今の自分の診療姿勢に反映されています。まずは患者さんと向き合い、自身で判断して初めて、医師としての役割が生かされるという意味の言葉です。今の時代、クリニックごとに事情があるとは思いますが、当院ではできる限りの診療環境を整え、さまざまな方に対応していきたいと考えています。恩師の先生は残念ながら若くして亡くなってしまいましたが、私がその遺志を継ぎ、患者さんに対して誠実な医療姿勢を貫いていくつもりです。開業の際、先生の奥さんに「当時の先生の教えは今も生き残り、細々と続いています」とメッセージを送ったくらい、私の黎明期を先生が支えてくれました。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

徳江政英院長 川崎宮前平とくえ内科循環器内科クリニック6

当院では気軽にご来院いただけるクリニックをめざし、院内の雰囲気づくりやコミュニケーションを大切にしています。今後患者さんが増えても、極力パソコンを見ずにフェイストゥフェイスで診療したいですね。将来的には受付のスタッフに診察室に来てもらい、電子カルテの入力を任せたいと考えています。診療は人と人とのつながりの上に成り立つもの。患者さんと私を結んでくれた方々がいることに感謝しながら、地域医療の一助となるべく尽力いたします。小さなことでも構いませんので、何かお悩みや心配事があればぜひご相談ください。

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