苦痛に配慮し、土曜も検査
患者の迷いに寄り添う大腸内視鏡検査
印藤内科クリニック
(高松市/古高松駅)
最終更新日:2022/09/30
- 保険診療
日本人のがん罹患数の上位を占めている大腸がん。大腸内視鏡検査により早期発見できれば治療できる可能性が高く、ポリープのうちに切除すればがん予防にもつながる。近年は内視鏡の性能が飛躍的に向上しており、検査の精度も高まっているという。しかし、大腸内視鏡検査には苦痛が伴うというイメージが強く、検査を躊躇してしまう人が少なくない。「印藤内科クリニック」では鎮静剤の使用により、苦痛をできる限り抑えた大腸内視鏡検査を提供。検査当日はトイレつきの専用個室やリカバリールームを用意し、下剤の服用から検査後のフォローまで女性スタッフが対応するなど、誰でも安心して受診できる環境を整えている。土曜日に検査ができるのもうれしい点だ。同院の大腸内視鏡検査の流れや特徴などについて、印藤直彦院長に話を聞いた。
(取材日2022年9月6日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査には、痛くてつらいというイメージがあります。
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A
そうですね。過去の検査でつらい経験をされたという方は多いと思います。しかし、近年では適切に鎮静剤を用いれば、苦痛をほとんど感じずに検査を終えられることが期待できます。私自身、起きている状態で検査を受けた時は非常に痛みが強くつらかったのですが、鎮静剤の使用を経験した後は、検査に対するイメージがガラリと変わりました。当院では、患者さんに不安なく検査を受けていただくために鎮静剤を用意し、苦痛に配慮した検査を行っています。患者さんの心身への負担は大幅に軽減されている上、内視鏡の精度も向上しており、病気の早期発見・早期治療につながる有用な検査となっているので、ぜひ一度受診していただきたいです。
- Q大腸内視鏡検査では、どういった疾患がわかるのでしょうか?
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A
まずは大腸がんです。検査で大腸がんの所見があれば、確定診断のために一部組織を採取する生検を行います。次に大腸ポリープです。ポリープは大腸の粘膜にできるこぶ状のもので、放置するとがん化する可能性があります。小さなものなどは日帰りの手術で切除し、がん予防につなげます。そのほか、潰瘍性大腸炎や大腸憩室症も発見できます。潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に潰瘍やびらんができる原因不明の難病です。腹痛、下痢、血便といった症状があれば、潰瘍性大腸炎の可能性を考慮し早めの検査をお勧めします。大腸憩室は大腸の壁が外側へ袋状に突き出たもので、これ自体は良性ですが、大腸憩室炎という炎症や出血を引き起こす可能性があります。
- Q土曜日でも検査を受けられますか?
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A
大腸がんの罹患率が高まる40代以上の方々は、仕事でもプライベートでも多忙な世代ですので、平日に検査の時間を取るのが難しい方が多いと思います。そのため、当院では土曜日でも大腸内視鏡検査を受けられる体制を整えています。検査の前には一度ご来院いただき、検査の流れや食事制限についてご説明したり、普段の便通の状況に合わせて薬をお出ししたりしています。この事前診察については、24時間ウェブ予約が可能ですし、土曜日も受診していただけます。また「症状が強く胃の内視鏡検査も検討しているが、時間がない」という方には、診察をした上で検査が必要と判断した場合、同日に胃と大腸の内視鏡検査を受けていただくことも可能です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1検査前の食事管理
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大腸内に残る便をすべて出すため、検査の2〜3日前から食事を調整。食物繊維を多く含む食品を避け、消化の良い食事を心がける。食事の内容は、専用の個室で女性スタッフが説明してくれる。普段から便秘気味の人には薬が処方され、自分で食事を用意するのが難しい場合には、検査食も用意してもらえる。前日は夜9時までに食事を済ませ、以降は検査当日の朝まで絶食。朝食は食べられないが、水やお茶などの水分の摂取は可能だ。
- 2下剤を飲み検査の準備
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当日の朝、医師の問診を受けて体調のチェックや不明点の確認などを行う。その後、専用の個室へ移動し、女性スタッフから下剤の飲み方について説明を受ける。個室にはトイレが備えられているので、周囲を気にせずに過ごせる。体調を見ながら1〜2リットルの下剤を飲み進め、2~3時間ほどで腸の中がきれいになったら、検査着に着替えて検査室へ移動する。
- 3検査の実施
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検査台の上で、体の左半身を下にして横向きの体勢を取る。血圧、酸素の数値、脈拍などのチェックを受けながら、鎮静剤を注射してもらう。薬の量は年齢や体格によって調整される。その後、肛門から内視鏡を挿入。大腸の突きあたりにある盲腸まで到達したら、内視鏡を抜きながら腸内を観察。早ければ10~15分で検査は終了する。ポリープを切除すると、30分ほどかかる場合もある。
- 4リカバリールームで休憩
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スタッフに付き添われながら、カーテンで仕切られたリカバリールームへ移動。リクライニングチェアで15分ほど休む。照明が抑えられ、心地良い音楽が流れる空間となっており、リラックスして過ごすことができる。意識が十分回復したら、専用の個室へ戻って着替えを済ませる。
- 5検査結果の説明
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検査内容や結果について、医師から説明を受ける。何かしらの病変があり、組織を採取する生検を行った場合やポリープ切除を行った場合は、顕微鏡での確認が必要となるため、後日再度来院して結果説明を受ける。大腸がんが疑われる患者には、検査当日にその旨を伝え、画像データをそろえて専門医療機関に紹介しているという。また、日帰り手術で切除できない大きなポリープが見つかった場合にも、専門医療機関に紹介してくれる。