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山本 裕一 院長の独自取材記事

関目やまもと糖尿病内科

(大阪市城東区/関目高殿駅)

最終更新日:2023/09/28

山本裕一院長 関目やまもと糖尿病内科 main

大阪メトロ谷町線・関目高殿駅からすぐ。竣工して間もない医療モール2階に開院した「関目やまもと糖尿病内科」を訪ねた。大きな窓から光が差し込む待合室は開放感たっぷりで、広い通路が各検査室や診察室へと続く。出迎えてくれた院長の山本裕一先生は、柔和な笑顔で、なんでも相談に乗ってくれそうな雰囲気。大阪大学医学部医学科を卒業後、大阪府内や兵庫県の地域中核病院で内科医師として研鑽を積み、特に糖尿病、高血圧症などの生活習慣病診療に力を入れてきたのだそう。「糖尿病治療は、今ではライフワークです」と笑う山本院長が、40歳という節目に開院した理由、めざす診療、さらには食事管理を極めたくてつくったレストランについてまでじっくりと聞いた。

(取材日2022年5月23日)

開院したからこそできる、こまやかなサポート

まず診療内容について伺います。

山本裕一院長 関目やまもと糖尿病内科1

当院は風邪、発熱、腹痛などの急性疾患から花粉症、頭痛、高血圧症などの慢性疾患まで、内科全般を幅広く診察するクリニックです。私は日本内科学会総合内科専門医と、日本糖尿病学会糖尿病専門医でもありますので、糖尿病や高血圧症の患者さんに対しては、さらに深く診ていきたいというスタンスです。すでに内科のかかりつけ医を持っておられる方でも、糖尿病、高血圧症、高コレステロール症状をもう少し改善したいなあという患者さんは、一度、来院していただけるとうれしいですね。動脈硬化をチェックする検査機器や血糖検査、血球検査機器もそろえており、短時間で検査が可能です。またこれらの検査機器では感染症の診断も可能ですので、発熱症状でいらっしゃった患者さんも院内で動線を分けて対応させていただいております。

開院のきっかけや経緯について教えてください。

私は総合病院で長く勤務してきましたが、その中で、大きい病院ではできることがいっぱいあるけれど、反対にできないことも多いと気づきました。特にこまやかな部分がサポートしづらいんですね。病院の糖尿病内科に来院される患者さんは、どちらかというと元気な患者さんが多かったんです。私からすると、体が元気なのになぜ「病院に行こう」と思われるのか、最初は不思議に感じました。しかし患者さんと接するうちに、「病気に対する怖さがあり、医師と話したい、悩みを伝えたいという思いで来院されているのではないか」と思い至ったのです。それなら週2回の外来では足りない、毎日診療できるようにしたい、そう考えたのが開院のきっかけです。毎日診療すると患者さんから教えていただくこともその分増え、とても新鮮な気分です。患者さんの不安や苦しいという思いを知ることで、一人ひとりに寄り添った診療につなげていきたいですね。

こまやかな部分のサポートとは、具体的にどのようなことでしょう。

山本裕一院長 関目やまもと糖尿病内科2

その人その人に合った治療法を一緒に考えていくことです。そこが勤務医時代は難しかったので、注力したい部分ですね。糖尿病治療では、食事管理と合併症の検査、フットケアが大切です。糖尿病の神経障害は足先から始まるといわれていますので、そうなる前にフットケアを行うことで、足を清潔に保ち、異常があれば早期に見つけて、切断のリスク軽減につなげたいと考えています。当院の看護師は、糖尿病を専門に長くキャリアを積んでいるので安心して任せられます。食事の栄養指導についても、2人の管理栄養士がじっくりと患者さんとお話しさせていただきます。薬もいいのですが、食事はとても大事です。摂取カロリーはこれぐらい、食べてはいけない物はこれ、といった教科書的な栄養指導では患者さんが取り組むのは難しいと思うので、「このぐらいまでなら食べて大丈夫」と制限の幅を持たせ、その方の好みに合った食事を指導し薬の調節を行っています。

患者のために、時には厳しい姿勢で臨む

先生がやっていきたいことはどんなことでしょうか?

山本裕一院長 関目やまもと糖尿病内科3

当たり前ですが、患者さんの話をよく聞くことですね。話したいことはありそうだけれど、まだ少し時間がかかるかな?という患者さんは、そのタイミングが来るまで待ちます。糖尿病に多い60代70代の患者さんは、私の親世代ですから、息子のように思っていただけるとうれしいですね。ただ、あまり家族という雰囲気になっても駄目ですから、そこは気をつけています。検査で数値が良くなかった場合は、たとえ嫌われたとしても「こうなっているのはなぜですか?」「何か思い当たることはありますか?」としっかり指摘します。厳しいことを言うのはこちらとしても気が進みませんが、糖尿病の患者さんにとって最も大事なのは、定期的に受診して検査で経過を診ていくことですので、そのお手伝いができるように心を尽くしていきます。

糖尿病はやはり検査が重要ということですね。治すことは難しいのでしょうか?

体がきつくないからとクリニックや病院へ行かずにいると、病気の状態がわかりません。わからないまま症状がひどくなると、治すのは難しくなります。しかし初期の段階であれば、一時的にインスリンの注射が必要でも、後で薬に変更することは可能でしょうし、上手に体重を減らせれば、薬をやめることも検討できます。糖尿病患者さんの平均的な受診頻度は1、2ヵ月に1回程度です。3ヵ月いらっしゃらないと、食事も乱れるかもしれませんので、ちょっと気持ちを入れ直すような感覚で来ていただけるといいですね。当院では、血糖値やヘモグロビンA1c検査機器を導入していて、検査結果をお伝えしながら、今後の治療について一緒に考えていきます。即日に結果が出るということに意味がありますし、2回来ていただく手間を患者さんにかけたくないと思っています。コストは5、6倍かかりますが、そこは厭いません。

ほかに気をつけておられることはありますか?

山本裕一院長 関目やまもと糖尿病内科4

患者さんをお待たせしないことです。当院の予約時間は30分単位で、あらかじめ時間を決めてお伝えしているので、よほどのことがない限りその時間内に診療し、無理な予約数にならないように気をつけています。もしお待ちいただくことになっても、待ち時間が発生するのはしょうがないと開き直るのではなく、受付や検査、相談室のどこかが滞っているのか問題点を洗い出し、どうすればスムーズに流れるのかをスタッフ皆で考えています。予約時間よりも早く診療が終われば、患者さんもその後の時間が有意義に使えますし、気分も良いでしょうから、少々人数過多なぐらいにスタッフを配置しています。あとは、時間があれば管理栄養士も受付に入ってもらい、スタッフ同士が互いの仕事をわかり合えるよう工夫しています。

関わるすべての人の幸せを考え、ともに歩む

先生が糖尿病を専門にしようと思われたきっかけは?

山本裕一院長 関目やまもと糖尿病内科5

糖尿病などの生活習慣病、慢性期の病気というのはいろいろな合併症が出やすいので、そこを予防し守ることで救いたい、というのが理由です。元気な人が、元気なままで過ごせるようにお手伝いしたいのです。慢性期の病気を持っている方は、感染症にもかかりやすいという弱い側面があります。その弱い面を支えて、治して、ずっと寄り添っていきたい。病気が治ったから、「はいさようなら」ではなく、ずっと診ていきたいという思いから、糖尿病を専門に選びました。私はおしゃべりも好きですし(笑)、私に関わる人、すべてをハッピーにしたいという思いがあります。患者さんも、スタッフも、それ以外の人も、みんなを幸せにできることが私の願いです。

クリニックの診療以外にもいろいろ取り組まれているそうですね。

はい。糖尿病は食事管理も大切になります。食事は楽しみなことであるはずなのに、もし苦しい思いをしながら食べているとしたら、それはおかしいと思うんです。そのため、クリニックとは別に、糖尿病専門の医師の観点を生かし、「健康的で栄養バランスが整ったおいしい食事を」をコンセプトに、カフェ・レストランの監修もしています。こういった活動は、勤務医ではできなかったことなので開院した今だからこそ始めたいと思い、挑戦しています。

読者へのメッセージをお願いします。

山本裕一院長 関目やまもと糖尿病内科6

「人と人がつながり、寄り添いともに歩む」が当院のコンセプトです。どんなゴールをめざすのかは、患者さんによって違います。よくお話を伺って、一緒に治療を考えていきたいと思っています。不特定多数の人を幸せにすることはできませんが、身近な人や私を知ってくださっている方は、全員幸せになってもらいたい。来院されたすべての方がハッピーになって、帰っていただけるように努力を惜しみません。

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