治療レベルや生活スタイルに沿って提案
糖尿病は専門クリニックで
よしうちクリニック
(尼崎市/武庫之荘駅)
最終更新日:2024/08/09
- 保険診療
日本人の10人に1人がかかるといわれ、年々増加傾向にある糖尿病。とてもメジャーな病気だが、どのような病気か、何が怖いのか説明できない人もいるだろう。「糖尿病で怖いのは、合併症。合併症を予防するために、また残念ながら合併症が起きてしまっても専門クリニックでの受診が大切です」と話すのは「よしうちクリニック」の吉内和富院長。日本糖尿病学会糖尿病専門医であり、大阪大学大学院で糖尿病について研究・診療を重ね、また高血圧症、コレステロールや中性脂肪が高いなどの脂質異常症、高尿酸血症の生活習慣病や、橋本病、バセドウ病といった甲状腺の病気や下垂体、副腎の病気の内分泌疾患についても長く診療を重ねてきたベテラン医師だ。今回は特に糖尿病となったときに、専門クリニックにかかるメリットについて吉内院長に詳しく聞いた。
(取材日2024年7月19日)
目次
全身に多様な合併症を引き起こす糖尿病。だからこそ、専門クリニックでしっかり血糖値を管理することが大切
- Q糖尿病を放置していると、どのようになるのでしょうか?
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A
放置するとさまざまな臓器に病気が起こります。糖尿病とは、血液中に吸収されたブドウ糖の濃度が高くなり全身の血管や神経にダメージを与え合併症を引き起こす恐ろしい病気です。初期は自覚症状がほとんどありませんが、血糖値がかなり高くなると、のどが渇き飲量が増え、尿の回数が多くなります。さらに高血糖値が続くと重篤な昏睡に陥ったり、感染症になりやすくなります。経過が長くなると足や指先がしびれ痛くなり、目の見えにくさや、むくみが出てきます。血圧やコレステロールも高いと血管が硬くなり脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気につながることも。近年では認知症やフレイル・サルコペニア、がんにも関連するといわれています。
- Q検査や治療は、どのようなことを行うのでしょうか?
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A
まずは、血液検査と尿検査を行うのが一般的です。血液検査で血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値を調べて、基準値と比較して糖尿病の診断をします。尿検査では、糖やタンパク、ケトン体が出ていないか確認し、治療の緊急性の有無や合併症についても評価します。治療は糖尿病の程度や合併症の有無によりますが、初めは食事や運動など生活習慣の見直しからスタートをすることが多いです。食べる順番やタイミングを工夫したり、散歩などの運動を取り入れたりと、できることから始めます。「こんな簡単なことでいいの?」と思うかもしれませんが、まずは続けることが重要です。それでも改善が難しい場合は、薬物療法を取り入れます。
- Q専門クリニックで行う治療には、どんな特徴がありますか?
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A
現在の糖尿病治療はガイドラインがあり、どのクリニックでも一定水準の治療を受けられますが、糖尿病などの代謝内科を専門とするクリニックであれば、より適切な時期に適切な治療を受けることができます。例えば、生活スタイルの変化や合併症の発症で、これまでのお薬では対応できないこともあるでしょう。その時々で必要な治療は変わりますし、合併症によっては糖尿病のお薬と飲み合わせが悪いものや、積極的な運動でかえって悪化するケースもあります。また急に血糖値が悪化した時は、2型糖尿病が1型になったのかやがんの発生がないか検査します。そういった深い知識を持ち、適切な治療を提供できるのは、糖尿病専門医だからこそといえます。
- Qこちらのクリニックならではの強みを教えてください。
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A
当院ではお薬の処方のご相談に丁寧に応じ、その人に合ったオーダーメイドの治療に力を入れています。私は以前、大学院でインスリンの作用について研究していました。全身の糖の流れについて指導を受け、刻々と変化する糖濃度が全身で処理され正常血糖に維持されることを学び、体内での糖の流れと臓器ごとの消費変化の評価を行っていました。その経験と知識を生かし、糖尿病の程度や合併症、併存疾患の有無に応じたお薬の処方をめざしています。近年では服の上から簡単に測定できる機器を使用して14日間の血糖値変動をモニタリングをしています。適切な薬の量を見極め、無駄なお薬を飲まなくていい治療がめざせるのは当院ならではの強みです。
- Q栄養相談も行われているそうですね。
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A
食事は重要な要素ですから、管理栄養士による栄養相談を実施しています。時間は1回約20分で、糖尿病の人だけでなく、高血圧症や高コレステロール血症、減量希望や老年症候群の一つであるサルコペニア・フレイルの方にも、プロの目からアドバイスしていますね。ですが、指導は無理強いすることはなく、できるだけ患者さんの長年の生活習慣に沿った提案を大切にしています。また最近では腸内環境を整える働きがあるといわれている麹の使用をよく提案しています。腸の働きを整えることは、肥満予防や免疫力、肌の調子に関しても良い影響が期待できます。おなかの調子が穏やかになる食事内容などについても相談に応じ、きめ細かに対応しています。