検診・治療前の素朴な疑問を聞きました！

QCT検査のメリットや特徴を教えてください。

A

CT検査は、360度方向から連続してエックス線を照射し体の断面を撮影する検査方法です。中でも近年、広く普及しているマルチスライスCTは瞬時に複数の断面を撮影できるため、短時間での検査が可能です。撮影する部位によって頭部CT、胸部CT、腹部CTなどに分かれます。被ばく量はエックス線検査よりは多いですが、年に1回程度の撮影では問題ないとされています。検査に痛みの心配はありませんので、被検者の負担も少ないでしょう。

Q胸部や腹部のCT検査ではどんな病気を発見できますか？

A

胸部では肺気腫、肺結核、肺炎、心臓疾患などの有無を確認可能です。エックス線検査では見えづらい数mm単位の病変も抽出できる可能性が高いため、肺がんの早期発見にも役立ちます。腹部の検査では、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、腎臓、脾臓、尿管、膀胱、卵巣や子宮の腫瘍や炎症の有無を診ます。超音波検査では肋骨や胃腸の残留物で見えづらくても、CTは臓器を「輪切り」状態で深部まで診ることが可能です。

Qどのような人がCT検査の対象となりますか？

A

外来診療の中で必要に応じて、また人間ドックで定期的に実施される方もいます。さらに、エックス線検査で異常が認められた方や経過観察が必要な方も対象です。病気にかかりやすくなる50歳以上の方は、定期的にCT検査を受けることをお勧めします。検査を受けるにあたって年齢制限はないものの、お子さんは放射線への感度が高いとされていますので、必要最低限にとどめておきましょう。

検診・治療START！ステップで紹介します

1問診と診察を行い、検査方法を決定する

検診の結果を受けての追加検査や気になる症状がある、など来院の目的はさまざま。受診の理由や体調、既往歴や服用薬について問診される。選択肢が複数ある場合は検査を受けるか否か、どの検査法にするかを医師と相談の上決定する。

2検査についての説明を受け、撮影する部位を決める

CT検査が初めての場合どのような検査なのか説明を受ける。不安なことがあれば、このタイミングで医師に聞いておこう。不必要な被ばくを防ぐため、検査が必要な部位のみ検査を受ける。頭部、胸部または腹部などの中から、撮影する部位を決める。

3看護師から説明を受ける

腹部の状態を撮影する場合、検査前に絶食が必要な病態であれば、事前に指示がある。同院では検査着の用意もあるが、検査着に着替えずに検査に臨む場合は、ベルトやファスナーなど、写ると画像の読影に影響があるものは検査前に外しておく。

4検査開始

検査室に入り、あおむけでベッドに横になる。手が写り込むのを防ぐため、頭部の撮影では手を下げ、胸部や腹部の撮影では手を上げておく。撮影部位に検査機器がセットされた後、撮影が開始される。胸部CTの場合は5～10秒間息を止める。

5医師から検査結果を聞く

検査は5分程度で終了。同院では波多野院長と放射線科の医師によるダブルチェックを行うため後日検査結果の説明を受ける。さらなる検査や治療が必要になった場合は、次回の受診時期の案内や他の医療機関への紹介を提案されることもある。