片頭痛や慢性的な頭痛
CTやMRIによる検査で精密な診断を
えびな脳神経クリニック
(海老名市/海老名駅)
最終更新日:2022/06/13
- 保険診療
若年層や働き世代に増加している頭痛の悩み。慢性的な頭痛があるにもかかわらず、忙しいがゆえに、長く症状に耐えていたり、市販薬で痛みをごまかしていたりする人は多い。しかし、身近な頭痛の影に、ごくまれに大きな疾患が隠れていることもあるという。そんな脳神経疾患の早期発見と予防に注力する「えびな脳神経クリニック」は、高性能医療機器と便利な立地による利便性を加えたクリニックとして、働き盛り世代にも受診しやすい体制を整えている。院長の岩田智則先生は、脳神経外科と脳神経内科を専門とするエキスパート。適切な治療を受けられない「頭痛難民」を1人でも減らしていきたいと語る。そこで、同院で受けられる頭痛の検査や治療について詳しく教えてもらった。
(取材日2022年5月25日)
目次
専門の医師が行う検査と診断で適切な治療法を提案。日常生活に弊害をもたらす片頭痛には新しい治療薬で対応
- Q頭痛にはどんな種類がありますか?
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A
頭痛は、国民の4人に1人が持っているといわれる身近にある病気で、筋緊張性頭痛、片頭痛、群発性頭痛に代表される一次性頭痛と、脳血管障害や脳腫瘍など、脳の疾患が原因で起こる二次性頭痛の2つの種類があります。その多くを占める一次性頭痛の中でも一番多いのは筋緊張性頭痛ですが、軽症のため受診される人は多くありません。一方で片頭痛は、仕事に集中できないくらい強い痛みを伴うもので、中には寝込んでしまう人もいるほど、日常生活に影響を及ぼします。一方、脳の疾患が原因で起こる二次性頭痛は、脳血管障害や脳腫瘍など、命に関わるような病気が潜んでいるため、CTやMRIで画像を撮って精密な診断をすることが大切です。
- Q二次性頭痛は脳疾患が原因とのことですが、一次性頭痛の原因は?
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A
一次性頭痛で最も多いとされる筋緊張性頭痛は、肩凝りなど筋肉の張りによって起こります。片頭痛は三叉神経血管説が有力で、何らかの刺激が三叉神経に作用し神経ペプチドの放出が起こり、血管を拡張して発症するのではといわれています。片頭痛の患者さんは10代から50代の働き世代の女性が多くを占めていることが特徴で、遺伝、月経関連、ストレス、気圧の変化など複雑な環境因子も影響していると思われます。この片頭痛に対しては、発作を抑制するための新しい治療薬が開発され、注目を集めています。
- Qどんな時に受診を検討したほうがいいのでしょうか?
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A
これまでに経験したことがないような頭痛、徐々に増悪するような頭痛、あと、状態にもよりますが発熱を伴う頭痛がある場合などですね。特に、脳血管障害、脳腫瘍、脳の中の病気による二次性頭痛は、命に関わる恐れあるため、早めの受診をお勧めします。ただ、二次性頭痛かどうかは、CTやMRIの検査をしてみなければわかりません。多くの人が我慢しがちな頭痛ですが、脳の疾患が見つかる場合もあるので、我慢したり、市販薬で済ませたりしないで、医療機関で精密検査を受けていただきたいと思います。
- Qこちらのクリニックではどのような検査を行っていますか?
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A
当院では、高精細の3テスラMRIを導入しているので、まずはCTやMRIの検査を行い、血管の詰まりや破れ、腫瘍などがないか脳血管の状態を評価します。あとは痛みを伴う期間や、頭痛以外の症状や麻痺の有無、話し方がおかしくないかなど、病歴について話をお聞きしながら頭痛の診断をして、治療の提案を行います。病歴と神経診察だけでもある程度はわかりますが、根拠となるようなものがないと患者さんも安心できないでしょうから、画像検査は基本的に受けていただきたいですね。CTやMRIの画像検査を行って、二次性頭痛の可能性が除外された上で、一次性頭痛に対する治療に進むのが専門的なフローチャートです。
- Qこちらで行っている治療について教えてください。
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A
筋緊張性頭痛に関しては、筋肉を和らげるための筋弛緩剤や鎮痛剤を使います。片頭痛に関しては、頭痛の発作を抑えるための発作抑制薬と、突然の頭痛を抑える急性期治療薬の2種類を利用する薬物治療を行い、月に1回のペースで通院していただきます。2021年に片頭痛の発作抑制のための注射薬が登場したことによって、頭痛に対するアプローチの仕方が大きく変化し、頭痛で困っている患者さんはもちろん、治療する医師の満足度もかなり上がったのではないでしょうか。二次性頭痛に関しては、疾患によって治療方針が違いますので、それぞれに応じた治療を提案し、手術や入院を要する場合は、近隣の総合病院や大学病院に紹介しています。