山田 潔 院長の独自取材記事
山田歯科成瀬クリニック
(町田市/成瀬駅)
最終更新日:2026/08/25
成瀬駅北口から徒歩3分の「山田歯科成瀬クリニック」。約四半世紀にわたり親しまれてきた歯科クリニックで、開業当初から通う患者も少なくない。院長の山田潔先生は、日本歯周病学会歯周病専門医として難しい症例も含め、数多くの歯周病治療を行ってきた。国民病ともいわれる歯周病に対し、歯周病を専門とする歯科医師は少ないと感じたことから、後進の育成にも力を入れている。各ユニットに導入したマイクロスコープを用い、精密根管治療を行う他、噛み合わせの調整、入れ歯治療などにも注力。歯周病と全身疾患との関連にも着目し「病気の始まりは口」と考えて治療を行っている。山田院長に、同院の診療の特徴について詳しく聞いた。
(取材日2026年6月24日)
定期的なメンテナンスの重要性を訴えて四半世紀
まず、歯科医師を志したきっかけやご経歴をお聞かせください。

父も兄も歯科医師で、自然と同じ道に進みました。歯周病を専門としたのは1本の歯だけではなく「口の中全体を診る」という点に惹かれたからです。専門的に学ぶために大学院に進学し、再生治療の研究にも携わりました。大学院修了後は臨床経験を深めるため、まだインターネットも普及していない時代に、歯周病治療の研鑽が積めそうな歯科クリニックを静岡県に見つけて「無給でも構いません」と頼み込みました。歯周病はもちろん、子どもから高齢者までさまざまな症状と向き合えたのは、貴重な経験でしたね。その後、1999年に生まれ育った成瀬エリアで開業。当時はまだ歯周病専門を掲げることができない時代で、歯科医師1人でできることを細々とやろうとユニット3台でスタートしました。
年々成長し、現在は9台のユニットやオペ室もありますね。
開業当初はまだ一般的ではなかった歯周病の予防と、治療のための定期通院の大切さを地道に訴え続けているうちに、だんだんたくさんの方々に通っていただけるようになりました。2016年に3台のユニットを増設、2019年には住居だった2階を改築してさらに3台ユニットを設置し、カウンセリングルームやオペ室も作りました。ほどなくして新型コロナウイルスの流行に見舞われましたが、口腔衛生が感染予防につながることをお伝えしていたためか、受診控えによるダメージはなかったですね。感染症対策のために重装備で診療を支えてくれたスタッフたちには感謝しかありません。現在は、各階でエックス線検査やCT検査ができるようにして、すべてのユニットにマイクロスコープを備えて精密な治療を行い、歯を痛めずに汚れや着色を落とせるようエアフローも導入しました。
現在はどのような患者さんが多いですか。

予防歯科の大切さを理解して長年にわたり通ってくださり、80代になっても自分の歯が20本以上残っていて元気に歩いていらっしゃる方も多く、1人で電車に乗って来られる90代の方もいます。通院が難しくなった方を対象にした訪問歯科や、早産リスクを高める歯周病を見逃さないために妊婦さんが対象の歯科健診もしているので、地域の方々の口腔内を「ゆりかごから墓場まで」守っているというところでしょうか。一方、専門としている歯周病に関しては遠方からの患者さんもいます。一般的な慢性歯周病の治療を長年受けても治らず、困り果てて来院する方もいらっしゃいます。このような場合、実は進行の早い侵襲性歯周病であることもあります。疾患に応じて正しい治療を行うことが大切です。
専門的な技術で行う歯周病治療。後進の育成にも注力
こちらで受けられる歯周病治療について教えてください。

歯周病治療では歯垢、プラーク、バイオフィルムなどと呼ばれるお口の中の細菌の塊を除去し、症状をコントロールするのが目標です。まず、歯茎の上をきれいにして、変化が見られなければ歯周外科手術で歯茎を切開して奥にたまった汚れを取り除きます。それでも駄目なら従来は抜歯を検討せざるを得なかったのですが、最近ブルーラジカルレーザーを用いた治療機器が登場したので、当院でも採用しました。過酸化水素水とレーザーの照射を組み合わせ、原因菌の殺菌を図ります。手術を行わずに重度歯周病の改善が期待できるのは大きなメリットといえるでしょう。ただし、使うタイミングを間違えると治療効果は見込めません。いつ使うかを正しく判断するには、歯周病の経験を十分に積んでいることが必要です。
歯周病は全身疾患との関連も深いそうですね。
歯周病と特に関連が深いといわれているのが糖尿病です。糖尿病には神経障害、網膜症、腎症、脳梗塞、心筋梗塞、足の壊疽など数多くの合併症があります。フレイルもオーラルフレイルから始まるともいわれ、数年前から政府発行の「骨太の方針」でも口腔ケアについて言及されるようになりました。当院でも「病気の始まりは口」と考え、医科の先生とも連携して、患者さんの健康を口腔内から守ることをミッションの一つとしています。歯周病治療を中心に、精密根管治療、インプラント治療、噛み合わせの調整、入れ歯治療などのすべてを高い技術で提供することをめざし、一人ひとりの生涯にわたる口の中の健康維持につなげています。
歯周病を専門とする歯科医師やスタッフの育成にも注力しているとか。

歯周病は成人の8割が罹患しているといわれる一方、歯周病を専門とする歯科医師は慢性的に不足気味です。そのため当院では、後進の育成にも注力しています。すでに専門的なトレーニングを積んでいても、さらに研鑽を積もうと頑張っている女性歯科医師もいます。ほぼ毎日歯周外科手術があるなど、成長のチャンスが多いクリニックでもありますし、かつての私のように無給で修行するのではなく、きちんと収入を得ながら学べる環境づくりも大事にしていますね。
笑顔でよく噛める口を守り、全身の健康を支えたい
明るく丁寧なスタッフさんたちも素敵ですね。

歯科助手、歯科衛生士たちは20代から50代までいて、新人もベテランも仲が良く和気あいあいとしているのも当院の自慢です。子育てや介護をしているスタッフもいるので、17時半終業を厳守しています。向上心のある素晴らしいスタッフたちが集まってくれて、アパレル業から歯科助手に転職し、夜間学校に通いながら歯科衛生士になり、さらに歯周病ケアを専門的に学んだ者もいます。現在も同じルートをめざしている歯科助手がいるので、16時までのシフトにするなど応援しています。メンテナンスの結果、どのような改善があったのかをわかりやすくデータ化し、日々情報交換するとともに、月に1回のカンファレンスでシェアするようにしています。どのように患者さんの役に立てているのか、具体的に知ることはモチベーションアップにもつながりますからね。
今後の展望についてお聞かせください。
口腔内から全身の健康を守るために、歯周病の予防と治療を軸としながら、口腔機能低下症にも取り組みたいと考えています。70歳を過ぎてから急に顎や舌を鍛えようとしても、なかなか上手に動かせません。口腔機能が衰えてから対処するのではなく、そうなる前の状態をいかに維持できるかが大事です。予防歯科でも日常生活の中でできる簡単なトレーニングなどをお伝えして、筋力トレーニングのように日々取り組んでいただけるようにしたいと思っています。また、町田市の医師会、歯科医師会、薬剤師会からなる三師会の活動にも積極的に協力していきたいです。歯周病と糖尿病を連携して診るのはもちろん、周術期の口腔ケア、睡眠時無呼吸症候群のマウスピースの作製なども、より推進していきたいですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

長年にわたり技術を培った歯科診療で、患者さんのQOL(生活の質)の向上をめざし、楽しく過ごせる人生をサポートしたいと願っています。笑顔で食事ができる毎日の積み重ねこそが、健康を維持するといっても過言ではありません。よく笑うことは、がんの進行に影響するのではないかという研究も目にしたことがありますし、2人に1人ががんになる時代において、口腔ケアはますます重要なのではないでしょうか。口腔は本来とても敏感で、わずかな異物でも感知するはずですが、認知機能が落ちてくると鈍感になります。舌の動きや位置も悪くなり舌苔ができやすくなるなど、お口の中から認知症リスクがわかることも少なくありません。歯周病の予防はもちろん、全身の健康を守るためにも、ぜひ定期的にメンテナンスに通うことを習慣にしてはいかがでしょうか。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1本)/53万9000円、ブルーラジカルレーザー機器を用いた歯周病治療(2~3本)/3万3000円~

