久保田 美和 先生の独自取材記事
カラダテラス海老名
(海老名市/海老名駅)
最終更新日:2026/07/03
小田急線・相鉄本線・JR相模線の各海老名駅をつなぐペデストリアンデッキに面した商業施設に構える「カラダテラス海老名」は、健診部門とクリニック部門を兼ね備えた複合型医療施設。アクセスの良さと利便性から、周辺企業の健診などにも多く対応している。2026年6月よりそんな同施設の施設長となった久保田美和先生は、高度医療の前線に立ち続けてきたベテランドクターだ。「病気を未然に防ぎ、より健康で豊かな未来を作っていくための最初のきっかけとして当施設を活用してほしい」と話す久保田先生に、同施設の強みと健診・診療にかける思いを聞いた。
(取材日2026年6月11日)
豊富な経験を生かし、病気の手前で地域の健康を守る
簡単なご経歴をお聞かせください。

北里大学の消化器内科に所属し、大学病院や関連病院の前線で32年ほど診療に携わってきました。診療准教授をはじめ、内視鏡部門の副センター長や研修医や指導医を育成する臨床研修部門の副センター長なども歴任。海老名総合病院の付属施設として、当施設の前身であるへルスサポートセンターが開設された2001年からは、外勤として勤めさせていただいてきました。2022年4月にカラダテラス海老名としてこの場所に移転すると同時に、常勤医としての勤務を開始。2026年6月より施設長を拝命した次第です。最初は戸惑いや緊張もありましたが、前任の谷口先生が築き上げられた素晴らしい基盤の上に、スタッフの皆さんを頼りにしながら、一つ一つ取り組んでいます。
健診部門を併設されたクリニックなのですね。
健康診断・人間ドックを担う部門と外来診療を行う部門を並行して運営しているのが、当施設最大の特徴です。これまで長く勤めてきた大学病院は、患者さんを治すことを最大の使命とする、いわば「最後の砦」。一方、当施設は、病気になる手前の段階で気づき、治療につなげることが役割です。大学病院では、健診に引っかかった方を治療する受け手側でしたから、その入口に立っている今は、まったく異なる感覚があります。治療の前線にいたからこそ、大きな病気になる前に防ぐためのアプローチがどれほど重要かを痛感しています。病気を未然に防ぎ、皆さんがより健康で豊かな未来を作っていくための最初のきっかけとなれるよう、これまでの経験のすべてを注いでいきたいと思います。
健診部門の特徴を教えてください。

一番の特徴は、個室制です。大型設備が必要な内視鏡検査やバリウム、エックス線検査の際には移動していただきますが、基本的にはそれぞれの個室でお待ちいただき、担当のスタッフが都度伺って採血や心電図、肺機能検査などの検査を行うスタイルを取っています。また、受付時にお渡しする専用タブレット端末に、次に向かう検査室の案内や院内マップが自動で表示されますので、広い施設内で迷う心配もありません。検査の結果はリアルタイムにタブレットへ反映され、ご自身でも去年のデータとの比較などをすぐに確認することが可能。さらに、万一途中で待ち時間が発生した場合にもお楽しみいただけるよう、タブレット内に雑誌やパズルゲームといったコンテンツをご用意しています。
健診と同日の外来受診で、当日完結型の次世代健診を
健診当日に外来受診もできると伺いました。どのような仕組みなのですか。

健診後面談のある方には当日に大まかな結果をお伝えしますので、気になる数値が出た際には「帰りにクリニックにお寄りください」とすぐにご案内できます。わざわざ別の日にお休みを取って受診先を探す手間がなく、1日でまとめて対応できるのは、忙しい方にとって大きな利点ではないでしょうか。メタボリックシンドロームが疑われるなどで保健指導が必要な方などには、当日のうちに管理栄養士や保健師から生活習慣の指導を行うことも可能です。面談がない方も後日結果をご確認いただき、同送する二次検査依頼書をもとにご予約いただくことで外来受診につなげられます。健診を受けた直後が一番健康への意識が高まる瞬間ですから、その気持ちが続いているうちに次の一手を打てる体制を大切にしています。
外来診療ではどのような診療を行っていますか。
一般内科、糖尿病内科、漢方内科と、幅広い内科診療をご提供しています。婦人科と乳腺外科を設置しているのも特徴です。それぞれの専門性を持つ医師が複数在籍しており、受診内容に応じたご対応が可能です。外来は基本的に予約制ですが、当日の急な受診も調整してお入りいただけますし、最近は24時間対応のウェブ予約も始まりました。また、CT・MRIなどの精密検査が必要な際には、電子カルテを共有している海老名総合病院や海老名メディカルプラザ、座間総合病院などとシームレスに連携しており、こちらから直接予約を取ることも可能です。検査の結果もダイレクトに届くので、ご説明や継続治療、経過観察もこちらでできる体制を整えています。
女性の患者さんへの取り組みについて教えてください。

女性が周囲に気兼ねすることなく安心してご受診いただける環境づくりには、特に力を入れています。マンモグラフィや乳腺超音波などの検査も対応する婦人科・乳腺外科には、「レディースエリア」と呼ばれる専用の待合室を設け、女性だけが入室できる空間として完全に分離。これらの専門の外来を担当する医師のほとんどが女性医師であり、看護師や検査を担当する医療スタッフもすべて女性のチームで運営しています。内科にも女性医師が多く在籍しておりますので、「男性の先生にはちょっと話しにくい」という方にも安心してご利用いただけるのではないでしょうか。若い世代やファミリー層が増え続けるこの地域で、仕事や育児でご自身の健康を後回しにしがちな女性たちの健康を、温かくサポートする場であり続けたいと思っています。
健康な未来のため「また来たい」と思える施設をめざす
患者さんと向き合う際に大切にしていることは何ですか。

患者さんが本当に求めていることをきちんと汲み取り、それにお応えすることです。患者さんそれぞれに背景があり、ライフスタイルも、治療への希望もみんな違います。医療機関を受診される理由は、明らかな症状の治療だけではありません。心に抱える不安の解消を求めて来られる方も非常に多いものです。健診では長い時間をかけることはできませんが、その短い時間の中でも、今何が一番心配なのか、どんな治療を望まれているのかをしっかりとお聞きし、ライフスタイルに合わせて無理のない適切な医療を提供できるよう心がけています。健診や受診は、自分の健康の現在地を確認し、より良い未来をつくるための第一歩。そうお伝えしながら、患者さんが一歩踏み出せるように、優しくかつ確かに背中を押せる存在でありたいと思っています。
ところで、医師を志されたきっかけは?
実家は自営業でとても忙しく、夏休みになると姉や従兄弟たちと一緒に富山の田舎に長期で預けられていました。そこには重症の心身障害を持つ方がいて、その方を介護する家族の姿を見ながら育ったことが、医療に興味を持った原点です。また、親戚が3歳の時に大きな後遺症を残す病気になり、子ども心に強い衝撃を受けたのを覚えています。こうした環境で「病気を治したい」「人の役に立ちたい」という思いが芽生え、自然と医師を志すようになりました。医療を受ける側の苦しみを身近に見て育った経験が、お一人お一人の人生や背景にしっかりと寄り添いたいという診療姿勢の原点になっているのかもしれません。何十年も医師を続けてきましたが、その初心は変わらず持ち続けていたいと思っています。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

健診部門とクリニック部門それぞれの機能をさらに充実させながら、地域の皆さんの健康を支えていきたいと考えています。健康診断や人間ドックは、病気を見つけるためだけでなく、自分の健康の現在地を確認し、病気にならない未来をつくるきっかけとなるものです。一方で、毎年受診されているにもかかわらず、精密検査の指示を受けてもなかなか行けないという方も少なくありません。そうした方にも前向きに受診していただけるよう、気軽に来院でき、「また来たい」と思えるような、そして家族や知人にも紹介したいと思ってもらえるような施設でありたいと願っています。体のことで少しでも気になることがあれば、いつでもご相談にいらしてください。お待ちしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは●健康診断 1万1000円~
●人間ドック 3万3000円~
●子宮がん検診 4730円~
●乳がん検診 4400円~
(全額自己負担の場合)
※人間ドックや健康診断、各種がん検診は、同施設の健診部門にてご受診いただけます。
※がん検診は、検査内容によって料金が異なります。詳細はホームページをご確認ください。

