白木 幸彦 院長の独自取材記事
白木眼科医院
(岐阜市/名鉄岐阜駅)
最終更新日:2026/06/19
1919年に開業して以来、3代にわたり地域の眼科医療を支えてきた「白木眼科医院」。3代目院長の白木幸彦先生は、愛知医科大学卒業後、大学病院や市民病院で研鑽。弱視・斜視治療をはじめ、白内障手術や加齢黄斑変性症の診療など専門性の高い眼科医療に携わってきた。一方で同院では「気軽に相談できる眼科」をコンセプトに掲げ、予約なしでも受診しやすい環境づくりや、患者に寄り添った丁寧な説明を大切にしている。診療において地域密着型の温かさと専門性の両立を重視している白木院長に、医院の理念や今後の展望を聞いた。
(取材日2026年5月25日)
3代にわたり地域の眼科医療を担う
こちらは大正時代から続く歴史ある眼科医院だそうですね。

祖父が1919年に開業し、父も90歳を過ぎるまで現役で診療を続けていました。私自身も子どもの頃からカルテ運びを手伝うなど、医療が身近な環境で育ったんです。父から医院を引き継ぐ際、私は生まれ育った長良の地へ移転することを決めました。当時この地域には眼科が少なく、特に私が専門とする斜視の診療を受けるために県外まで通われている方も多かったので、地域に貢献できるのではないかと思ったんです。今でも父の代から通ってくださる患者さんや、昔から私を知る地元の方々が来院してくださるのは本当にうれしく、身が引き締まる思いです。
すてきな院内ですね。特に大きな水槽が目を引きます。
水槽は完全に私の趣味なんです。自分で水草を植えて、熱帯魚やエビを入れて管理しています。患者さんとの会話のきっかけになればと思って設置したのですが、特にお子さんたちが興味を持ってくれて、キッズスペースから楽しそうに眺めてくれていますね。院内は、車いすの方も安心して通えるようにバリアフリーにして、薬の説明をする時に使うカウンターも低めに設計しました。さらに、患者さんに少しでもリラックスしていただけるよう、落ち着いた空間づくりにもこだわっています。オルゴールを中心とした音楽はスタッフが選曲していて、父が昔からスピーカーにこだわっていたこともあり、音質も良いほうだと思います。スタッフ同士で患者さんの情報を共有できるよう、動線設計にも工夫をしています。
どのような症状の患者さんが多いですか?

眼鏡やコンタクトレンズ、花粉症のような身近なご相談から、ご高齢の方の白内障手術やお子さんの弱視・斜視などの専門的な治療など、さまざまなお悩みを抱える患者さんに来院いただいています。今は白内障と斜視の患者さんが多いですね。白内障は水晶体が濁って視力低下を招く病気で、多くは加齢によるものです。治療は手術で濁った水晶体を取り除き、人工レンズを挿入します。手術と聞くと身構えしまう方が多いと思いますが、手術時間は10分弱で日帰りが可能ですので、気楽に受けていただければと思います。中には白内障と思っていたら違う病気が隠れていたということもありますので、視界がぼやけるなどの自覚症状がある方は相談していただきたいですね。
加齢黄斑変性症や弱視・斜視治療を身近なものに
ご専門の分野は弱視・斜視の治療ですね。

大学では10年ほど専門の外来と手術を担当していました。早期発見のため、3歳8ヵ月時に医師と視能訓練士が行う健診も行ってきました。その経験を生かし、岐阜の地でも幼児の弱視や斜視の早期発見・治療に取り組んでいきたいです。心がけているのは子どもが無理なく検査を受けられる環境づくりです。当院では、検査を無理強いせず、徐々に医院の環境に慣れていくことを優先していますので、気楽に通院していただければと思います。子供の場合、斜視の手術は全身麻酔が必要です。そこで「岐阜大学医学部附属病院」にご協力いただき、私が大学病院で全身麻酔下での斜視手術を実施する体制を取っています。大人の方も斜視に悩まれている方が多いです。中にはもう手がないと諦めている方もいます。多くは手術で対応できるため、まずはご相談いただければと思います。
加齢黄斑変性症の患者さんも多いそうですね。
加齢黄斑変性症とは、網膜の中心部にある黄斑という組織が加齢とともにダメージを受け、変化することで視力に影響を及ぼす病気です。最初は物がゆがんで見えるだけのこともありますが、進行すると重度の視力障害を引き起こすこともあります。以前は治療が難しい病気でしたが、近年は薬剤を用いた治療法が開発され、視力の維持や改善が期待できるようになりました。当院では、目に薬剤を注射する治療を行っています。この治療は1ヵ月に1回程度のペースで継続する必要がある時もありますので、遠方の病院への通院が負担になる方は、ぜひ当院にご相談ください。また、加齢黄斑変性症は早期発見が非常に重要です。物がゆがんで見える、急な視力低下を感じるというような場合は、放置せず早めの受診をお勧めします。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

ご自身の病気を理解し、納得した上で治療を受けていただけるように十分な説明を心がけています。治療によって改善が期待できる場合はもちろん、完治が難しいケースでも、その現実をきちんとお話しします。その上で、希望を持って前向きに治療に取り組んでいただきたいんです。特に手術となると、ご本人だけでなくご家族もかなり心配されますので「そんなに頑張らなくても大丈夫ですよ」と声をかけるようにしています。手術室では、雑談しながら手術を進めますので、患者さんの緊張をほぐすことができればうれしいです。患者さんの不安が一つでも少なくなるよう、情報をできるだけ丁寧にお伝えし、「あの時、話を聞けて良かった」と思っていただける関係を築いていきたいですね。
スタッフとともに安心して受診できる環境を整える
どんな医院をめざしていますか?

できるだけ「気軽に行ける眼科」でありたいです。眼科は「予約しないと行けない」と思われがちですが、「予約を忘れてしまっても大丈夫」と普段からお伝えし、受診のハードルを下げるように心がける日々です。もちろん病状によっては定期的な通院が必要なケースがありますが、症状が落ち着いている方には「ご都合の良い時で大丈夫ですよ」とお話ししています。また、診療中のコミュニケーションも大切にしています。説明が必要な場面ではしっかりお伝えしつつ、必要以上に重い雰囲気にならないよう意識を欠かしません。あまり堅苦しくなりすぎないよう、「病院って来るだけでもちょっと緊張しますよね」などと時々雑談なども交えながら、安心して相談いただける雰囲気づくりに努めています。
スタッフの皆さんはどんな方たちですか?
当院には10人以上の女性スタッフがおり、眼科勤務経験のあるスタッフも多く在籍しています。皆とても優しく、患者さんへの声かけも自然で、安心できる雰囲気をつくってくれる存在です。一方で、医療現場では優しさだけでなく、プロフェッショナルとして専門知識を生かしたこまやかな対応も欠かせません。そのため「専門的な部分では絶対に間違えない」という意識を共有し、定期的な勉強会の開催や、患者さん対応の振り返りを行っています。何か気づきがあれば、その日のうちに全員で共有する習慣も根づいています。スタッフ同士の仲も良く、私が指示をしなくても自発的に動いてくれるため、頼もしい限りです。このチームワークの良さはきっと患者さんにも伝わると思いますし、私自身、日々スタッフには感謝の念が尽きません。
今後の展望を教えてください。

日常的な目の不調から専門的な治療まで幅広く対応し「気軽に相談できる医院」でありたいと考えています。できるだけ待ち時間を減らせるよう、ネットや電話での予約体制を整えていますし、予約なしで来院された場合でも、お待たせしにくい時間帯をご案内するようにしています。受診のハードルを下げることで、早期診断・早期治療につなげていきたいですね。私は斜視や白内障の治療を専門的に行ってきました。特に斜視は「治療できることを知らなかった」「見た目が気になっていたけれど諦めていた」という方も多いので、そうした情報も積極的に発信していきたいと思っています。さらに、近年増えている加齢黄斑変性症の専門の外来にも携わってきました。「何かあったらまず相談しよう」と思っていただける、身近で頼れる眼科医院をめざしています。

