不眠・片頭痛から心身症まで
心の問題が誘発するさまざまな不調
ウェルネストメンタルクリニック
(渋谷区/渋谷駅)
最終更新日:2021/11/12


- 保険診療
不調の原因は体にあるとは限らない。心のあり方が発症のきっかけや症状の経過に関係する場合、それを「心身症」と言うのだそう。渋谷駅からすぐの場所にある「ウェルネストメンタルクリニック」では、不調の根本にある心の問題を見つけ、症状の改善につなげている。院長の井村昌義先生が診療の軸としているのは、精神分析的心理療法だ。誰もが無意識のうちに「人生の台本」を持っており、これを読み解くのが治療の第一歩となるという。患者の希望を大切にしながら漢方薬を処方するなど、さまざまなアプローチ方法を用いて診療を進めていく。「患者さんの話をよく聞くようにしています。それだけで症状の改善につながることもあります」と話す井村院長に、心の状態が体に与える影響、また同院の特徴について話を聞いた。
(取材日2021年10月29日)
目次
不眠・頭痛・肩こりだけではない。心の在り方が症状の悪化につながっていくことも
- Qどのような症状で心療内科にかかる人が多いのでしょうか?
-
A
▲心と体の両面を診ることが大切だという
当院は渋谷という土地柄もあってか、20代~30代の患者さんが中心で、多くの方が不眠症や片頭痛などに悩まれています。日頃のストレスや緊張が症状を引き起こしています。その他にも器質的な原因の見当たらない不調、慢性的な肩こりやめまいを訴えられる方も多い印象です。心療内科の疾患に限らず、あらゆる不調において心と体は切り離せないものと考えています。患者さんが健康で毎日を過ごせるよう、片方だけをケアするのではなく、その両面から診ることが大切です。
- Q心身症とはどのようなものなのでしょうか?
-
A
▲心の在り方が症状悪化に明らかに関係する場合に「心身症」と言う
心身症とはそれ自体が特定の症状を指すのではありません。心の在り方が不調の原因だと診断された際に、「高血圧(心身症)」などとかっこ書きで使われます。例えば明らかな緊張状態が高血圧を引き起こしている場合、その緊張がなくなると症状が緩和するならば、これは「高血圧(心身症)」といえるでしょう。心の問題が間接的に症状につながるケースもありますね。例えば「糖尿病」は心とは無関係に見えますが、暴飲暴食の原因が心にあると断定され、食生活の乱れが病気を引き起こしているならばその糖尿病は心身症的、と表現できるかもしれません。
- Q心の状態が不調を悪化させるのですね。
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A
▲ウェブ予約に対応し、待ち時間もほとんど発生しない同院
狭義の心身症とは、内科の病気にかっこ書きでつけるような位置づけのもの。先の例で誤解をしてはいけないのは、高血圧や糖尿病といった病気そのものも存在しているということです。もともと病気の要素が体内にあって、メンタルの状態が引き金となって症状を誘発してしまう。あるいは軽度だった症状を悪化させてしまうということですね。さらに定義を広げると、どこまでを心身症と呼ぶかの明確な線引きはないのです。医療の分野ではその時々に応じて「心身症」という言葉を使います。
- Q不眠症も心身症の1つなのでしょうか?
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A
▲患者の自由な心の動きを読み取り、それに沿って治療を進めている
不眠症の原因はさまざまですが、仕事や人間関係など、メンタル的な悩みが無関係ということは考えにくいでしょう。このように心の問題が大きく、症状も体というよりはメンタルに強く現れているならば、診断の場であえて「心身症」という表現を使うことは少ないですね。ただ、心が不調につながっているという点から、広い意味では不眠症や睡眠障害も心身症といえるかもしれません。また重度のうつ病や統合失調症は精神疾患の領域ですので、心身症とは分けて考えるべき症状です。
- Qこちらのクリニックならではの特徴を教えてください。
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A
▲隣接するウェルネストクリニックと密な連携をとっている
当院では心理療法・精神療法を基本としています。薬物療法が有用な場合もあり、患者さんの医療に対するさまざまな考え方や価値観を考慮しながら相談の上導入します。心理療法・精神療法とは患者さんが歩んできた人生に想いを馳せ、まずは受け止め受け入れられる経験をしていただくことだと考えます。また症状によっては隣接するウェルネストクリニックと連携し、当院では心の問題についてのケアを行い、ウェルネストクリニックでは内科的な治療を行ったりと、分担して診療を進めていくこともあります。