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心臓血管外科の医師が考える
やるべき手術、やらざるべき手術

新中野 内科・外科中央クリニック

(中野区/新中野駅)

最終更新日:2022/02/15

新中野 内科・外科中央クリニック 心臓血管外科の医師が考える やるべき手術、やらざるべき手術 新中野 内科・外科中央クリニック 心臓血管外科の医師が考える やるべき手術、やらざるべき手術
  • 保険診療

年齢・性別・各臓器機能の数値などを入力すると、手術の早期成功率を算出できる……、リスクが高く高度な技術が要求される手術だからこそ、心臓手術ではそのようなシステムが開発され始めている。病院が術後遠隔期の成績をも含めた詳細な手術成績を明らかにするケースは少なく、患者が情報を十分に把握できないことも数多い。そこで重要なのがセカンドオピニオンだ。どんな医師に相談するかで選択肢はまた異なってくる。「新中野 内科・外科中央クリニック」の井村肇院長は、小児から成人まで、長年手術を手がけてきた心臓血管外科のスペシャリスト。メスを置いたからこそ、第3者としての意見が可能となると考えているのだという。悩める患者やその家族が適切な判断をするためのアドバイスを聞いた。

(取材日2022年2月7日)

セカンドオピニオンには客観的視点も重要。手術を実施しないクリニックへの相談も考えて

Q心臓の病気にはどんなものがありますか?
A
新中野 内科・外科中央クリニック 心臓の病気は冠動脈疾患や先天性心疾患などさまざま

▲心臓の病気は冠動脈疾患や先天性心疾患などさまざま

成人の病気には、大まかに狭心症や心筋梗塞などを起こす冠動脈疾患、心臓弁膜症、大動脈瘤や血管壁が裂けて起こる大動脈解離・解離性大動脈瘤などの大動脈疾患の3系統に分けられ、どの病気も年齢が上がるごとに発症リスクが上昇します。冠動脈疾患の場合はバイパス手術、弁膜症の場合は弁形成術あるいは弁置換術、大動脈疾患では人工血管置換術などが主な手術で、メイズ手術など不整脈に対する手術も同時に行われることも。超高齢社会となった現在では、80歳を過ぎても手術を受ける患者さんは少なくありません。そしてもう一つが、生まれながらにして心臓に奇形がある先天性心疾患で、こちらは小児期に手術を受けるケースがほとんどです。

Q先生はこれまで数多くの手術を手がけてきたと伺いました。
A
新中野 内科・外科中央クリニック 心臓血管外科のスペシャリストである井村院長

▲心臓血管外科のスペシャリストである井村院長

心臓血管外科を専門とする医師の多くは、先に挙げた冠動脈疾患、弁膜症、大動脈疾患、先天性心疾患の4つの中から専門を一つに絞りますが、私は大学病院勤務時代に医局からの命を受けて小児と成人の両方を対象にさまざまな手術を満遍なく行ってきました。多くの症例を手がけることで、それぞれの分野で標準以上のレベルの手術を提供することをめざし、手術の早期成功率や遠隔成績を評価し、具体的な数字を患者さんに提示することも心がけてきました。小児から成人までを対象に手術を行い、自分の手術成績を遠隔期までしっかりと評価している心臓血管外科医は多くはないと思います。長年蓄積してきたデータは、今の診療にも大いに役立っています。

Q手術を受けるべきか悩んでいる方へのアドバイスはありますか?
A
新中野 内科・外科中央クリニック 手術への踏ん切りがつかない場合も相談に乗ってくれる

▲手術への踏ん切りがつかない場合も相談に乗ってくれる

もっとほかに良い方法、良い病院があるのではないかというセカンドオピニオンには客観的意見が必要なので、私としては手術を手がけていない、なおかつ十分な知識と経験を持つ医師に相談することをお勧めします。当院では第3者の立場から手術の詳細についても詳しくお話しすることができますので、手術への踏ん切りがつかない場合にもお役に立てると思います。実際の判断はガイドラインを中心に、患者さん個人の体力や併せ持つ疾患の有無などを把握してお話しさせていただきますが、どうしても手術したくないという場合でもほかにできることを患者さんと一緒に考えていくことができます。

Q問題視される成人先天性心疾患。どこに相談すればいいですか?
A
新中野 内科・外科中央クリニック 小児から成人まで心臓手術を手がけてきたからこそ対応の幅が広い

▲小児から成人まで心臓手術を手がけてきたからこそ対応の幅が広い

およそ100人に1人の小児が心臓に病気を抱えて生まれてくるといわれています。多くの患者は生後すぐから幼少時までに発症しますが、近年ではこうした患者さんが成人して小児科の手を離れ、その後十分なケアがなされていない実態が問題視されるようになってきました。さらに成人後に新たな心臓の問題に直面するケースも年々増えています。この場合、小児科では診てもらえず、循環器内科を受診しても先天性心疾患への理解が及ばぬことが多いため、診察上で大きな問題となっています。私は小児から成人までの心臓手術を多く手がけ、そうした患者さんにもしっかり対応できますし、さまざまな提案も可能ですので、ぜひ相談にいらしてください。

Q先生が診断や検査上で大切にしていることを教えてください。
A
新中野 内科・外科中央クリニック 病状のデータや検査結果から質の高いアドバイスの提供に努める

▲病状のデータや検査結果から質の高いアドバイスの提供に努める

病院で手術を勧められた患者さんは、主治医に言えばご自身の病状に関する詳しいデータをもらうことができます。それを持参してくださればそれを一緒に見ながら、患者さんの健康状態、お気持ちなどを考慮した上で、私の考えをお話しし、検査データの細かいところまで説明をさせていただくことができます。またデータがもらえなくても当院では、心電図・エックス線・超音波といった検査を行っており、その上で、どこの病院でさらにどんな検査を受けるべきか、どこで手術を受けるべきかなど、クオリティーの高いアドバイスの提供に努めています。

ドクターからのメッセージ

井村 肇院長

心臓疾患のほとんどはがんと異なり、きちんと治療をすれば生活に支障なく生きていくことが可能だと考えています。初期の段階から治療を受けてしっかりコントロールしていければ、手術を受けずに済む場合もありますし、たとえ病気が進行して手術が必要になったとしても、きちんと治療を続けさえすれば、大きな不安を抱くこともないでしょう。しっかり向き合って治療をすることが結果に直結するのが循環器の病気です。焦らず、諦めず治療を続けて、良い心臓の状態を維持していただきたいですね。

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