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葛西 和博 院長の独自取材記事

かさい内科消化器肝臓クリニック

(札幌市西区/琴似駅)

最終更新日:2022/06/22

葛西和博院長 かさい内科消化器肝臓クリニック main

札幌市西区、八軒にある「かさい内科消化器肝臓クリニック」。2021年11月に開業した同院は、内科、消化器内科、肝臓内科を標榜し、風邪などの一般的な症状から、内視鏡検査、肝臓疾患の治療まで、幅広く対応する。院長を務める葛西和博先生は開業前、肝臓がんのカテーテル治療を中心に、近隣の基幹病院で地域の患者を支えてきた。その経験を生かし、同院でも基幹病院との連携を図りながら、質の高い医療を追求している。「地域の人が困ったときに気軽に立ち寄れる場所」をめざしているという葛西院長に、患者への思いや、同院の特徴について語ってもらった。

(取材日2022年4月2日)

病院と連携しながら肝臓疾患の専門的な治療にも対応

開業から少したち、どんな患者さんが来られていますか?

葛西和博院長 かさい内科消化器肝臓クリニック1

内視鏡検査を希望される方や健診で肝機能障害を指摘された方が多いですね。クリニック名に「消化器」「肝臓」とあるように、私の専門が肝臓疾患を中心とした消化器全般なので、開業前は肝臓や消化器に関する相談が多いだろうと予想していたんです。でもふたを開けたら、当初考えていたよりも患者さんのニーズが幅広いのを感じています。頭痛、咳、鼻水といった風邪症状、最近ではやはり発熱を訴えて来られる方も多いです。けがに対する小外科的な処置も行っていますので、本当にさまざまです。もともと「地域の皆さんが困ったときに気軽に立ち寄れる場所でありたい」という思いで開業したので、そういう意味では思い描いていたことが実現できていると思いますね。

開業場所にこちらを選んだのはなぜでしょう?

開業前はイムス札幌消化器中央総合病院に勤務し、肝臓がんを中心に、広く消化器疾患や内科系の患者さんを診療していました。肝臓疾患は慢性疾患が多く長期で診ていく必要があり、今まで診てきた患者さんを責任を持って引き続き診療していくためにも、病院から近いこの地を選びました。現在も週1回前任地の病院で外来を担当しているので、専門的な治療が必要になったら病院を紹介し、私がそこで治療を担当することも可能となっております。一方で、状態が安定している時は患者さんはクリニックのほうで、しっかりと診療を行っております。そういったクリニックの良さを生かしながら、いざというときに連携を図れる病院があることが当院の特色であり、患者さんの安心につながっているのかなと思います。

専門の肝臓疾患に関しては、こちらでどんな治療を受けられますか?

葛西和博院長 かさい内科消化器肝臓クリニック2

肝機能障害をはじめ、B型、C型肝炎など幅広く診ています。肝臓がんについても、治療後のフォローアップのほか、場合によっては経口抗がん剤の投与を行っており、高次の治療が必要な場合は連携先の病院へと紹介しています。カテーテル治療に関しては、勤務医時代に力を入れてきたこともあり、実際に紹介した病院へ出向いて私が対応することもあります。もちろん、当院でもできる限りのことは行っていて、例えば、カテーテル治療に必要な静脈ポートの造設はその一つです。通常は病院で造設を行うことが多いのですが、造設を行えない病院もあるので、そのような場合はご紹介いただき、当院で造設を行った上で、患者さんをお返しするという、連携を図っています。ポート造設に対応しているクリニックはあまりないだけに、当院の強みだと自負しています。

患者への感謝の気持ちを忘れずに、日々真摯に向き合う

先生はずっと肝臓疾患を専門に診療をされてきたのですか?

葛西和博院長 かさい内科消化器肝臓クリニック3

いいえ、岩手医科大学を卒業後は、救命救急センターで研修医として経験を積み、その後大学病院では消化器内科に所属しました。消化器内科では内視鏡検査治療技術の研鑽を積む一方で、肝疾患の診療については最先端の学びを深めることができました。特に肝臓がんの治療については、国立がんセンターへ国内留学もし、そこで得た知識・技術を生かして、地元の札幌市に戻ってからは肝臓の診療を中心に行い、現在に至ります。勤務医時代に外科処置や内視鏡検査治療、肝疾患診療も含めあらゆる経験をしてきたおかげで、今、地域のニーズに柔軟に応えることができているのかなと思います。

奥さまである副院長も一緒に診療されていると伺いました。

妻は月曜から木曜までは札幌記念病院の訪問診療部門で、訪問診療を担当しており、金曜日は当院に勤務しています。副院長も消化器疾患や肝臓疾患の治療経験を積んでいるので、内視鏡検査で女性医師を希望の方はおっしゃっていただければ対応可能です。女性の医師がいることで患者さんにも安心していただけるのではないでしょうか。また訪問診療に関しても、副院長の経験を生かし将来的には当院でも対応できたらと考えています。病気の進行等でクリニックに通えなくなっても私たちが患者さんのご自宅にお伺いして診療させていただき、患者さんにもご家族にも当院を選択して良かったと思っていただけるような医療を提供するのが私たちの願いです。

スタッフさんについてはどうでしょうか?

葛西和博院長 かさい内科消化器肝臓クリニック4

頼りになるメンバーばかりです。自分たちでマニュアルを作ったり、感染症対策についてミーティングを行ったりと、主体的に取り組んでくれています。また、内視鏡検査では患者さんに声かけをしたり、背中をさすったりといった行動が自然とできるので、安心して任せられますね。そんなスタッフたちに日頃から伝えているのは、患者さんが当院を選んでくれたことに対する感謝の気持ちを持とうということ。実はその思いを込めたのが、当院のシンボルマークなんです。これは北海道ではよく見かけられる「亜麻」の花をモチーフにしたもので、ユニフォームにも入れています。亜麻には「あなたの親切に感謝します」という花言葉があるそうです。これまで花言葉なんて気にしたことがなかったんですが(笑)、意味を知って当院のシンボルマークは「これだ!」と思いましたね。

環境面の整備にも注力し、より気軽に立ち寄れる場所に

先生がやりがいを感じるのはどんなときですか?

葛西和博院長 かさい内科消化器肝臓クリニック5

勤務医時代は、進行性のがん治療が中心だったので、いかに生活の質を落とさないようにするかに重きを置いていて、そこに関われることがやりがいでした。印象に残っているのは小さなお子さんがいる女性で、少しでも長くご家族で過ごせるように力を尽くしました。僕自身、大学時代に両親を亡くしているのでお子さんの気持ちを考えると何とも言えなくて……。今でも忘れられません。開業してからは、そういった命に関わる患者さんを診ることは減りましたが、急に具合が悪くなって受診された場合などは、昼休みを返上して治療を行うこともあります。地域の方が気軽に立ち寄れるのがクリニックの使命だと思うので、できる限り期待に応えたいですね。そのためにも、日頃から患者さんが話しやすい雰囲気づくりと丁寧な説明を心がけています。そうして近い距離で会話をしながら病気を見つけ、患者さんと一緒に病気に立ち向かっていけることが今のやりがいです。

医師をめざしたのは、ご家族のこともあったのでしょうか?

そうですね。父は産婦人科の開業医だったので、医療に興味を持つきっかけにはなりましたが、決め手になったのは両親の病気です。高校時代に母が体調を崩し、父も肝がんを発症しておりましたので、「自分の力で治して元気にしてあげたい」という気持ちが医師を志す原動力になりました。残念ながら僕が医師になる前に2人とも他界してしまい、両親の命に対して医師として貢献することはできませんでしたが、医師となってからはたくさんの患者さんを診療し、さまざまな経験を積むことができました。これからはその経験をもとに、もっと多くの患者さんの命に寄り添っていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

葛西和博院長 かさい内科消化器肝臓クリニック6

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれるように、何か問題があっても自覚しにくいのが特徴です。そのため、健診で引っかかって初めて疾患に気づくケースが多いので、まずは毎年健診を受けていただきたいですね。そして、少しでも気になることがあればすぐに受診してほしいなと思います。当院は発熱症状のある患者さんを専門に診る外来を設け、一般の患者さんと入り口や受付などの導線を分けていますので、安心してお越しいただければと思います。ほかにも、内視鏡検査のリカバリールームをトイレつきの個室にし、リラックスして前処置を受けられるような工夫もしています。専門的な治療が必要な場合は設備の整った近隣病院と連携を図りながら、どんなご相談にも応えられる地域密着型のクリニックをめざしていきますので、ぜひ気軽にお立ち寄りください。

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