前立腺がんの
専門的ながん治療
みずほ台泌尿器科
(富士見市/みずほ台駅)
最終更新日:2021/10/14


- 保険診療
前立腺がんは50歳以上の男性に多いがん。検診を受けて初めて発見されるケースが多いという。一方、最近は30〜40代の働く世代にも、前立腺がんに関心を持つ人は少なくないとか。そこで今回は「みずほ台泌尿器科」の岡部尚志院長を訪ねた。岡部院長は日本泌尿器科学会泌尿器科専門医であり、12年間、がんを中心に泌尿器診療に携わってきた。同院においては頻尿をはじめとする排尿トラブルで来院した患者に対しても、できるだけ前立腺がん検診を受けるように勧めるという。「前立腺がんは自覚症状がないケースが多いので、検診を活用するのが早期発見の鍵です」。根治につながる治療をするためにも、自ら検査に意識を向ける必要がありそうだ。岡部院長に前立腺がんを中心に泌尿器がんについて詳しく教えてもらった。
(取材日2021年8月26日)
目次
前立腺がんは検診を受けることが早期発見の近道に
- Q先生は長年泌尿器がんの診療に携わってきたとお聞きしました。
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A
▲長年、泌尿器がんの手術や放射線治療に携わってきた岡部院長
埼玉医科大学国際医療センターという専門的ながん治療を行う病院で、12年間、手術や放射線治療に携わりました。がんを専門に診ていたからこそ悪い病気を見逃さないという気持ちで診療にあたっています。がんを専門に診てきた経験を生かし、診断においても地域の皆さんの力になれたら幸いです。中でも前立腺がんは転移がなければ根治もめざせる病気です。前立腺がんのご心配があれば、もちろんのこと、泌尿器の症状は気軽に相談してほしいです。
- Q前立腺がんは、どのような症状から発見されることが多いですか?
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A
▲治療を見据えた問診や検査に対応している
前立腺がんは、膀胱がんのように血尿などの自覚症状を出すことはめったになく、多くが血液検査でスクリーニング可能です。発見が早いほどいいに違いありませんし、早期に治療を開始できるほうが良い結果にもつながりやすいです。私は前職で、泌尿器がんについて専門的に学び、研鑽を深めてきた経験がありますので、治療を見据えた問診や検査ができます。
- Q前立腺がんについて教えてください。
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A
▲早期では自覚症状がほとんどないという前立腺がん
前立腺とは膀胱の下に存在し、尿道を取り囲んでいる男性のみにある臓器です。前立腺がんは前立腺に発生する悪性腫瘍で、50歳代から急速に増え始め、70歳代の高齢男性に多くみられるがんです。多くが自治体や職場の検診をきっかけに発見されます。血液検査でPSAが基準値より高いことを指摘されると、がんの有無を調べるためにMRI検査、がんの確定診断のために前立腺生検を行います。先ほども述べたとおり前立腺がんの初期は自覚症状がないことがほとんどです。自覚症状が出た段階ではかなり進行していることが多いといわれています。前立腺がんの早期発見のために、50歳を過ぎたらPSA検査を受けることを勧めています。
- Q前立腺がんではどのような治療を行うのでしょうか?
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A
▲科学的根拠に基づいた診断と治療をするように心がけている
前立腺生検で採取した組織は、顕微鏡で病理学的評価を行います。がん細胞が含まれていると診断されて初めて「前立腺がん」の診断となります。診断された後は、CTなどの画像検査で転移の有無を含めた、いわゆる「ステージ」を決定します。前立腺がんの初期治療には、治療を行わず経過を見る「積極的監視療法」、根治をめざして行われる「手術療法」「放射線療法」、さらに「アンドロゲン除去療法」という、いわゆるホルモン療法を先ほど述べた根治治療と併用する場合があります。治療方針は、がんの広がりや病理所見、初期のPSA値などを含めた検査結果、年齢、健康状態、患者さんの人生設計等なども考慮して総合的に決定されます。
- Qがん治療後の経過観察について教えてください。
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A
▲患者とのコミュニケーションを大切にしている
前立腺がんについては、治療後に3~6ヵ月に1回のペースで、PSAの値が上昇してないかを調べます。数値が上がっていたら再発の可能性があるので、ホルモン治療や場合によっては放射線治療などの救済治療を行う必要があります。手術や放射線などの根治治療を受けた方は、その後、地域で経過観察ができると通院が続けやすいと思います。