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精神疾患の多くに関わる症状だからこそ
不眠症は原因に迫る診療を

みどりの森メンタルクリニック成城

(世田谷区/成城学園前駅)

最終更新日:2024/01/12

みどりの森メンタルクリニック成城 精神疾患の多くに関わる症状だからこそ 不眠症は原因に迫る診療を みどりの森メンタルクリニック成城 精神疾患の多くに関わる症状だからこそ 不眠症は原因に迫る診療を
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眠れないことに悩む人は多いだろう。夜に十分な睡眠を取れないことで、日中に眠気やだるさを感じ、集中力の低下などにより日常生活に支障が生じている状態を、不眠症・睡眠障害という。「心療内科・精神科を受診する人が最初に訴える症状で最も多いのが不眠です」と、世田谷区成城の「みどりの森メンタルクリニック成城」で診療する河村武人院長が話す通り、働き盛り世代はもちろん、学生や子育て中の主婦、高齢者など、世代を問わず多くの人が日常的な眠れなさに悩んでいるという。不眠に悩み、病院を受診するかどうか迷っている人に向けて、不眠症・睡眠障害の病態や原因、治療についてなど、詳しく解説してもらった。

(取材日2023年11月27日)

環境、身体、精神の3つの要因を深掘りし、原因に迫ることが治療の鍵

Q不眠症・睡眠障害とはどのような病気ですか。
A
みどりの森メンタルクリニック成城 不眠症の治療に力を入れる河村院長

▲不眠症の治療に力を入れる河村院長

眠れない状態が続き、日中のだるさや眠気、集中力低下などにより日常生活に支障をきたす状態を不眠症・睡眠障害といいます。「寝れない」にもさまざまなフェーズがあり、寝入りが悪い、眠りが浅く夜中に何度も目が覚める、早朝に目覚めてしまう、十分に寝たはずなのにぐっすり眠れた気がしないなどの悩みを抱える人がいらっしゃいます。不眠の状態が長く続くことで、胃腸症状を引き起こしたり、うつ病へと移行してしまったりすることも。免疫力低下やホルモンバランスの崩れにより、生活習慣病をはじめとする、さまざまな病気のリスクを高めてしまうこともあります。また、認知症の症状として不眠が続くこともあります。

Q不眠症・睡眠障害の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
A
みどりの森メンタルクリニック成城 原因も人それぞれ異なるためカウンセリングをしっかり行っている

▲原因も人それぞれ異なるためカウンセリングをしっかり行っている

原因は大きく、環境因、身体因、精神科因の3つに分けられます。環境因による不眠症は、寝室が暑すぎたり、寒すぎたりするなど、睡眠環境が良くないことで起こります。時差ボケや寝室をともにするパートナーのいびきなどの騒音で睡眠が妨げられるのもこれにあたります。身体因はケガや病気のことで、頭痛や歯痛、骨折の痛みや湿疹のかゆみでよく寝れないなどのケースがよくあります。ステロイドの服用で起こる場合など、薬剤性の不眠もこれにあたります。精神科因は不安や強いストレスにより眠れなくなるもので、これが精神科の領域です。うつ病、統合失調症、双極性障害など、ほぼすべての精神科疾患で不眠の症状が見られます。

Q学生など若い世代にも不眠に悩む方が多いとか。
A
みどりの森メンタルクリニック成城 世代を問わず不眠に悩んでいる人は多いそう

▲世代を問わず不眠に悩んでいる人は多いそう

失恋などのショックで一過性の症状が出るケースに加え、受験や就職活動などのストレスにより不眠症になる人も少なくありません。若い世代では特に、不眠の症状を掘り下げていくことで、発達障害が見つかるケースがあります。対人ストレスがそこまで大きくなかったそれまでの生活ではなんとか乗り切れていたものが、就活時の面接やインターン、就職先での業務などを通してほころびを感じ、自信喪失して不眠に至るケースです。単純なストレスが原因であれば比較的治療は容易なのですが、発達障害やパーソナリティの不適合が背後に潜んでいるケースでは、時間をかけて丁寧に向き合っていく必要があります。

Q働き盛り世代や子育て中の主婦、高齢者にも不眠症はあるとか。
A
みどりの森メンタルクリニック成城 さまざまな病気と不眠症の関係性は深く相談者も幅広い

▲さまざまな病気と不眠症の関係性は深く相談者も幅広い

発達障害が根底にある場合には、年をとるごとに学習能力により適応していくケースが多くなっています。しかし、年齢を重ねることで、不眠症に至る別の原因が発生することもあります。男女ともに多いのが更年期の症状で、特に男性ではホルモン低下によるLOH症候群の症状の一つとしてうつ状態や不眠が見られます。この世代の女性で多いのはいわゆる「殻の巣症候群」で、子どもの親離れによって感じる空虚感・喪失感からさまざまな症状をきたします。ほかにも、甲状腺機能障害や睡眠時無呼吸症候群、認知症の症状としての不眠もあるため、丁寧に原因を探りながらアプローチしていくことが求められます。

Q不眠症・睡眠障害はどのように治療するのですか。
A
みどりの森メンタルクリニック成城 眠れない状況が長く続くようであれば相談してほしという河村院長

▲眠れない状況が長く続くようであれば相談してほしという河村院長

まずは現症としての不眠を解消するために投薬を行うケースがほとんどです。以前はベンゾジアゼピン系受容体作動薬が多く用いられ「睡眠薬は依存性が高い」との通説が広がっていました。現在の主流はオレキシン受容体拮抗薬であり、依存性のリスクは低いと考えられています。薬物療法により不眠症状を抑えることを図り、先に挙げた3つの要因から掘り下げ、原因をコンサルトしていきます。環境因であれば改善策を、身体因であれば何科を受診すれば良いかをアドバイスします。心理検査で不安が強いなど精神科因が考えられるケースでは、さらに詳しい心理検査を用いて性格特性にまでさかのぼって調べていきます。薬物療法も併用をして治療をします。

ドクターからのメッセージ

河村 武人院長

睡眠をとることは大切なことで、翌日のパフォーマンスも左右する大きなファクターです。とはいえ、日単位で睡眠に固執することは、お勧めできません。人間誰しも寝られない夜はあるもの。逆に眠れないほどの心の動きがあるからこそ、人生は面白いともいえます。一晩眠れなかったとしても人体に大きな影響はなく、翌日以降に寝られれば問題ありません。ただし、眠れない状態が長く続くようであれば、その原因にアプローチする必要があるでしょう。近年は睡眠導入剤も依存性や副作用を抑えたものが多くあり、寝つきの悪さや眠りの浅さ、中途覚醒など、不眠のタイプに合わせたものを処方できます。気軽にご相談ください。

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