会社に行きたくない、仕事が怖い
そんな悩みに応える精神科の診療
みどりの森メンタルクリニック成城
(世田谷区/成城学園前駅)
最終更新日:2022/11/18


- 保険診療
働いている人なら誰でも、今日は会社に行きたくないな、と思うことはあるはずだ。ただ、それが毎日のように続けば、過度のストレスで心が押しつぶされ、その結果、休職せざるを得なくなることも考えられる。このように精神的要因で会社に行けなくなった人や、仕事がつらいと悩んでいる人のサポートに力を注いでいるのが、「みどりの森メンタルクリニック成城」だ。河村武人院長は、「心の癖を患者さん本人が理解して、どのように対処すればよいかを知ることが大切です」と話す。同院は本人と周囲が患者を理解するために、WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)という知能検査とMMPI(ミネソタ多面人格目録)と呼ばれる性格特性の検査を重視している。具体的にどのようなサポートを行っているかや、診療の特徴などについて話を聞いた。
(取材日2022年9月14日)
目次
心理検査によって一人ひとりの特性を理解し、それに適した対処方法をアドバイス
- Q会社に行けない、行きたくない時はどうすれば良いのですか?
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A
▲早めに心療内科や精神科を受診し相談を
まず、人は何のために仕事をするのか考えてみましょう。それは、「昼間の居場所」を得るためだと思います。昼間は自宅以外の場所で過ごし、夜は自宅でリラックスするというオン・オフの切り替えが大切で、その居場所を確保するために仕事をするのです。昨今の在宅勤務によって、そのことを実感した人も多いかもしれません。もし、会社に行きたくない、仕事に行くのがつらいなどと感じたら、早めに心療内科や精神科を受診して相談するようにしましょう。医師と話をするだけで何かしらの解決策を得られれば、1回の受診で済む場合もあるでしょう。今では、心療内科や精神科のハードルは高くはありません。気軽に相談することをお勧めします。
- Q心療内科や精神科を受診後、うまく社会復帰できるか不安です。
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A
▲何が影響しているのか患者とともに掘り下げていくと話す河村院長
心療内科や精神科での診療は、今お話しした昼間の居場所、元の場所に戻れるようサポートすることが基本です。なぜ、会社に行けなくなったのか。何が影響しているのかを、患者さんとともにしっかり掘り下げていきます。その理由の一つとして、その人の特性、言い換えれば心の癖があるかもしれません。当クリニックでは心理検査を活用して、その人の心の癖を探り、これからどのように対処すれば良いのかを、一人ひとりの特性に即しながら考えていきます。薬物療法も対症療法として必要ですが、それだけではなく、患者さんの特性を分析しながらオーダーメイドの治療を合わせて行うことで、患者さんの社会復帰をめざしていきます。
- Qこちらでは、どのような相談に乗ってもらえるのでしょうか?
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A
▲患者一人ひとりに合わせ、丁寧にヒアリング
仕事に行きたくない。会社に行こうと思うと吐き気がする。会社のことを思うと涙が出てくる。夜眠れない。食事が喉を通らない。理由もなく息苦しく感じたり動悸がしたりする。誰かが悪口を言っているように感じるなど、どんな悩みでも相談に応じています。疾患名などでいえば、不眠症、適応障害、自律神経失調症、うつ病、双極性障害、パニック障害、発達障害、統合失調症、心的外傷後ストレス障害といったものに対応しています。何か異常を感じたら、できるだけ早く受診することをお勧めします。早期であれば治療期間も短く済み、予後も良くなることが期待できます。また、医師の診察の後、必要であればカウンセリングを受けることも可能です。
- Q心理検査の位置づけや内容について教えてください。
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A
▲検査だけでなく、患者へのフィードバックが重要
心理検査には、ロールシャッハ・テストやP-Fスタディに代表される人格検査、知能検査、認知検査などがあります。中でも当クリニックでは、WAIS-IVという知能検査とMMPIと呼ばれる性格特性の検査を重視しています。WAIS-IVでは、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの能力群を指数で表わし、そこからIQが算出されます。MMPIは、性格特性を多面的に測定します。これらの2つの検査で、事務処理能力的な部分と性格がわかります。心理検査では、自分にどんな能力や心の癖があるのかを理解して、周囲に認めてもらうことが重要で、私もこの両方を組み合わせて患者さんを診ることを重視しています。
- Q治療を受ける上で患者本人や家族が気をつけることはありますか?
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A
▲まずは患者本人が焦らないことが大切と話す河村院長
まずは、薬による治療も大切だということです。私は、対症療法とはいえ薬にも重要な役割があり、心理検査やアドバイスだけですべてが解決すると考えるのは間違いだと考えています。それらと薬はあくまで両輪であることは理解してください。また、治療に本人が焦らず、家族など周りの人も焦らせないこと。例えば、うつ病の場合に最も症状が強い急性期には、何もせずに休むことと服薬が必要不可欠です。そして、1~2ヵ月して少し回復してきた時期には、規則正しい生活を送ることが重要になるなど、回復していく過程で、その時期によって対応が異なります。その過程でどうしても、本人やご家族が焦ってしまうことがありますから、注意が必要です。