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河村 武人 院長の独自取材記事

みどりの森メンタルクリニック成城

(世田谷区/成城学園前駅)

最終更新日:2021/10/12

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小田急線の成城学園前駅から徒歩2分の医療ビル4階にあるのが「みどりの森メンタルクリニック成城」だ。開業したのは2021年7月。院長の河村武人先生は、東海大学医学部付属病院精神科や丹沢病院で軽症の患者から入院を必要とする重度の患者までさまざまな心の病に悩む患者の診療にあたってきた。河村院長は、それらの経験を生かしながら、地域のクリニックだからこそ行える一人ひとりの心に寄り添った診療を実践したいと開業。特に精神的な理由で会社に行けなくなった人たちの社会復帰をサポートすることを大きな目標としているという。そんな河村院長にクリニック開業の思いや診療の特徴などについて話を聞いた。

(取材日2021年9月13日)

精神的な理由で休職した人の社会復帰をサポートしたい

先生はどのような思いでこのクリニックを開業なさったのでしょうか。

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今、これまで働いていた人が何らかの精神的トラブルによって会社に行けなくなった、あるいは、もう会社に行きたくないなどと悩んでいる人がとても増えています。特に都心部では、第一線で活躍していた人が仕事ができなくなるほど精神的に追い詰められているケースも多いと思います。私はそういった心の病によって困っている方々をもう一度社会に復帰できるようサポートしたいとの思いで開業しました。これまで、東海大学医学部付属病院や丹沢病院などの病院の精神科で外来や入院患者の診療を行ってきました。さまざまな患者さんと向き合う中で、最も重要なのは、患者さんとしっかり対話をすることだと感じています。心の悩みは、単に薬だけで解決するわけではありません。薬も大切ですが、それは対症療法に過ぎません。当クリニックでは患者さんとじっくりとお話をしていきながら、それぞれの症状に即した診療を行っていきたいと思っています。

会社に行けなくなってしまう、その原因はどんなことにあるとお考えですか。

大きな要因は人間関係と仕事量にあると考えます。人は持っている知的能力にばらつきがあります。例えば情報処理能力を考えた場合、目から情報を得たほうが処理能力の高い人もいれば、耳から得るほうが得意という人もいます。一人ひとり、知的能力には凸凹があり、それがその人の特性でもあるのです。ただ他人、特に会社の上司は凹凸の高い部分でその人を判断することが多く、低い部分を見つけるとさぼっている、なまけていると非難してしまいがちです。周りの人の目もあり、それが人間関係のストレスとなり、やがて休職せざるを得ない状況となっていくわけです。そうした個々人の特性についてご自身が理解することがまず大切です。その上でどのように対処すればよいかを知ることが重要なのです。またご本人の性格も要因の一つと言えるでしょう。ストレスを感じた時に相手や環境のせいにする他罰的な性格か、自責的な性格なのかといったこともあります。

そうした特性を知るために心理検査を行っていると伺いました。それがこちらの一つの特徴ですね。

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当クリニックでは、臨床心理士が心理検査を行い、その人の特性、言い換えれば一人ひとりの心の癖を理解し、それぞれに即したオーダーメイドの治療を行っていきます。心理検査には、人格検査や知能検査などいろいろな検査がありますが、私が重視しているのが知能検査です。当クリニックでは、WAIS-IVという知能検査を用いています。これは10個の基本検査があり、それらの結果は言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度といった4つの群にまとめられ、各指数で表されます。また、それらの指数からIQの数値が算出されるというものです。この検査によって4つの群の能力にどのようなばらつきがあるかがわかります。

一人ひとりの特性に沿ったきめ細かなフィードバックを

その結果をどのように診療に生かすのでしょうか。

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心理検査によって明らかになった心の癖を理解し、認めた上でどのように対処すればいいかアドバイスするようにしています。患者さんが社会生活を送る上で、どんなことに注意すればいいかフィードバックするのです。その際、臨床心理士とともに、この患者さんのこの能力を社会で生かすためにはどうしたらいいか、社会でもう一度輝かせるためにはどうすれば良いかを真剣に討論し、その人に合わせた方法を提案しています。例えば、AからB、BからCと関連づけして3つのことを行う場合、知覚推理が苦手な人は、AからBで止まってしまい、BからCができないということが起こり得ます。その場合、「Bが終わった段階で、次は何をすればいいですか、と周りに質問しましょう」とアドバイスするのです。質問をすれば何も問題なくCに進めるわけです。このように一人ひとり能力のばらつきも対処方法も異なりますので、一人ひとりに合わせた治療法を考えていきます。

診療の際はどんなことを心がけていますか。

決して自動販売機のような診療はしないと心に決めています。時間をほとんど取らずに薬だけ出して終わりという診療はせず、患者さんとの対話を大切にしています。患者さんがなぜそのような状態になったのか、背負っているものは何なのか、その方のバックグラウンドまでよく理解した上で診察するよう努めています。初診には30分以上、再診では約10分から20分程度かけて患者さんとお話しするようにしています。クリニックは患者さんが心の奥にたまった膿を吐き出す場所だと思います。最初は話しにくいかと思いますので、できるだけ話しやすい雰囲気づくりにも配慮しています。時間をかけて話をしていく中で患者さんと信頼関係を築いて、患者さんがどんな心の膿でも心置きなく吐き出せるクリニックになれればと思っています。

こちらでは血液検査も行っていると伺いました。何のために行うのですか。

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薬物療法のフォローとして血液検査を行っています。その目的は3つあります。一つは肝機能の検査。薬には肝代謝型のものが多く、長期にわたって服用すると肝臓機能が低下するリスクがあるため、肝機能の数値を調べます。2つ目は、きちんと服薬しているかどうかの確認です。患者さんの中には薬を飲んでいない人も多く、それを客観的データで示すために薬の血中濃度を測ります。3つ目は副作用の確認です。薬によっては女性ホルモンの増加や手の震えといった副作用が出るリスクもあるため、血液検査によって血中濃度を測りそれらとの相関関係を調べるのです。

何かおかしいと思ったら、早めに受診を

どんな症状がある時に受診すると良いのでしょう。タイミングを教えてください。

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仕事に行きたくない、会社に行こうと思うと吐き気がする、夜眠れない、食事が喉を通らないなど、ちょっとおかしいなと感じたら早めに受診してください。これらの症状は表層面に現れたもので、その下に何があるのかを掘り下げることが大切です。脳の神経は一度ダメージを受けると再生しないと考えられています。脳が長くストレスにさらされ続けるとそれだけダメージも深くなるので、早めに受診することをお勧めします。

ところでなぜ先生は医師をめざされたのでしょう。精神科を選んだ理由も教えてください。

若い頃、長期にわたり体調を崩したことがありました。そのとき、たまたまかかった病院の医師に処方していただいた薬が合って、体調が回復へ向かいました。その医師にとても感謝しましたが、治療を継続するうちに機械的な診療になり、疑問も感じ始めました。そんな体験から、自分が医者なり、親身に患者さんの話を聞いてあげられる診療を行いたいと考えるようになったことがきっかけで医師をめざしました。また、私が得意とする、『人の話をじっくり聞く』ということを生かしながら、一人ひとりの患者さんに合った診療を一緒に考えていけるのが精神科の魅力だと思い、精神科を志しました。

では最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

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精神的な理由で社会から離れてしまった方々を社会復帰させたい、一人ひとりの心の癖を理解してサポートしていきたい、それが私自身の働くエネルギーです。いつもと少し違う、心が弱っていると感じたら、抱え込まずに、お気軽に当クリニックにいらしていらしてください。精神科に行くことがまず1つ目のハードルだと思いますが、どうしたら良いか悩まれる場合は、お電話でお問い合わせいただいても大丈夫です。当院スタッフ一同、患者さんのお力になりたいという気持ちで対応をさせていただいております。心の癖を整理して少しでも早く社会に戻れるよう、少しでもお役に立ちたいと思っています。

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