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頻尿ストレスは我慢せずに治療を
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法

かねみつクリニック

(大阪市城東区/今福鶴見駅)

最終更新日:2022/06/13

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  • 保険診療

女性に多く、冬には患者が増加するという過活動膀胱。本来ならば少しずつ尿意を自覚し、自らの意思でトイレを我慢することもできるはずが、「おしっこを我慢する」という当たり前のことが困難になってしまう病気だ。特に難治性の場合、外出が難しくなったり、頻尿ストレスを抱えたりと、患者の生活の質が著しく低下する恐れがあるという。なかなか症状の改善が見込めず苦しむ患者を救いたいという情熱のもと、「かねみつクリニック」の金光俊行院長は、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を実施。日帰りで受けられる保険適用の手術で、日常的な薬の服用は不要だそうだ。導入している医療機関が少ない中で、新たな治療の選択肢としてボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を提案する院長に、具体的な治療内容や手術の流れについて聞いた。

(取材日2021年9月21日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q過活動膀胱とはどのような病気なのですか?
A

過活動膀胱は我慢できないレベルの尿意が突然起きる病気です。人間は尿意を感じたら排尿するか我慢するかを選択しますが、過活動膀胱の方にはこの選択肢がなく、おしっこを我慢することが困難になります。トイレへ行く時間すら我慢できず漏らしてしまう過活動膀胱は「Wet OAB(切迫性尿失禁)」、尿失禁までいかずとも、切迫感が続き頻尿ストレスにさらされる過活動膀胱は「Dry OAB」と呼ばれます。40歳以上の日本人の8人に1人に見られ、高血圧や糖尿病などの疾患や年齢が原因の一つと考えられますが、不明の場合も多いです。治療は薬物療法が基本で、3ヵ月服薬を継続しても改善が見られない症例は「難治性」と診断されます。

Q治療法はどのようなものがありますか?
A

通常は薬物療法や、生活の中で取り組める運動、飲食での工夫などの行動療法を行っていきます。この方法を続けても期待する変化が見られず難治性と診断された場合には、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法が選択肢として挙がってきます。これは膀胱の内部の筋肉にボツリヌス毒素製剤を注入して筋肉を弛緩させることで、過敏になっている神経伝達の抑制を図るものです。日本では2020年4月に難治性過活動膀胱に対してこの方法が保険適用されました。手術ですので通常のお薬の処方よりも一度の出費は大きくなります。ですが、継続的なお薬の処方や通院は不要となりますので、患者さんにとってメリットになるのではないでしょうか。

Qなぜボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を導入されたのですか?
A

過活動膀胱のお薬を出すだけなら、泌尿器科以外の医師でも教科書を読めば可能でしょう。ですが、地域のクリニックとして泌尿器科医の私に何ができるかを考えたとき、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法が誰かの救いになるかもしれないと思いました。患者さんの中には、薬物療法では効果が十分でない方や、副作用によって長期間の服用が難しい方もおられます。特に「Wet OAB」の方は、QOL(生活の質)が低い生活を毎日過ごしていらっしゃいます。欧米では日本に先行してこの手術療法が広がっており、日本でも承認されたタイミングで「患者さんに対してベストを尽くす姿勢が大事」と思い立ち、一歩踏み込んだ治療を行うことにしたのです。

検診・治療START!ステップで紹介します

1医師による問診と検査

問診では、おしっこが我慢できない症状が出始めた時期、これまでに受けてきた治療、アレルギーの有無などを回答。過活動膀胱の重症度合いを判定する「OABSS」という質問票にもチェックを入れる。検査結果と今までの治療経緯など総合的に確認の上、継続した薬物療法が困難との判断や、難治性と判断された場合に手術が適用となる。採血検査で尿の混濁や尿路感染の有無を調べ、感染している場合は先にそちらの治療を受ける。

2麻酔処置

手術中は尿意を感じる場面があり、ボツリヌス毒素製剤を注入する際は痛みも生じるため、施術は麻酔下で行われる。同院では、膀胱領域の痛覚を低下させる仙骨硬膜外麻酔という局所麻酔を使用。下半身麻酔よりは作用が弱く、必要な箇所だけに働かせていく麻酔なのだという。麻酔にかかる時間は10~15分ほど。

3手術

麻酔の効きを確認後、手術を開始。膀胱鏡という専用のカメラがついたスコープを尿道から挿入し、まずは膀胱内に水を入れて膨らませていく。その後、膀胱壁の筋肉に20ヵ所ほど注射針を刺して、ボツリヌス毒素製剤を注入していく。処置は10分程度で終了するが、麻酔の状態やイレギュラーな事態が発生したときのことを考えて、時間に余裕を持って受診するのが好ましいそう。

4リカバリー

手術後はリカバリールームのベッドで30分ほど休憩する。麻酔から覚めたら一度排尿を行い、尿がきちんと出ているか、残尿量が多くないかなどを確認。問題がなければ帰宅が可能だ。院内にいる時間はトータルで1時間が目安。なお難治性過活動膀胱と診断されれば、手術費用は保険診療が適用される。民間の保険会社による医療保険に加入している人は、手術給付金の対象となる場合もあるので直接保険会社へ確認するといいだろう。

5定期的な通院で効果を確認

施術から1週間後に受診し、手術前と同様にOABSSへのチェックと尿の検査を実施。客観的な視点から手術前後の状態を比較していくため、検査内容は大きく変えないのだそうだ。次回はそこから2週間後、さらにそこから1ヵ月後と期間を空けながら、術後の状況を確認していく。

ドクターからのメッセージ

金光 俊行院長

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法の持続期間は永続的ではありません。そこで提案したいのが、症状が強く出ることの多い冬は手術、尿量が減る夏は薬物療法と、季節ごとに治療を選択する方法です。患者さん一人ひとりで適切な治療法は異なるため、薬物療法だけでなく、こうした選択肢があっても良いのではないでしょうか。難治性過活動膀胱である「Wet OAB」により、「おしっこが我慢できない」「頻尿ストレスをどうにかしたい」とお悩みの方は、新たな治療法も選択肢に入れていただけたらと思います。当院では日帰り手術で対応していますので、コロナ禍における入院・手術や、金銭的な負担が心配な方もぜひご相談ください。

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