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改善が見込めない頻尿の悩みに
ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法

かねみつクリニック

(大阪市城東区/今福鶴見駅)

最終更新日:2023/11/30

かねみつクリニック 改善が見込めない頻尿の悩みに ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法 かねみつクリニック 改善が見込めない頻尿の悩みに ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法
  • 保険診療

過活動膀胱は、尿意を我慢できずに頻尿や尿漏れに悩まされる、トイレが心配で外出できないなど、日常生活に支障を来すことも少なくない。「医療法人あとま会 かねみつクリニック」の金光俊行理事長によると、通常は薬で症状の改善が図れるが、改善が見込めない人や「年齢のせいだから仕方ない」と、治療そのものを諦めてしまう人もいるそうだ。そうした難治性の過活動膀胱に悩む人のために、理事長が力を入れているのがボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法。導入している医療機関は限られるが、日帰りで受けられる保険適用の手術で、おしっこの悩みで困っている人を救うための新たな治療の選択肢として注目されている。金光理事長に同治療法の内容や実際の治療の進め方などについて詳しく聞いた。

(取材日2023年8月31日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q過活動膀胱とはどのような病気ですか?
A

我慢できないほど強い尿意が突然起こる病気です。40歳以上の8人に1人に見られ、尿漏れを伴う症状は女性に多い傾向にあります。私たちは尿意を感じると、トイレに行くか、我慢するかを選択できますが、過活動膀胱の方にはこの選択肢がありません。おしっこを我慢できず、トイレへ行くまでの時間さえ我慢できずに漏らしてしまう場合は「Wet OAB」、漏らすことはないもの切迫した尿意が続く場合は「Dry OAB」と呼ばれます。加齢や高血圧、糖尿病などの生活習慣病が原因の一つと考えられていますが、原因がわからないケースも多く見られます。治療はお薬が基本で、3ヵ月間服用しても改善が見込めない場合は難治性と診断されます。

Qどのような治療法がありますか?
A

通常は薬物療法に加えて、生活の中で取り組める運動や飲食の工夫などいわゆる行動療法を行います。こうした治療を続けても期待する変化が見られない場合は難治性と診断され、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法が選択可能です。筋肉を弛緩させるために膀胱の内部の筋肉にボツリヌス毒素製剤を注入して、過敏になっている神経による尿意の伝達を抑えることを図ります。日本では2020年に難治性過活動膀胱に対してこの治療法が保険適用となりました。手術なので通常の薬物療法に比べて一度の出費は大きくなりますが、継続的なお薬の服用は不要です。何よりも、難治性の患者さんにとって頻尿ストレスからの解放は大きなメリットになるでしょう。

Qなぜボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を導入されたのですか?
A

過活動膀胱のお薬を出すのは、泌尿器科以外の医師でも教科書を読めば可能です。しかし、患者さんの中には、薬物療法では改善が見込めない方や、副作用で長期間の服用が難しい方もおられます。とりわけ、尿漏れを伴う場合は日常生活に大きな支障を来して、QOL(生活の質)が低下する方が少なくありません。こうした状況に対して、地域のクリニックとして泌尿器科の医師の私に何ができるかを考えたとき、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法が困っている方の救いになるかもしれないと考えたのです。ちょうど日本でも治療法が承認されたタイミングで、患者さんに対してベストを尽くす姿勢が大事と、一歩踏み込んだ治療を行うことにしました。

検診・治療START!ステップで紹介します

1医師による問診と検査
かねみつクリニック 医師による問診と検査

問診では、尿意が我慢できない症状が出始めた時期やこれまでに受けた治療、アレルギーの有無などについて尋ねられ、過活動膀胱の重症度合いを判定する質問票「OABSS」に記入する。検査結果と治療歴などが総合的に確認され、継続した薬物療法が困難、難治性の過活動膀胱と判断された場合に手術が適用可能となる。また、採尿検査によって尿の混濁や尿路感染の有無がチェックされ、問題が見つかった場合は先にその治療を受ける。

2麻酔処置
かねみつクリニック 麻酔処置

手術中は尿意を感じる場面があり、ボツリヌス毒素製剤を注入する際は痛みも生じるため、麻酔処置が行われる。同院では、基本的に尿道からチューブを留置し局所麻酔液を膀胱内に注入する膀胱浸潤麻酔を施行しているそう。膀胱領域の痛覚を低下させるための仙骨硬膜外麻酔の注射と比べ、膀胱のみに麻酔ができるのが特徴で、注射の痛みが少ないのが利点。麻酔処置に関わる所要時間は15分ほど。

3手術
かねみつクリニック 手術

手術がスタートする。専用のカメラがついた膀胱鏡と呼ばれるスコープが尿道から挿入され、水を注入して膀胱を膨らませた後、膀胱壁の筋肉に20ヵ所ほど注射をして、筋肉を弛緩させるためのボツリヌス毒素製剤が注入される。こうした処置は10分程度で終了するが、イレギュラーな事態も想定して、時間に余裕を持って受診したい。

4リカバリー
かねみつクリニック リカバリー

膀胱局所麻酔では術後リカバリーは不要、仙骨硬膜外麻酔ではベッドで30分程休憩する。その後、一度排尿を行い、尿がきちんと出ているか、残尿量が多くないかなどを確認され、問題がなければ帰宅できる。所用時間は1時間程だ。なお難治性過活動膀胱と診断されれば、手術費用は保険診療が適用される。民間の保険会社による医療保険に加入している場合は、手術給付金の対象となる場合もあるので直接保険会社へ確認したい。

5定期的な通院で状況を確認
かねみつクリニック 定期的な通院で状況を確認

手術後は過活動膀胱の薬は服用を中止。1週間後に受診し、手術前と同様にOABSSに記入し、尿の検査を受ける。金光理事長によると、客観的な視点から手術前後の状態を比較するため、受診時の検査内容は大きく変えないそうだ。次の受診はその2週間後。さらに、1ヵ月後と期間を空けながら、少なくとも半年間は継続して術後の状況が確認される。なお、一定期間を過ぎ、必要性が認められた場合は、再手術が検討される。

ドクターからのメッセージ

金光 俊行理事長

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を行った後の結果は永続的ではありません。再手術は、最短で4ヵ月開ければ可能ですが、開業当初以来の方針として、当院では半年間は様子を見るようにしています。尿意が特に強くなるのはやはり冬場なので、患者さんの中には寒い時期に手術をして、夏場はお薬で対応している方もおられます。「おしっこが我慢できない」「頻尿ストレスをどうにかしたい」とお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

金光 俊行理事長 かねみつクリニック
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