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佟 暁寧 院長の独自取材記事

大阪静脈瘤クリニック

(大阪市北区/東梅田駅)

最終更新日:2022/08/24

佟暁寧院長 大阪静脈瘤クリニック main

大阪メトロ・東梅田駅から直結のビルにある「大阪静脈瘤クリニック」は、足のむくみやだるさといった症状を引き起こす下肢静脈瘤を専門に治療するクリニック。体への負担が少ない高周波カテーテル手術や硬化療法を日帰りで行っている。院内は洗練された雰囲気で、長く続く廊下の奥にはVIPルームも備えている。「下肢静脈瘤は、生活の質を向上させる治療です。それだけに、よりクオリティーの高い治療、満足感のある治療をめざしています」と語るのは佟暁寧(とう・ぎょうねい)院長。長年下肢静脈瘤治療に携わり、こまで数多くの手術を行ってきた静脈治療のエキスパートだ。そんな佟院長に、同院の診療方針や開業のきっかけについて話を聞いた。

(取材日2021年12月20日)

静脈瘤治療に特化し、患者のQOL向上をめざす

すてきなクリニックですね。どのようなコンセプトでオープンされたのでしょうか?

佟暁寧院長 大阪静脈瘤クリニック1

当院は、静脈瘤の治療を専門としたクリニックです。ふくらはぎの血管がぼこぼこと浮き出る、足がむくむ、重だるさを感じる、こむら返りを起こすといった症状が特徴の下肢静脈瘤治療に対応しています。当院の治療は、生活の質を向上させる目的の前向きな治療になりますから、手術を躊躇されることなく、治療することの喜びを感じてもらえるようなクリニックをめざして診療しています。内装も美容室やエステサロンのように明るく清潔感あふれる空間にして、スタッフ全員が「You can enjoy!」という気持ちで、患者さんたちをお迎えしています。

患者さんは、どのような方がお越しになりますか?

下肢動脈瘤というと、女性がなるイメージを持たれますが、実際のところ当院の患者さんは男女半々くらいです。年齢に関しても、幅広くお越しで、一般的に高齢の方が多いのは間違いありませんが、それは下肢静脈瘤が徐々に進行する病気だからです。若い人でも発症する病気で、私が治療した最年少患者は16歳でした。また、ぼこぼこと出た血管症状が象徴的にいわれますが、実際には血管の隆起があるのは約2割です。足のむくみ、重だるさ、こむら返りのほか、かゆみ、クモの巣状の血管など症状は多岐にわたります。家族に下肢静脈瘤になった人がいる人や立ち仕事の人で、ふくらはぎに不調を感じた際には、早めに専門のするクリニックを受診することをお勧めします。

患者さんと接する際に、気をつけていることはありますか?

佟暁寧院長 大阪静脈瘤クリニック2

たくさんありますが、1つは、患者さんの気持ちを大事にすることです。「そうですよね」「つらいですよね」など共感を伝える言葉は、中国語や英語にはない日本特有のニュアンスで、相手に寄り添うことができる素晴らしい言葉だと思います。また、診察では必ず雑談から入り、「故郷はどこですか?」「電車で来たんですか?」と聞いて、「旅行で行ったことあります! いいところですね」「あの駅にある、あのお店はおいしいですね」というふうに、少なからず緊張されている気持ちを解きほぐすよう努めています。もう1つは、丁寧な説明と治療です。患者さんのそぶりから「治療内容を理解してないな」と感じたら、絵や図で示したり、話し方を変えたりして、きちんと理解されるまで何度でも説明しています。また、治療では特に痛みに配慮しており、点滴からの麻酔と足への直接的な麻酔を組み合わせて痛みの軽減に努めています。

心臓血管外科から静脈瘤のスペシャリストへ

ところで、院長が医師になろうと思ったきっかけは何ですか?

佟暁寧院長 大阪静脈瘤クリニック3

小さな頃、毎日の父の帰りが遅いので、母にどうしてか聞いたんですよ。そうしたら「お父さんは、患者さんのために働く医師なのよ。患者さんに尽くしているから、遅くなることもあるの」と言われて、そこで初めて父が医師であることを知ったんです。子ども心に「医師は立派な仕事だな、かっこいいな」と思いました。それから、自分も人を助ける仕事がしたいと、医師をめざしたんです。

心臓血管外科を専門とされた理由は何ですか?

中国の大学院で学んでいる時、心臓血管外科の手術を見学する機会に恵まれました。人間の心臓をじかに見るのはその時が初めてです。初めて見る心臓は執刀している先生の手の中で大きく動いていて、人間の生命力そのものを感じました。動いている心臓を止めて手術して、また鼓動の再開を図るというマジックのような手術に鳥肌が立ちました。心臓血管外科に進んだのは、その体験がきっかけですね。研究生の頃は1件でも多くの手術に立ち会いたいと、56日間病院に泊まり込んだんですよ。「研究室のネズミ」ってあだ名をつけられたほどです。

その後、静脈瘤に注目することとなったきっかけは何ですか?

佟暁寧院長 大阪静脈瘤クリニック4

心臓に関わる手術というのは、命に直結していることもあって、医師にとっては達成感のある手術です。ですが、残念ながら患者さんにとっては「やって良かった」という満足度の低い手術だと思うんです。心筋梗塞や大動脈解離などで病院に運ばれて緊急手術となったら、知らない間に手術されて、傷はできているし、リハビリテーションは必要だしと大変な思いをします。また、早いうちに病気が見つかったとしても、症状がない状態からの手術では「治ったよ」と言われたとしても実感が湧きません。そんな中、笑顔で帰っていくのは、静脈瘤の患者さんたちでした。命に関わらないちっぽけな治療に思われるかもしれませんが、それでも極めたらかっこいいのではないかと思いました。しかし、大学病院ではやりたいことが自由にできない。だったらクリニックを開いて、自分のやり方で、自分が思い描く診療を追求していきたいと思い、開業を決意したんです。

これからも患者にとって満足度の高い治療を追求する

静脈瘤の予防法はあるのでしょうか?

佟暁寧院長 大阪静脈瘤クリニック5

静脈瘤を発症する原因はいくつかありますが、その1つとして遺伝が大きく関わっていますので、予防できるとはいえません。また、対処法として、妊娠しない、出産しない、立ち仕事はしない、といったことも避けられることではありませんから難しいと言えるでしょう。弾性ストッキングは、ある程度の予防は期待できるのですが、使い続けることで筋肉が落ちてしまい、結局発症につながることもあります。お勧めできるのは運動です。1日5000歩~8000歩を目標に歩くことです。しかし、それを続けたからといって発症を少し遅らせているだけです。やはり早期発見、早期治療が重要です。静脈瘤は放っておくと皮膚が変色したり、潰瘍ができて足に穴が開いたりすることもあります。当院では、受診したすべての方に手術をするわけではありません。個々の状態に応じて治療法を決めていきますので、まずは一歩踏み出してほしいと思います。

院長はSNSでの発信も積極的にされていますね。

はい。SNSで静脈瘤の治療方法などについて発信しています。動画編集もだんだん上手になってきて、初めは1時間くらいかかっていたものが、今では通勤中の5~6分くらいでできるようになりました。まだ下肢静脈瘤について知らない人の気づきになればいいなという気持ちもありますが、クリニックの集客とは関係なく、自分がただ好きだからやっています。静脈瘤に関する質問が来たり、先生みたいな医師になりたいと逆に励まされたりもします。先日は、「先生の動画を見ました」と80代の患者さんが来てくれたのですが、もはや世代は関係なく、SNSによる情報発信は世界のトレンドなのだと思います。

今後のビジョンについて教えてください。

佟暁寧院長 大阪静脈瘤クリニック6

当院の目標は、有名レストランでいうところの三つ星のように、「このクリニックだから頼りたい」「遠くても、治療を受けに行く価値がある」と思っていただけるようなクリニックになることです。静脈瘤は放っておいても命に別状はありませんが、それだけに手術というリスクを背負いながら受けていただく患者さんのために、医師はクオリティーにこだわる必要があると思います。丁寧な手術、痛みをできる限り抑えた処置など、まるでアート作品を扱うように丁寧に治療をしていくことが私のポリシーです。現在、全国32都道府県から患者さんが当院にお越しです。これからも自分の治療にこだわりを持ってやり続け、多くの人の期待に応えていけるクリニックめざします。

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