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王 興栄 院長の独自取材記事

西尾久リウマチ整形外科

(荒川区/荒川車庫前駅)

最終更新日:2023/03/28

王興栄院長 西尾久リウマチ整形外科 main

上野駅の隣駅の尾久駅から徒歩9分と、遠方からも通院しやすい「西尾久リウマチ整形外科」は、関節リウマチをはじめリウマチ性疾患に対する専門的な診断・治療を得意とするクリニックだ。日本リウマチ学会リウマチ専門医および日本整形外科学会整形外科専門医の王興栄(おう・こうえい)院長は、大学病院や関連病院でリウマチ性疾患の診療や研究を行い、留学経験もあるリウマチ分野の専門家。「患者さまの生涯に関わる病気を診るために、身近で通いやすいクリニックを開院しました。病気や治療のことで、何か疑問・不安がある方は気軽に相談を」と話す王院長に、同院がめざす医療の姿や診療の特徴などを聞いた。

(取材日2023年1月26日)

患者に一人ひとりに寄り添う診療をめざして開院

開院されたきっかけをお聞かせください。

王興栄院長 西尾久リウマチ整形外科1

私は大学病院、リウマチ専門の病院、地域の基幹病院、海外留学などで、リウマチ性疾患の診療や研究に従事してきました。ただ、日々の業務が忙しく、患者さま一人ひとりに向き合う診療ができていなかったことを深く反省し、自分が理想とする「患者さまの近くで、長くお付き合いする」医療の実現をめざして開院したのです。当院はリウマチ科と整形外科を併設し、リウマチ性疾患の専門的な診断・治療のほか、首・肩・腰の痛みや手足のしびれ、ケガ、骨折といった一般的な整形外科、スポーツ整形外科なども診療しています。さらに在籍する理学療法士によるリハビリテーションにも力を入れ、関節リウマチの患者さまも必要に応じて運動療法を取り入れています。また、高齢の方も多い地域なので、骨粗しょう症、運動機能・移動機能が低下した状態であるロコモティブシンドロームなどの早期発見と治療も行っています。

関節の痛みはリウマチ関連の病気を考えたほうがいいですか?

リウマチ分野の専門家に診てもらうようお勧めしますが、原因はリウマチ性疾患に限らず、更年期の影響も考えられます。私自身の診療経験では、手の関節の痛みで受診される40代、50代の女性患者さまの多くが更年期に起こる関節症状でした。更年期に女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が低下することで、手指の痛みやしびれ、関節の変形などが生じると考えられています。治療ではありませんが食品やサプリメントでエストロゲンと似た成分を取り入れることで、症状が改善することも期待できると考えています。当院では大豆イソフラボン由来のサプリメントなどをご紹介して、栄養面から患者さまの悩みにアドバイスしています。このほか対症療法として、痛みを抑えるためのテーピングなどリハビリテーションの面でもサポートします。

診療の際に心がけていることを教えてください。

王興栄院長 西尾久リウマチ整形外科2

当院のロゴマークは「仁」の字をアレンジしたものです。これは、腰掛けた「ニ」から今にも立ち上がろうとする人の姿で、患者さまの生活の質を維持・向上するために治療を行い、より充実した生活を送っていただけるよう努力する当院の姿勢を表現しています。同じ病気でも、基礎疾患の多い方や高齢の方、腰痛でも仕事を続けなくてはならない方、スポーツが原因の障害があってもスポーツをやめられない方など、それぞれ状況は異なります。大学病院時代は病気やケガの治療を中心に考えていましたが、当院では患者さまを取り巻く家庭や仕事、社会にも目を配り、丁寧に寄り添う診療を心がけています。また、リウマチ性疾患は長く治療することが多いため、医師の治療方針や考え方とのマッチングも大切です。すでに治療中の方で転院先を探されているなら、当院を一度訪ねていただければと思います。

薬物治療と運動器治療を併用することが大事

リウマチ分野の専門診療について教えてください。

王興栄院長 西尾久リウマチ整形外科3

関節リウマチの場合、関節機能が保たれている方と、残念ながら関節破壊が進行してしまった方に大別されます。どちらも患者さまの症状や体調に適応した治療薬を使用することは変わりません。しかし、病気が進行した方については、整形外科の視点から傷んだ関節機能を評価し、患者さま一人ひとりに合わせたリハビリテーションの実施計画を立てて、理学療法士による運動器治療や機器を使った物理療法などで運動機能の改善も図っていきます。また、関節リウマチが疑われる方に早期診断が行えるよう、院内の検査機器を充実させました。血液検査で診断できない場合は、関節エコーによる画像診断も用いて早期治療につなげていきます。

リウマチ科と整形外科を併設するメリットは何でしょうか?

リウマチ性疾患は膠原病などの免疫異常が主な原因のため、薬などの内科的治療は重要です。関節リウマチに対しても現在は多様な治療薬が開発され、治療にはより高度な専門知識が求められます。私もリウマチ分野の専門家として、そうした治療薬の中から患者さまに適したものを選んで、ご提供しています。一方で関節リウマチの症状は手のこわばり、関節の腫れや変形、痛みなど関節に関連するものが多く見られます。患者さま自身もこわばりや痛みでお困りの方は多く、そうした病変にアプローチしやすいのは整形外科だと考えています。当院でも関節に痛みを止めるための注射を打つほか、筋力の強化や関節可動域の維持をめざした運動療法の提供など、整形外科で症状の緩和・改善をお手伝いできる部分は多いのです。

リハビリテーションを重視する理由をお聞かせください。

王興栄院長 西尾久リウマチ整形外科4

リウマチ性疾患では手や足の関節が損傷し、患者さまの体の動きが制限されることが多くなります。そこで当院では運動器治療にも力を入れ、患者さまの生活の質を落とさないことを大切にしているのです。また、当院の周囲には多くの急性期病院が点在していますが、退院後も普段の生活に早く戻れるようリハビリテーションを続けたほうがいい患者さまもおられます。そうした場合、術後のリハビリテーションにも詳しい理学療法士が在籍する当院にご紹介いただければ、通院によるリハビリテーションをご提供できますから、ぜひご利用いただければと思います。

地域医療に貢献する中でさらに成長をめざす

先生が医師をめざした経緯をお聞かせください。

王興栄院長 西尾久リウマチ整形外科5

周囲に医療関係者や医師志望の友人が多く、また私もカトリック信者で社会奉仕できる仕事に興味があったことから、自然と医師にめざすようになりました。卒業後は内科と外科の両方の要素がある救命救急センターに籍を置き、そこで昼夜問わず熱意と優しさで診療にあたる整形外科の先生方にふれ、整形外科を自分の専門に選びました。ただ、整形外科の中でもリウマチ分野は少し異質で、免疫の働きに関心があったことに加え、リウマチ分野を専門とする恩師との出会いにより、この分野に進もうと決めたんです。母校の大学病院、リウマチ専門病院として知られる新潟県立リウマチセンターで診療経験を積んだ後、日本リウマチ財団の支援でフランスのパリ大学リウマチ科に留学。帰国後、当時は荒川区にあった東京女子医科大学東医療センター、新宿区の東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターで診療と研究に従事し、2021年に当院を開院したのです。

開院時に院内でこだわった点を教えてください。

整形外科に来られる方は足腰に問題があることも多く、バリアフリーの環境を重視しました。部屋の境目の段差を避け、移動が楽にできるようスペースを広く取り、診察室・検査室・リハビリテーションルーム、廊下やトイレなど、できる限りゆったり配置しています。また、患者さまとじっくりと向き合う時間をつくるため、診療効率を高める工夫もしています。血液・尿検査、画像診断検査、骨密度検査、関節エコー検査などのオーダーから結果まで、各診察室のデスクから院内ネットワークで管理でき、一部の外注検査も外部ネットワークを通して利用できるようにしています。

最後に地域の方にメッセージをお願いします。

王興栄院長 西尾久リウマチ整形外科6

この地で開院したのは、以前の勤務先に近く、担当していた患者さまが通っていただきやすいことに加え、周囲の皆さまの人情味あふれる人柄に惹かれたからです。患者さまだけでなく、明るく温かいスタッフに囲まれて日々の診療を行うことができ、ここにクリニックをつくって本当に良かったと感じます。私はいろいろな方と出会える人生が豊かな人生だと思っていますので、患者さまとのふれあいを通して、スタッフと一緒に成長していければと考えています。当院はリウマチ性疾患のほか、一般的な整形外科の診療も行っていますし、骨粗しょう症やロコモティブシンドロームなどの早期発見と治療にも力を入れています。定期的な健康診断は体調管理に役立ちますから、気軽に受診していただければと思います。

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