全国のドクター9,096人の想いを取材
クリニック・病院 158,815件の情報を掲載(2024年3月28日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市都島区
  4. 野江内代駅
  5. 医療法人輝星会 いわはしクリニック
  6. 声が出ない、むせる等の症状に声と嚥下のリハビリテーション提供

声が出ない、むせる等の症状に
声と嚥下のリハビリテーション提供

いわはしクリニック

(大阪市都島区/野江内代駅)

最終更新日:2021/10/12

いわはしクリニック 声が出ない、むせる等の症状に 声と嚥下のリハビリテーション提供 いわはしクリニック 声が出ない、むせる等の症状に 声と嚥下のリハビリテーション提供
  • 保険診療

日本人の死亡原因の上位に挙げられる肺炎。中でも特に高齢者に多い誤嚥性肺炎を知っているだろうか。誤嚥という言葉がメディアなどで取り上げられ広く認知されるようになって久しいが、その予防法や治療法を知る人はいまだ少ない。2021年5月に開業した「耳鼻咽喉科いわはしクリニック」は、嚥下と音声の領域に詳しい岩橋利彦院長が、嚥下障害と音声障害に特化した診療とリハビリテーションを提供しているのが特徴。言語聴覚士の岩橋さんとともに、高齢化で増え続ける誤嚥性肺炎の予防・治療にも力を入れている。嚥下障害・音声障害に悩む幅広い世代を対象に、治療のスペシャリストとして日々奮闘する2人に、嚥下障害と音声障害、その治療法について取材した。

(取材日2021年7月10日)

嚥下障害や音声障害に悩む患者のために、医師と言語聴覚士が一人ひとりに合ったトレーニングメニューを作成

Q嚥下障害とはどのようなものですか?
A
いわはしクリニック 院長の岩橋利彦先生

▲院長の岩橋利彦先生

【岩橋院長】嚥下とは口から食べたり飲んだりした物を喉から食道へ送り込むことをいい、嚥下障害とはその機能がうまく働かなくなる状態のことを指します。脳梗塞などが原因で嚥下障害が起きることもあります。基本的には高齢の方に多く、年を重ねることで飲み込むための機能が衰え、むせたり、喉に引っかかりを感じたりします。飲み込む際に食べた物が誤って気管に入り込んでしまう状態が誤嚥です。通常だとむせて異物を吐き出すことができるのですが、むせの感覚自体が鈍ってしまっている場合、誤嚥していることに気づかず気管に入ってしまう場合もあります。異物が気管に入ることで肺に炎症が起きると誤嚥性肺炎となります。

Q嚥下障害の治療法について教えてください。
A
いわはしクリニック 嚥下内視鏡検査の様子

▲嚥下内視鏡検査の様子

【岩橋院長】嚥下内視鏡検査により嚥下状態の評価を行い、体成成分分析装置を用いて、筋力がどの程度低下しているのかを調べます。筋力低下が著しい状態と診断されれば、嚥下機能の改善のために内服薬での治療やトレーニングを開始します。筋力アップの体操や、ストレッチ、食事を取るときの姿勢の指導、栄養指導なども行います。患者さんご本人やご家族の方にも飲み込みのメカニズムをご理解いただき、そこに留意して生活することも大切です。肺炎は日本人の死亡原因の上位にあり、中でも多いのが誤嚥性肺炎だといわれています。嚥下障害は予防が大切なので、むせの症状が見られたら早めに受診するようにしてください。

Q先生は、音声障害についても専門にしておられますね。
A
いわはしクリニック 画像を用いて丁寧な説明を心がける

▲画像を用いて丁寧な説明を心がける

【岩橋院長】嚥下も音声も同じ喉という器官のため、高齢の方で嚥下に問題がある場合、音声障害が併存していることが多いです。音声障害に関しては、高齢者だけでなく小さなお子さんからすべての年代の方が対象です。仕事柄、声をよく使う方は声を出しにくいとか、長時間の会話の時に段々と声が出にくくなってしまう感じがあれば、受診のタイミングです。数週間以上にわたって声枯れが続く場合や、声が震える、喉が詰まった感じがする場合も受診をお勧めします。音声障害の中には先天的な疾患やがんが隠れていることもあります。お子さんであれば、発音が不明瞭とか5歳くらいになっても赤ちゃん言葉が抜けないようであれば受診をお勧めします。

Q音声障害の治療にはどのような方法がありますか?
A
いわはしクリニック 音声に関する検査の様子

▲音声に関する検査の様子

【岩橋院長】一つに薬物療法があります。内服薬や点滴のほか、ネブライザー(吸入器)などを使用して治療を行います。手術など外科的治療が必要とされる場合は、連携している基幹病院をご紹介します。音声障害の場合、声帯結節などリハビリ治療が適用となる疾患も多く、当院では言語聴覚士によるトレーニングを受けていただくことができます。リハビリ治療は当院では予約制で、主に発声方法や生活習慣の改善を図っていきます。リハビリは症状に応じて行いますが、保険診療で週に1回程度、3~6ヵ月ほど通院していただくことがあります。

Q音声障害の詳しい内容についてお聞きします。
A
いわはしクリニック 言語聴覚士によるリハビリの様子

▲言語聴覚士によるリハビリの様子

【言語聴覚士の岩橋さん】ご高齢の方で若い時よりも声が出なくなった、声が小さくなった、声がかすれるという方もリハビリの対象になります。「コーラスをやっているんだけど、最近声に張りがなくなって」とおっしゃる方を検査すると声帯に萎縮が見られることがあります。その声帯萎縮を補うための発声方法を言語聴覚士と一緒に練習していきます。音声治療には腹式呼吸や発声訓練などがあり、その人に合った方法を用いて、適切な声の出し方を習得するようにサポートしていくことが言語聴覚士の役割です。リハビリが適応となる声帯結節や筋緊張性発声障害、けいれん性発声障害などの疾患と診断された場合は症状の改善に向けてサポートいたします。

ドクターからのメッセージ

岩橋 利彦院長

嚥下障害・音声障害の治療法は大きく3つに分けることができます。それは薬物治療、リハビリテーション、手術などの外科的治療で、当院では、手術以外の薬物治療、リハビリテーションの2つを提供しています。嚥下や音声のリハビリを提供できるクリニックは現状では少なく、専門的に診療できる医師も多くはいません。開業してまだ間もないですが、治療を必要とする方のために、身近な地域のクリニックで検査から治療まで一連の医療を届けたい、そんな思いで日々患者さんに向き合っています。嚥下や音声に関わることでしたら小さなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

Access